本編
文字数 2,000文字
前世の私は、それはしがない下っ端OL。上司の発言は絶対でした。
長い物には巻かれろ、秩序よフォーエバー。そう言い聞かされたものです。
そんな私が今世では……。
このかたはエリオットさん。
ちょっと変わっているけれど私を『お姫』と呼んでよくしてくださっているのです!
私は誠心誠意、真心を込めてハーブティーを淹れさせていただきました。
前世ではお茶くみのエキスパートとして給湯室とお友だちだった日々、これくらい朝ごはん前です!! それに今は、
エリオットさんが保護した男の子の前へ音を立てないよう気をつけながら置くと、男の子は恐る恐るではありましたが口をつけてくださいました。
刹那、私はズシャアア! とその場にくずおれます。
私は途端に、ぎゅむっと王子様を抱きしめました。
ここは森の中。
そして、私の『お庭』でもあります。
その中で、兵士三人が、リチャード王子を追いかけています。
正確には、
第二王子はこちらだ!
追えー!
木の上からことの成り行きを見守っているエリオットさんと私。
彼らを眺めながらエリオットさんが、いつものどこか楽しそうな調子でささやいてきます。
そう言って私はさっと指揮を執るように片手を上げます。
すると……。
ずももももっ!!
大きな大きな枯葉の怪物さんができあがりました。
さらに上げた手を前へ構えると、その子は最大限怪しげな動きで兵士たちへ歩みよります。
わっ、わあああ!
ののの、呪われる〜!!
【終】
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