菊の恩返し(9)

文字数 127文字

 みるみる三郎のからだはとけて、けむりとなり、
 あとには着ものとぞうりだけがのこりました。
 才之助がおどろいて、着ものをだきあげると、
 その下の土に、みずみずしい菊の苗が一本、はえていました。

 三郎と黄英は、人間ではなかったのです。
 菊の精だったのです。



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