第5話

文字数 428文字

大野と堀木は、あれからも度々会っては共に肩を並べていろんな画家の作品を鑑賞して過ごしていた。

二人が会う回数を重ねるうちに、大野は堀木の恋愛対象が男性であることに少しずつ気がつき始めた。

彼は俺と会うたびにとても嬉しそうな顔をして、やたらと手を握ったり、べたべたと身体に触ってこようとする。

どう考えても、いい歳した大人の男が同性の友人にとる態度と違うのだ。

もしかしたら彼は、おれのことが好きなのかもしれない。

彼を裏切って別の人と結婚してしまったとか言う恋人も、男に違いない。

大野は初め、軽い気持ちで堀木に声をかけただけに過ぎなかったが、堀木の事情を知るや否や、男同士のセックスがどんなものなのか知りたいという好奇心が抑えられなくなった。

彼は「する側」なのか、「される側」なのか?

女性とのアナルセックスとどう違うのか?

女性との行為に飽き飽きし始めていた大野は、男同士でするのもまた新鮮で面白いかもしれないと考えた。

そこで大野は、堀木を自分の部屋に誘うことにした。
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