第28話 「ヴェーダナーを統制する」

文字数 1,296文字

 お寺での講座、再開。
 やっと、「感受」に入りました。
 再び、実践を始めたいと思います。
 今までの復習ですが、「身体」(カーヤ)で4つのステップを行ないました。長い呼吸、短い呼吸、身体全体を感じながらの呼吸、身体を落ち着かせる呼吸。この最後の「落ち着かせる呼吸」と、これから行なっていく「受随念・感受の洞察」と呼ばれるものは、そのままつながっていきます。

「身体を落ち着かせる呼吸」には、サマタ瞑想(禅定)の要素が多分に入っていました。これは、気持ちを落ち着かせ、集中する、ということですが、マインドフルネスでは、その「落ち着かせ、集中しているということを観じる」という「観じる」が入ってきます。

 この「身体を落ち着かせる」は、なかなかうまくいかないということで、ブッダダーサはトリックを提案しました。小さな「点」を思い浮かべ、そこに意識を集中し、そこからパワーを得るようにして、身体を落ち着かせましょう、と。

 これがうまくいくと、これからの段階である「感受」の「ピーティ」(piti:喜。満足)と「スカ」(sukha:楽)も、感度の高い人は体験するそうです。
 ですから、「身体を落ち着かせる呼吸」をしたら、その状態を維持したまま、
「喜(piti)を感じながら入息しようと訓練し、喜(piti)を感じながら出息しようと訓練します」
「安楽(sukha)を感じながら入息しようと訓練し、安楽(sukha)を感じながら出息しようと訓練します」(アーナパーナサティ・スッタ)
 をやっていきます。

 身体に関する呼吸で、ステップ4まで進みましたから、喜と安楽、このふたつが、ステップ5と6になります。
 イメージとして、「身体」が基礎にあって、その上に「感受」(vedana)、その上に「心(cittaチッタ)」、頂上のようなところ「法(damma:ダンマ」があるということになります。

 ブッダは論理的な人でしたから、身体があって感受が生じ→感受によって心が生じ→心は法(自然そのもの、自然の法則)を体験する、という段階を、明確に考察しながら、実践したように想像されます。

 しかし、すみません、実際やってみると、しんどいです。ステップ1と2は、「長い呼吸・短い呼吸をするよう意識する」でしたが、ステップ3から「身体全体を感じるよう訓練する」と、「訓練」という言葉が出てきました。
「忍耐は、すべての煩悩を焼き尽くす」とブッダは云います。頭では、分かったつもりになっても、辛抱、我慢…つらいところです。

 今日、お寺さんでステップ4までの10分ずつと、「感受」の「喜」と「楽」を7分ずつ、計1時間弱やってきました。ただ目を閉じて座っているだけなのに、最後のほうは本当につらかった…
 このマインドフルネスは、ぜんぶで16のステップがあります。1ステップ10分。×16。
 ぜんぶをやり切るなんて、ほんとにできるのかいなと、気が重くなりました。

 先のことは考えず、今できることを…。
 頑張ろう、とするのではなく、淡々と、何も思わず…とは、思っているのですが。

 この「感受」、ヴェーダナーについての詳細は、次回に書きます。
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