第1話

文字数 963文字

明日も仕事だ。いや正確には今日か。だからこのくらいにしておこうかな。
参考書を閉じ、机の隅に寄せる。
ノートを見返す。今日、昨日、一昨日、、、
結構頑張ってるな、今週は。よし寝るか。
机の傍にあるベッドに身体を横たえ、目を閉じる。

今日は22時30分から机に向かった。
眠気はいつも23時過ぎにやってくる。
15分ほど眠気と格闘して、それから約1時間。
あれから5問に手を付けた。
そのうち2つは方針が分からず、解答をみた。
まあ、次に解ければいい。
それと、ああ、数列の和。シグマの公式がまだ怪しい。

うーん、寝ないと朝起きられない。
でも気になる。
結局、机に戻って参考書を開いた。24時50分。
そうそう、K2乗のときは6分の1でN、N+1、2N+1。
K3乗なら2分の1でN、N+1、そしてまとめて2乗。
就寝前に暗記物をやるのは、記憶として定着しやすい、と聞いたことがある。
よし、大丈夫だ。起きたらもう一回諳んじてみよう。

目覚まし時計が6時にセットされていることを確認し、再びベッドに載る。
目を閉じるが、すぐには寝付けない。そんな頭で考える。

公式が証明できればいいと言うけど、限られた試験時間で問題を解くためには、
やっぱり公式を素早く当てはめる必要があると思う。
この力が足りない。練習量が足りない。時間が足りない。
記憶力と瞬発力は確実に落ちている。

こんな感じで戦えるのだろうか。
今は4月。本番まで約9か月。10年ぶりの大学受験に俺は挑む。
日中は仕事だ。朝は満員電車。押して圧されて、職場に着くころにはヘトヘトだ。
仕事は定時で終わらない。同僚と会社近くの食堂で夕食を摂るのが18時。
だいたいはそれから残業。21時に終わればまあ、OK。
そうすると寮に帰るのは22時。電車はさすがに座れる。
英単語帳を手にしながらも、だいたい眠っている。
十分頑張っているよ、俺は。

でも頑張っていることは、評価されない。点数を取らないと認められない。
新しい人生を切り開くために、俺はやる。諦めない。
毎晩同じようなことを考えながら、いつの間にか眠っている。やっぱり疲れているのだ。



大学のホームページを開き、更新ボタンを連打する。

出た。

俺の番号が、、、、あった。。。
サラリーマンをやりながらの医学部受験。受かった。やったぞ!

6時のアラームで現実に引き戻される。さあ、今日も仕事だ。
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