あとがき

文字数 429文字

 本作はもう二十年近く前に、井上夢人著「もつれっぱなし」という本に影響を受けて書き上げたものです。
 同作は、ミステリ界屈指の作家である岡嶋二人の一人、井上夢人さんが書かれたもので、提示された六つの謎を男女の会話文のみという変わった形式で、もつれにもつれながら解き明かしたり解き明かさなかったりする異色の短篇集です。
 本作はその〝男女の会話文のみで、何かを証明する〟という形式を拝借した作品集になります。
 といってもこのカップルは、謎を証明することよりも、その証明で遊ぶことの方に夢中なようですが……。

 井上夢人さんは他にも〝匂い〟を主題にした異色の長編「オルファクトグラム」や、全編日記形式で描かれる「プラスティック」など、その奇抜な発想とするすると頭に染みこむ読みやすい文章で人気を誇る作家さんです。岡嶋時代と合わせて是非どうぞ。

 くだらないことで議論しあえる、そんな彼女が欲しいなあ。
 そんなことを思ってやまない、針とらがお送りしました。
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