第72話 尖閣諸島は日本の領土です

文字数 1,611文字

『ここで1つの事実を紹介したい。この間、一部の真相が分かっていない日本の漁船が絶えなく釣魚島(=尖閣諸島の中国名)の周辺水域に入っている事態が発生している。中国側としてはやむを得ず非常的な反応をしなければならない。われわれの立場は明確で、引き続き自国の主権を守っていく。敏感な水域における事態を複雑化させる行動を避けるべきだ』

先月末のことになってしまいましたが、来日した中国の王毅外交部長が記者会見で言い放った言葉です。
隣でそれを聞いていた茂木外相は苦笑を浮かべるばかりだったと言います。

これ、とんでもないことですね。
王毅外交部長は日本固有の領土である尖閣を中国の領土だと言っているのです、周辺水域内に入れば『非常的な反応』つまりは攻撃すると。
その言葉に対して日本の外相たる茂木氏が『苦笑い』で済ます……情けないにも程があります。

尖閣諸島が日本固有の領土であるのは明白なのです、その理由を挙げておきます。

1884年 実業家の古賀辰四郎が尖閣諸島を調査し、無人島、かつ無主地(領有権を主張する国がない)ことを確認。
1895年 国際的に認められる「先占の法理」にのっとって、尖閣諸島を日本の領土に編入することを閣議決定。
1896年、 古賀、アホウドリの羽毛採取(アホウドリにとってはとんだ災難ですが)と鰹節の製造を開始。
1909年 最盛期、99戸、248名が生活
1940年 辰四郎の嗣子、古賀善次が事業から撤退、再び無人島になる。
1945年 戦後、尖閣を含む南西諸島がアメリカの管理下に置かれる。
1968年 尖閣海底に原油等の資源が存在することが判明。
1971年 中国と台湾が領有権を主張し始める。
1972年 沖縄返還と同時に、尖閣を含む南西諸島が日本に返還される。

どうですか? 間違いなく日本の領土ですよね、中国(台湾もですが)が領有権を主張し始めたのは海底資源の存在が判明してからで、その一年後には尖閣を管理していたアメリカから日本に返還されていますからその前になんとかしよう、と言う意図が読み取れますね、ですが、尖閣は日本に返還されました、その決定をしたのはアメリカですが、1945年に管理下に置いた時は連合軍の決定です、中国も連合軍のメンバーだったはずですが、尖閣諸島を南西諸島に含むことに異論は唱えていません、その際にはちっぽけな島などどうでも良かったのでしょう。
王毅外交部長がこの経緯を知らないはずなないのですが、冒頭の会見では『日本の船が我々の領海に侵入して来れば攻撃する、尖閣は中国のものだ』と言っているわけです。
勝手に敷地境界のブロック塀を移動させて、触るなと言っているようなものです、日本を訪問し、公式の場でこんなことを言うのは常識を疑うレベルですが、茂木外相も情けないです、後々公式に反論はしていますが、こんなとんでもない発言があったならばその場で、王毅外交部長に向かって反論すべきでしょう。
と言うよりも、普通、こんなことを言われたら腹を立てて食って掛かると思いますよ。
もちろん公式の場で喧嘩腰になることはあまり上策ではないのかもしれませんが、すぐさま反論するくらいの気概は見せて欲しかったものです。


中国の覇権主義は留まる所を知りません。
香港の民主活動家、周庭さん他の実刑判決が出たのは記憶に新しいですし、最近では中国の企業がオーストラリアの小島を買収して立ち入り禁止としていますし、国境を越えてブータンに町を建設してしまったと言う事例もあります。
チベットやウィグルは言わずもがなです。
日本でも北海道で広大な土地を買収して随分と長い道路を建設している様です、一体何のために?

どれだけ警戒しても警戒しすぎと言うことはないと思います、もちろん政府として正式な抗議はしているのだろうと思いますが、その姿勢を国民に、また国際社会にきちんと見せて欲しいものです。
抗議だけで済ませて良い問題ではないと思いますが……。
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