第1話 第4のポエム
文字数 1,849文字
あなたの存在を信じない
私は宇宙に一人だけ
私の死は宇宙の死
全てが虚無に消え去るだろう
それこそ私の願う幸福
それこそ唯一の真実
私が病に伏せる時
世界は苦しみの音を立てる
私が危篤の床に伏せる時
世界はガラガラと崩れていくだろう
私が死に飲まれていく時
永遠の闇が訪れるだろう
静かな日々がこれからも続いて欲しい
誰にも干渉されず 何にも心乱されず
自分の時間を安らかに過ごしてゆきたい
もうこの世の騒めきに心とらわれず
私の努力した道のりは私だけが知っている
それが誰にも見えずとも私だけの宝物
そしてこの世の終わりに深呼吸して
溶け込んでいきたい
人の意識がまとわりつく
取り払っても取り払っても拭えない
深夜誰もが死んでいて
私一人生きている時
電話がかかってくる
それは墓場からか、あの世からか
私は決して出ない
緊急のことであっても
私の怒りが増していく
かけがえの無い静寂が乱される
私は速かにスマホの電源を落とし
虚空を睨む
あなたへの届かぬ想いに煩悶する
自由にならないあなたが苦しい
ほんのちょっとした仕草にも心が抉られる
自由にならないなら殺して自分も死ぬ
あなたが私の心にめり込んでいる
あなたを殺すことは自分を殺すこと
愛すれば憎しみはなお募る
もう自制心の欠片もない
いっそあなたが私を殺してくれ
無数の意識が死んだように眠っている夜
私はやっと息ができる
満員電車の混雑の中、一人一人に自意識が
あるかと思うと堪らない気持ちになる
人は自分と関係ない意識を切り捨てて生きている
人は他人の意識を直接的には感じることができない
これが孤独につながるのだが私はこの孤独を愛している
眠れない夜に
沈黙の音が響いている
失われた過去からの叫びだろうか
死んだ人たちの嘆きだろうか
その音は次第に濁流のように渦を巻いて
湧き上がっていく
生きている全てのものへの怨みが満ちている
その恐怖の呪いに人たちは凍りつく
私は死への誘惑に囚われる
窓を開けて死の跳躍をする
月の砂漠を はるばると
旅のらくだが ゆきました
この童謡は母に背負われて良く聴いていた
懐かしい思い出が甦ってくる
母は貧しい家の生まれで必死に私を育てていた
11時過ぎて店が終わってから銭湯に行った
王子様とお姫様が夢の中でとぼとぼと砂丘をこえていく
冬の空には煌々と月が輝いていた
恋していた頃の私は死んでしまった
憧れていた女性も今は亡い
私を誰か甦らせてくれないか
青春の若き日の情熱を思い出させてほしい
昔の恋の詩ならいくらでも書ける
でもそれは遠い過去の出来事
私はもう限界の所まで来てしまった
喜びも感動も悲しみも絶望もない
墓が呼んでいる、もう時間が来た
いつからだろう
人の涙に弱くなったのは
必ず僕もつられて泣いてしまう
人の悲しみが分かるようになったからか
それにしては時間がかかったな
ひどく冷たい人間だったのだろう
自分が衰えて初めて人の心が分かる
のかもしれない
人間ていうのは自分勝手だ
いくつになれば真面な大人になれるのか
私は優しい気持ちで和らいでいる
無意味な存在は何もなく
ただ無のみ感じる
完璧な世界
天上の世界
私はまどろみの中にいる
生でもなく死でもない
現実でも夢でもない
境界の狭間に一人いる
遮るものはなにもなく
遥か彼方に日の光が霞んで見える
空は薄い青が広がっている
私は真理を悟った
目の前に麻美さんがいる
夢を見ているようだった
大学に受かった時の喜び
仏文科で初めて会った時のときめき
声もかけられなかった自分への失望
次第に大学を遠のいて行ったあの落胆
青春の彷徨いが走馬灯のように流れて行った
生きている内に会えた感動が私の目を潤した
最後に贈り物があった
どんな美人も一皮剥けばみな同じ
肉と脂肪の塊が剥き出しになる
恋だ愛だと言おうとも
愛しているのは薄い皮と薄っぺらい心
だが始まりがどんなに愚かでも
子供が生まれ子供が子供を生んで増殖する
大統領になって世界を動かす者も生まれるだろう
でも元はと言えば薄っぺらい愛情から生まれたもの
いい夢を見た後は
自分の想像力に驚く
起きている時のがアリだとすると
寝ている時のはクジラほどに膨れ上がっている
ミステリーもラブストーリーも何でもござい
頭が勝手に夢見てこしらえる
入場料ゼロの奇想天外な映画館
しかも目覚めた後はスッキリとまさに夢心地
疲れた時は眠ってごらん
大学まで通ったあの道にあるビルの歩道橋
あそこから夕日をよく眺めていた
そこがいつの日か尾崎豊の聖地になっていた
彼も高校時代あそこから夕日を眺めていた
そう想うと感慨深いものがある
僕は青春の憂愁に満たされ沈む夕日を眺めていた
