詩小説『バンソウコウ』3分の物語。傷を負った人へ。

エピソード文字数 465文字

バンソウコウ

魔法使いを仲間にせずに冒険へ繰り出したもんだから、
HPが削れても回復できなくて。

旅の途中で飽きた、ドラゴンクエストみたい。
痩せ細った夏休みは、メイクをして色づいて。
そんな気持ちに似てる。

朝が来て。

目覚めたての絆創膏。
私から剥がれようとしてる。
眠気まなこの瘡蓋が顔をだす。
全然平気だからって、大丈夫だって。
青空の下に私を連れだしてって。

そんなこともあったねと黒歴史は想い出の顔を決め込んでいる。
絵日記は寒色ばかりで仕上げられた。

あやしていたのに寝相が悪い。
目覚めては私に遊ぼうと言ってくる。

萎れてる。

体温をわけた絆創膏。
生温く私に跡だけを残して。
哀しみを哀しみだと気づかないような。
哀しみのない世界へ。
私を連れだして帰さないで。

目覚めたての絆創膏。
私から剥がれようとしてる。
眠気まなこの瘡蓋が顔をだす。
全然平気だからって、大丈夫だって。
青空の下に私を連れだしてって。

もう怪我させないって匂う嘘をついてみせて。
そん時は絆創膏ごと抱きしめてみせて。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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