第30話「恋バナか、恋バナしてたんか? ウチの事が好きって? 困るわ~!!」
文字数 2,588文字
~前回までのあらすじ~
師匠が遺跡の魔法について解説してくれた。ご飯は食べ終わった。
ごちそうさん! ウチちょっとシャワー浴びてくるわ。
ここまで長旅やったし疲れたわあ
カイカ、ウチがいくら魅力的やからって風呂覗いたりしたらアカンで?
ウチがナイスバディでカイカの目を引くってのは分かるけどな~?
ウチが1000年に一度の美少女やから惚れんも分かるけどぉ~?
風呂を覗くのはなぁ? さすがにアカンでカイカ?
ホンマに分かってんのん?
あっ実は分かってるフリして後でこっそり覗こうとしてんちゃん?
いやーあくどい奴やでカイカは! ワルやわぁ~!
聞いてへんやろお前!! もうちょい相手してや!!ウチに魅力ないみたいやん!
お前のナイスバディとやらに興味ねーよ。まだ子供だろお前
なにおう!? ウチが女として魅力ないみたいな言い方やんか!
あるワケねえだろ。俺の肩に頭が届くようになってから出直してこい
ウチ分かったわ。こいつ生粋の
熟女好きや!
見た目若いけど長生きな師匠は気ぃつけたほうがええで!
分からないでください。別にそういうワケじゃないんで
こんな危ないやつと一緒にいられるか!
俺は風呂に行くぞ!(ぴゅ~)
ミステリー小説ならこの後死ぬ奴のセリフじゃねぇか、まったく……
1つか2つ、または3つ、あるいは4つ、もしくは5つ質問していいかな?
出身、家族構成、将来の夢、今後数ヶ月の抱負、最近嬉しかったこと、最近嫌だったこと、恋愛に関する思い入れ、親友と呼べる人物について、尊敬している歴史上の人物、理想とする政治方針、戦士として育つまでの経緯、魔法をどのように習得したか、どの宗派に属しているか、人は死んだ後どうなると思うか……
ごめんなさい、本当にありそうなんでいくつかに絞ってください
あの子はこういう長いセリフを言う時、絶対に噛まない
あー分かります。俺と話す時もずっと1人で喋ってるんですけど、
噛まないし、言葉に詰まりもしないんですよね。「よく喋るな」って
あの子は喋るのが好きだよね。一人で漫才をしていたこともある
興味深かったね。どこで笑えば良いのかよく分からなかったけど……
ん~、時々意味が分からない事をするのを除けば面白い奴ですよね。
一緒に居て飽きないですよ、あの……マシンガントークは
話す内容も豊富だし、色々知ってるし、子供っぽくない印象ですね。
その割にはわがままなトコありますけど
疲れたおんぶしろーとか、肩を揉めーとか、ここの宿代払ってーとか。
戦闘は任せたーとかは本当に勘弁してほしいですね
師匠さんには真面目なんですね。例えばどういう事するんですか?
研究の手伝いをしてくれるし、家事は全部やってくれるね。
買い物も全部あの子に頼む
良いですね。俺にもそういう感じだとありがたいんですけど
師匠さんはあいつのどこを見込んで弟子にしたんですか?
や、聞いたんですけど。師匠さんから直接聞いてみたいというか。
できればあいつと出会った経緯とかも含めて
ちょっと長くなるからね。
全部話すのは、電子書籍化の際に書き下ろしでやろうかな。気が向けば
どうかな。かいつまんで話すと、あの子と私が出会ったのは偶然だね
偶然なんですか。
あいつ「神の思し召し」とか訳分かんないこと言ってましたけど
結果あの子の将来を変えたわけだし、そう表現したくなるのは分かるよ
優秀な助手が欲しかったんだよ。出会ってから話を重ねるにつれ、
私の助手として非常に適切だと思ったんだ
適切っていうのは、やっぱり魔法の素質があったとか?
厳密には違う。知的好奇心の旺盛さ、記憶力といった部分を評価した
賢いからってことですか? 確かにあいつは記憶力良いですね
うん。様々な知識を貪欲に吸収し、それを記憶する能力を持っている。
その知識量で、私に様々な角度からのアドバイスをしてくれるんだ
私はいかんせん、魔法の事に知識が偏りすぎているからね。
とても助かっているよ
あいつがそんなに役立ってるんですか? なんか想像できない……
ふふ。悪いけど、そればかりはどうにも出来ないよ。諦めてね
若干1名反応が辛辣やけど無視~!!
ウチがおらん間に何話とったん? ウチの話? ウチを褒めてる話?
え~ホンマにウチの話やん! そんなにウチがおらんのが寂しかった?
ウチが恋しかったんやろ~~~!! フゥフゥ~~~↑↑
俺が恋しいのはさっきまでの静けさだ、このクソポジティブ野郎
ウチの悪口とかどうせ冗談やろ? ホンマは何話してたんか言ってみ?
恋バナか、恋バナしてたんか? ウチの事が好きって? 困るわ~!!
本当にこれだけは師匠さんにどうにかしてもらたかったな。……あ、師匠さんそういえばお説教
わがままな事についてお説教の流れを、先手謝罪でうやむやにする作戦に出たようだ。
結局上手いこと煙に巻かれてしまい、師匠がお説教する事はなかった模様。
次回、いよいよ遺跡攻略へと出発。
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