彼は青春の怒りと衝動に満たされて眺めていたんだろう
私は宇宙に一人だけ
私の死は宇宙の死
全てが虚無に消え去るだろう
それこそ私の願う幸福
それこそ唯一の真実
私が病に伏せる時
世界は苦しみの音を立てる
私が危篤の床に伏せる時
世界はガラガラと崩れていくだろう
私が死に飲まれていく時
永遠の闇が訪れるだろう
静かな日々がこれからも続いて欲しい
誰にも干渉されず 何にも心乱されず
自分の時間を安らかに過ごしてゆきたい
もうこの世の騒めきに心とらわれず
私の努力した道のりは私だけが知っている
それが誰にも見えずとも私だけの宝物
そしてこの世の終わりに深呼吸して
溶け込んでいきたい
人の意識がまとわりつく
取り払っても取り払っても拭えない
深夜誰もが死んでいて
私一人生きている時
電話がかかってくる
それは墓場からか、あの世からか
私は決して出ない
緊急のことであっても
私の怒りが増していく
かけがえの無い静寂が乱される
私は速かにスマホの電源を落とし
虚空を睨む
あなたへの届かぬ想いに煩悶する
自由にならないあなたが苦しい
ほんのちょっとした仕草にも心が抉られる
自由にならないなら殺して自分も死ぬ
あなたが私の心にめり込んでいる
あなたを殺すことは自分を殺すこと
愛すれば憎しみはなお募る
もう自制心の欠片もない
いっそあなたが私を殺してくれ
無数の意識が死んだように眠っている夜
私はやっと息ができる
満員電車の混雑の中、一人一人に自意識が
あるかと思うと堪らない気持ちになる
人は自分と関係ない意識を切り捨てて生きている
人は他人の意識を直接的には感じることができない
これが孤独につながるのだが私はこの孤独を愛している
眠れない夜に
沈黙の音が響いている
失われた過去からの叫びだろうか
死んだ人たちの嘆きだろうか
その音は次第に濁流のように渦を巻いて
湧き上がっていく
生きている全てのものへの怨みが満ちている
その恐怖の呪いに人たちは凍りつく
私は死への誘惑に囚われる
窓を開けて死の跳躍をする
月の砂漠を はるばると
旅のらくだが ゆきました
この童謡は母に背負われて良く聴いていた
懐かしい思い出が甦ってくる
母は貧しい家の生まれで必死に私を育てていた
11時過ぎて店が終わってから銭湯に行った
王子様とお姫様が夢の中でとぼとぼと砂丘をこえていく
冬の空には煌々と月が輝いていた
恋していた頃の私は死んでしまった
憧れていた女性も今は亡い
私を誰か甦らせてくれないか
青春の若き日の情熱を思い出させてほしい
昔の恋の詩ならいくらでも書ける
でもそれは遠い過去の出来事
私はもう限界の所まで来てしまった
喜びも感動も悲しみも絶望もない
墓が呼んでいる、もう時間が来た
いつからだろう
人の涙に弱くなったのは
必ず僕もつられて泣いてしまう
人の悲しみが分かるようになったからか
それにしては時間がかかったな
ひどく冷たい人間だったのだろう
自分が衰えて初めて人の心が分かる
のかもしれない
人間ていうのは自分勝手だ
いくつになれば真面な大人になれるのか
私は優しい気持ちで和らいでいる
無意味な存在は何もなく
ただ無のみ感じる
完璧な世界
天上の世界
私はまどろみの中にいる
生でもなく死でもない
現実でも夢でもない
境界の狭間に一人いる
遮るものはなにもなく
遥か彼方に日の光が霞んで見える
空は薄い青が広がっている
私は真理を悟った
目の前に麻美さんがいる
夢を見ているようだった
大学に受かった時の喜び
仏文科で初めて会った時のときめき
声もかけられなかった自分への失望
次第に大学を遠のいて行ったあの落胆
青春の彷徨いが走馬灯のように流れて行った
生きている内に会えた感動が私の目を潤した
最後に贈り物があった
どんな美人も一皮剥けばみな同じ
肉と脂肪の塊が剥き出しになる
恋だ愛だと言おうとも
愛しているのは薄い皮と薄っぺらい心
だが始まりがどんなに愚かでも
子供が生まれ子供が子供を生んで増殖する
大統領になって世界を動かす者も生まれるだろう
でも元はと言えば薄っぺらい愛情から生まれたもの
いい夢を見た後は
自分の想像力に驚く
起きている時のがアリだとすると
寝ている時のはクジラほどに膨れ上がっている
ミステリーもラブストーリーも何でもござい
頭が勝手に夢見てこしらえる
入場料ゼロの奇想天外な映画館
しかも目覚めた後はスッキリとまさに夢心地
疲れた時は眠ってごらん
大学まで通ったあの道にあるビルの歩道橋
あそこから夕日をよく眺めていた
そこがいつの日か尾崎豊の聖地になっていた
彼も高校時代あそこから夕日を眺めていた
そう想うと感慨深いものがある
僕は青春の憂愁に満たされ沈む夕日を眺めていた
彼は青春の怒りと衝動に満たされて眺めていたんだろう