挑戦者 (1区3km-5km)
文字数 3,587文字
■1位 佐々木 千鶴 (ローズ・4年)
■1位 中村 渚 (デイジー・3年)
■1位 黒田 涼子 (デルフィ・3年)
■1位 月澤 瑠夏 (ジャスミン・2年)
■1位 野崎 由香 (リリー・3年)
■1位 市川 菜子 (ネモフィラ・3年)
■1位 池田 朝姫 (アイリス・2年)
アナ
「1区、先頭集団は依然として大きな塊のまま、3キロ手前まで来ました。
松田さん、この展開が続いていくとなると、得をする大学というのは、どの大学になってくるんでしょうか。」
松田
「はい、このままラスト1キロでのスパート勝負にまでもつれれば、ローズ大の佐々木さんなんかは、1500mでスピードに磨きをかけていますから、やはりローズ大学有利でしょうね。」
アナ
「去年この大会は、ローズ大学が1区姫路で後ろをつき離し、そのままアンカーまで一度もトップを譲らず、無敵の5連覇を達成するというゲーム展開でした。
さぁ、今年もローズ大学有利の展開となっていくのでしょうか。」
アナ
「今、けいゆう病院のそばのカーブを曲がりまして、ここがちょうど3キロのポイントになります。
手元の時計で…、3キロが10分15秒でした。
この1キロもまた3分24秒かかりました。」
松田
「昨年が9分47秒でしたから、やっぱり遅いですよね。
・・・あ!黒田さん出ましたね!」
アナ
「デルフィ大の黒田が出た! そしてついていくのがアイリス大の池田!
この2人が、ちょうどみなとみらい駅前交差点のカーブを利用して、前に出ました!」
松田
「黒田さん、このまま遅いペースで他の選手の風除けにされるぐらいなら、前に出ちゃおう! という感じでいま一気に後ろを振り落としにかかってますね。
デルフィ大は、次の2区が駅伝デビュー戦の1年生の西出さんですから、ここで少しでもリードを作って渡したいんでしょうね。」
アナ
「その仕掛けについていったのが、なんと初出場、アイリス女学院大の2年生、池田朝姫でした!」
松田
「いいですね、ガッツがありますね。
池田さんも高校時代、1区の経験豊富ですから、力ありますよ。」
アナ
「いま飛び出す前に、何度か時計を確認する仕草があったんですが、この遅いペースではエースの自分が起用された意味がない!と意を決して前に出てきたでしょうか、黒田。」
アナ
「一瞬集団が縦長になって、集団のペースが上がりそうだったんですが、結局黒田について行ったのはアイリスの池田ただ一人でした!
他の大学は、この仕掛けに反応しませんでした。」
松田
「中山さん、こういう時って監督からの指示があるものなの?」
中山
「そうですね、今ちょうど3キロの声掛けポイントでもあるので、
各大学の監督から、選手の耳についてるイヤホンに、
前につくのか、つかないのかの指示も飛んでると思います。」
監督達は、競技場内に設営された監督室のモニターで、選手の同行を見守ることになっている。
選手達のゼッケンにはGPS機能付きのチップが付けられていて、これにより自校の選手が今どこを走っているのかが分かる。
選手が3km・5km・7km・10kmを通過する際にそれぞれ1分間、選手の耳に装着されたイヤホンへ無線で指示を送ることができる。
選手達は、イヤホンについているダコール・シグナルというボタンを押すことで、監督からの指示が聞こえたことを伝えることができる(ピッ、という発信音が聞こえる)。
※ダコールは、フランス語で「了解」の意。
チームによっては1回押したらYES、2回ならNOなど意味を決めているところもある。
音声ガイダンス
「アイリスダイガク、3キロ、ヲ、ツウカ。センシュ、ト、ツウシンガ、カノウデス。(ピーッ)」
アイリス大・立花監督
「朝姫、いいよ!自分の感覚で。行けると思ったら黒田について行こう!自信持って!」
デルフィ大・滝野監督
「涼子、後ろの集団ついてきてないから、ここ、一気に突き放せ!
