第2話

文字数 1,684文字

「男」の目線にたってこの話を見てみよう。
これから「男」のことを「俺」と呼ぶことにする。

俺はそのやめた看護士にやめたことも知らず、挨拶しにいった。
「何かあったんですか?」
そう俺は話しかけるとやめた看護士は冷たい目線で答えた。
「君が僕になにをしたか分かってる?」
その言葉に事情を知らない俺は「なにもしていない」としか答えられなかった。

俺がその事情をしったのは、悪事千里を走るという言葉もあるよう、一週間後、部外者からだった。その子は幼い中学生だ。

「その看護士はセクハラで首になったんだって、わたしがちくったのだ。」

部外者ではなく、その子も関係していた。その子に連絡先を聞いたらしい。その子の証言はこうだった。
証言その一、無理矢理キスされた疑惑。


その看護士はカルテから連絡先をメモし、美人にしか連絡しないのだ。
その噂を知らずにいても、その子は看護士のメールにキモがっていた。
「なにこいつ、感じ悪い。この看護士!」
その相部屋に看護士が好きな女性がその子の話をきいて、その子を罵倒する。女性には連絡がこなかったのだ。女性は連絡先を無理に聞き「奪い取ってキスしてやるわ!」と退院してそこをあとにした。
「きっとその人(女性)が無理矢理キスしてそうなったんだよ。」
その子はそう言って悪いうわさを流していた。疑惑がうわさを呼び、その真相に迫るものがあらわれ、教えてくれることになる。

証言その二。
連絡されなかった女性はけっこういたようだ。その中の別の一人の女性が、真相を明らかにしてくれた。
「私がきいたのは、連絡先に明らか好意のあるメールを不倫疑惑のあった人妻に送ったのがその看護士の墓穴を掘ったらしいのです。」
このわかりずらい文法の女性がいいたいのは人妻にあの看護士がラブコールしたということだ。
つまり「女」と表現していた「そりゃ、お前だろ!」と叫んだ女のことだった。
なにしろその女が、洗いざらい喋ったらしい。そしてもう一人の男性にも騙されたと悪口をネットで書き込んだらしい。
「その男性はあなたですよ!」
それは「男」である俺だったようだ。
覚えがなくその女性によれば俺は、女と口裏を合わせ、楽しそうに他の女性と話していたのをよく思わず。引っ掛けたらしい。
「俺なんかしたのかな?普通にしてただけで、そんな記憶はまったくない。」
ただすこし中学生によるうその疑惑もあったのでその看護士がかわいそうに思えってしまったからその女性に連絡先を聞かれなかったことに物申した。
「あなたは性格がいいんですから、絶対相手がいますよ。そんな人(看護士)のこと気にすることないですよ。すこし---あれですよ。あれ。」
「あれってなんですか?。」
俺は言葉に詰まった。
「みみ---みためは人の好みですから----」
女性は憤怒する。
「あいつはだれそれ構わず、女の連絡先にかけてんのに被害者ズラしてるんですよ。あなたその人をかばうんですか。」
それがことの顛末だった。
「-----------。」
証言その三。(気持ち)
俺は正直に自分の気持ちを言った。
「みんな僕のせいにされてもいい、その看護士の気持ちがおさまるなら、彼の自爆でこれ以上困ることはない、ここにはいないから。誰のせいにしてもその騒動の被害者が誰なのかは、きっとその彼なら、自分を被害者にし続ける。なら反省も十分すると思うんです、あなたのような本当の被害者がいるかぎり。だから僕がなにを思われようが別にいい。だって僕が騙してないのは紛れもなく事実、それは変わりません。だから気にすることないですよ。わけを知るあなたがいるんだから。」

その話を聞いた女性は「ありがとうございます」と言ってうわさをするのをやめたようだ。
俺はなにも知らない。俺はこの騒動を忘れ、ある言葉を思い出す。
「ひとのうわさも七十五日。」
俺の中では三日だったが---彼にとっては人生の一大事、それも七十五日で終わってしまうのか?そうだよなと当事者である俺が忘れてしまっていることに納得したのだから。
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