反逆
文字数 968文字
ドアから、兵士達がなだれ込む。
「こいつらは、神官所属の隊だ。反逆者である第二王子を捕まえろ!」
兵士達がコペンを取り囲む。
「これまでか。」
コペンがつぶやくと、王子を取り囲んでいた兵士達が一斉に向きを変えた。
「何をしている。」
驚いたのは神官たちである。兵士たちは帽子を脱いだ。
「お前達は、だれだ!」
神官たちはうろたえた。
「第二王子コペン様所属の隊だ。」
「この城は各隊ごとに上がってくる通路が決まっている。かれらは、無意識に唯一知っているその通路を通ってしまう。反逆者がわかれば、所属隊の通路をふさげばあがってくることはできなくなる。」
王子の言葉に神官長は顔を真っ赤にして震えながら怒鳴った。
「ええい、どこの兵でもかまわぬ。やつは法を犯したのだ。」
「よく見ろ。神官ならわかる筈だ。」
神官長は手に持った植物の葉を開いて見た。
「これは、ケフナ・・・。」
周りの神官たちから声が漏れる。
「くそ!」
神官長はケフナの束を床に叩きつけた。
「なぜ、大麻だと?」
王子がゆっくりと尋ねる。
「に、似ているから。」
神官長は、青くなって脂汗を流しながら答える。
「違法な植物が持ち込まれたとの密告があったといって、入ってきたが、それはどなたですかな?カリオ殿。」
「それは・・・。」
神官長は口ごもった。
「何事です。」
王妃が隣の部屋から現れた。神官長は王妃をチラッと見ると、
「王妃様です。王妃様が第二王子に大麻を渡したのを見たものがおります。逆賊め。」
神官長カリオはいつも携えている儀式用の剣で王妃に切りかかった。
「キーン!」
鋭い音と共に剣がはじけ飛ぶ。
「こりゃまた物騒なものを。」
王妃の後ろからマイが現れた。老人とは思えぬすばやさで、その手に持った杖で剣を叩き落とした。それから、神官長カリオの足をつき、片足になったところに杖をねじ込む。バランスを失ったカリオはその場に倒れた。彼女はすかさず、その喉元に杖をつきたてた。
「貴様、ただのババアではないな。」
カリオは目を見開き、マイのしわだらけの顔を凝視した。
「叔母さんの顔も忘れたか。わが名は、マイ・ストロウ。かつて王の懐刀と言われた、お前の父、ジャック・ストロウの妹だ。思い出したか?カリオ・ストロウ。」
「こいつらは、神官所属の隊だ。反逆者である第二王子を捕まえろ!」
兵士達がコペンを取り囲む。
「これまでか。」
コペンがつぶやくと、王子を取り囲んでいた兵士達が一斉に向きを変えた。
「何をしている。」
驚いたのは神官たちである。兵士たちは帽子を脱いだ。
「お前達は、だれだ!」
神官たちはうろたえた。
「第二王子コペン様所属の隊だ。」
「この城は各隊ごとに上がってくる通路が決まっている。かれらは、無意識に唯一知っているその通路を通ってしまう。反逆者がわかれば、所属隊の通路をふさげばあがってくることはできなくなる。」
王子の言葉に神官長は顔を真っ赤にして震えながら怒鳴った。
「ええい、どこの兵でもかまわぬ。やつは法を犯したのだ。」
「よく見ろ。神官ならわかる筈だ。」
神官長は手に持った植物の葉を開いて見た。
「これは、ケフナ・・・。」
周りの神官たちから声が漏れる。
「くそ!」
神官長はケフナの束を床に叩きつけた。
「なぜ、大麻だと?」
王子がゆっくりと尋ねる。
「に、似ているから。」
神官長は、青くなって脂汗を流しながら答える。
「違法な植物が持ち込まれたとの密告があったといって、入ってきたが、それはどなたですかな?カリオ殿。」
「それは・・・。」
神官長は口ごもった。
「何事です。」
王妃が隣の部屋から現れた。神官長は王妃をチラッと見ると、
「王妃様です。王妃様が第二王子に大麻を渡したのを見たものがおります。逆賊め。」
神官長カリオはいつも携えている儀式用の剣で王妃に切りかかった。
「キーン!」
鋭い音と共に剣がはじけ飛ぶ。
「こりゃまた物騒なものを。」
王妃の後ろからマイが現れた。老人とは思えぬすばやさで、その手に持った杖で剣を叩き落とした。それから、神官長カリオの足をつき、片足になったところに杖をねじ込む。バランスを失ったカリオはその場に倒れた。彼女はすかさず、その喉元に杖をつきたてた。
「貴様、ただのババアではないな。」
カリオは目を見開き、マイのしわだらけの顔を凝視した。
「叔母さんの顔も忘れたか。わが名は、マイ・ストロウ。かつて王の懐刀と言われた、お前の父、ジャック・ストロウの妹だ。思い出したか?カリオ・ストロウ。」