休むな休むな。アゴ引け!そうだ!」
ローズ大・鬼塚監督
「佐々木、前の2校はそのまま行かせてやれ。お前はジャスミンの月澤をマークだ。」
アナ
「さあ、この後、どのような展開になっていくでしょうか、第6回みなと駅伝です。」
鉄紺忍者 さんのツイート
@tetsukontasukiw
1分前に投稿
★現在の順位★
1位 黒 田(3年・デルフィ大)
2位 池 田(2年・アイリス大)
およそ5秒差
3位以下、
佐々木(4年・ローズ大)、
月 澤(2年・ジャスミン大)、
中村渚(3年・デイジー大)、
市 川(3年・ネモフィラ大)、
など大集団
#みなと駅伝 #速報
CM中に先頭の2人は4キロを通過。13分33秒。
この1キロは3分18秒と、その前の1キロ3分24秒から明らかにペースが上がる。
■1位 黒田 涼子 (デルフィ・3年)
■1位 池田 朝姫 (アイリス・2年)
アナ
「選手達は今、みなと駅伝のゴール地点でもあります、赤レンガ倉庫の前をいったん、通過しようというところ。
次にここへやってくる時は、最終7区アンカー、決着の時ということになります。
果たしてどの学校が1番に、ゴールの赤レンガ倉庫に帰ってくるでしょうか。」
アナ
「さぁ、先頭は依然として、この両者の並走が続いています。
松田さん、この二人の様子、表情ご覧になっていかがですか?」
松田
「はい、デルフィ大の黒田さん、凄くいい動きですね。
一人ではなく、アイリス大の池田さんも付いてきて、いまちょうど一緒にペースを作る相手がいるので、これはこのまま逃げ切っちゃいそうですね。」
1区持ちタイムランキング
1位 15:25 黒田 涼子(デルフィ)
2位 15:41 月澤 瑠夏(ジャスミン)
3位 15:44 佐々木 千鶴 (ローズ)
4位 15:58 野崎 由香 (リリー)
5位 16:02 中村 渚 (デイジー)
6位 16:05 市川 菜子 (ネモフィラ)
7位 16:07 池田 朝姫 (アイリス)
アナ
「5000m15分25秒、10000mが32分24秒と、非常に素晴らしい記録を持っています、この長身の黒田。先月の全日本インカレ10000mでも準優勝、という好成績を残しています。」
松田
「黒田さんは、全日本インカレの時に、同学年でジャスミン大の神宮寺さんに破れて準優勝だったのが相当悔しかったそうですね。
それからね、今年は長野県での夏合宿中に、
偶然、今並走しているアイリス大学と一緒になったそうで、
初出場で初優勝狙うって宣言してるアイリスの選手達を見て、
自分達も刺激になったっていう風に話してくれましたよ。」
アナ
「あぁ、そうですか!奇しくもそのアイリス大と並走するという展開に、ここまでは、なっています。」
アナ
「昨年まで選手としてこの大会を走っていた中山さんは、現在の状況、どうご覧になっていますか?」
中山
「はい、デルフィ大は1区で黒田さん・・・、エースを持ってきてますので、この区間で後ろをできるだけ離しておきたいところですね。
もうここまで来たら区間賞は最低限で、あとは、どこまで後ろと差をつけられるかが重要だと思います。」
松田
「反対にね、今まだ後ろにいる優勝候補の、ローズ大やジャスミン大なんかはね、
2区以降も勝負できる布陣で来てますから、1区はまず確実に繋ごうという意識が強いんじゃないでしょうか?」
アナ
「なるほど。その辺り、ある意味有力校の冷静さと下克上を狙う大学の積極性とが、ぶつかりあっているわけですね?」
黒田は後ろが離れたのを確認し、次に朝姫の表情を覗き込んだ。
黒田
(言ってくれるじゃん!)
「いいよー! 一人旅よりこっちのほうが断然走りやすい。」
アナ
「えー、先頭は、1区9.6kmの半分、4.8kmまで来ました。まもなく5キロを通過しようかというところ。」
松田
「二人ともペース落ちませんね。
アイリスの池田さんも、海からの横風は長身の黒田さんを上手く風よけに利用していて、いま追い風になったら今度は隣に並び出しましたよ!
その辺り池田さん、なんというかすごく頭がいいですね。
初出場ですけど、非常に落ち着いた走りに感じます。」
アナ
「さぁそして、先頭の二人は今、5キロの看板を通過していきました。
16分47秒。この1キロは3分14秒でした。
今この直線道路で確認してみても、後ろの3位集団とは、もう20秒近く差が開いてきたでしょうか?」
バイクリポート
「後ろの集団、5キロの通過17分9秒でした。」
アナ
「17分9秒。ということは、先頭集団と後ろの3位集団との差は、えー、もう22秒離れていることになります。」
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