第５１話麻友の制裁⑩

翌朝、芳樹が寝ぼけ眼で歯を磨いていると、女子たちが（不機嫌そのもので）寄って来た。
由紀は、芳樹の尻に回し蹴り。
「亜里沙姉さんにマウント取られ過ぎ」
麻友も続いた。
「何発？夜通しだよね」
夏子は、目が赤い。
「ずっと見てた」
茜は興奮気味。
「芳樹さん、絶倫なの？」

そんなタワイも無い話もあったが、芳樹の「献身的行為」により、「店の女の子：元アイドル研修生」は全員、風間組系列のホテルに移った。

また、１週間後に、「香澄と、演歌大物歌手」「香澄と、夕陽テレビの羽島」、「陽奈と東都テレビの秋本」「陽奈とＩＴの沢村」「姫乃とＫ党の小川国会議員]「姫乃とフリー司会者の玉山」の「枕営業の動画」はが、風間組系列のホテルに移った「店の女の子：元アイドル研修生」たちから、手に入れることが出来た。

「枕営業の動画」をチラつかせた「脅し」は、プロの君澤浩二にまかせた。
いつもの通り、すぐに結果が出た。
君澤浩二は上機嫌に、結果を報告した。
「横浜アリーナでのコンサートも近いし、総選挙も近い」
「演歌歌手のプロダクション、アイドルの会社、テレビ局、イベント会社、Ｒ党から20億取った」

芳樹は、清水亜里沙に感謝した。
「組のホテルに女の子を置いたのも、成功した理由」
「亜里沙姉さん、さすがです」

清水亜里沙は、蕩けるような笑み。
「芳樹、また今夜も、いい？」

その清水亜里沙に、由紀は怒った。
「だめ、亜里沙姉さん、独占禁止だよ」
麻友も機嫌が悪い。
「横浜アリーナ作戦が終わるまで、我慢」
夏子は、芳樹を横抱きにした。
「渡さない」
茜は芳樹の袖を掴んだ。
「一緒に寝ていると、安心する」

芳樹は、懸命に話題を変えた。
「横浜アリーナでの仕掛けは？」

君澤浩二が、女子たちのバトルに苦笑いをしながら答えた。
「イベント会社に若い衆を入り込ませた」
「もう、どうにでもなるよ」
「警護スタッフは、そもそも、うちの組の手下だしな」

麻友の目が光った。
「まずは、枕営業の動画を突然流す」
「ボカシなしにする」
「ラストの大盛り上がりの時でもいい」
「面倒だから、最初でもいい」

夏子
「それと同時進行で、動画サイトにもアップ」
「こっちはボカシを入れる、顏は映すけど」

由紀が芳樹の顏を見た。
「ねえ、会場爆破するの？」
「死傷者でるけど」

芳樹は全員の顏を見た。
「まずは、枕営業を暴露」
「それで大騒ぎになって、涙の再出発コンサートで爆破実施」
「その方が、二度脅しの金が入る」

全員は芳樹の案に異存なく、了承した。