1月16日 鮮百香QQ青茶と螞蟻上樹

文字数 1,218文字

 晴れのち曇り。
 昨日の「珍珠奶茶」がいまひとつおいしくなかったので、口直しというわけでもないが、「橘子(チィ・ズ・)工坊(コン・ファン)」という店の「(シィエン・)百香(パイ・シィアン・)QQ(キュー・キュー・)青茶(チン・チャー)」を買ってきた。下の写真がそれだ。




 この長い名前の飲み物は、「百香果(パイ・シィアン・グゥオ)」+「椰果(イェ・グゥオ)」+「粉圓(フェン・ユァン)」+「青茶(チン・チャー)」でできている。
 百香果はパッションフルーツ、椰果はナタ・デ・ココ、粉圓はちょっと小ぶりなタピオカ、青茶は発酵過程が緑茶と紅茶の中間に位置するお茶のことだ。青茶ではなく、緑茶を選ぶこともできる。ただ、いつも「無糖」を選択するわたしとしては、青茶の方が緑茶より苦みが少なくすっきりした感じなので、こちらを選ぶことが多い。
 「QQ」というのは、一種弾力のある食感を表す。日本語で言うと、「もちもち」に近い。

 今日、台湾作家臥斧(ウォ・フゥ)さんのミステリ『螞蟻上樹(マァ・イィ・シャン・シュウ)』を読み終わった。臥斧というペンネームは英語の“Wolf”をもじった洒落である。著者紹介の頁に著者の写真ではなく、狼のイラストが付いているのはそのためだ。本の表紙は以下の通り。



 探偵役を務める主人公の職業がユニーク。「替身廚師(ティ・シェン・チュウ・シィー)」(身代わりシェフ)。高級レストランで、何らかの事情でシェフが厨房に入れない時、代わりにシェフを務める。そのシェフの味を完璧に再現するだけでなく、海千山千の料理人たちを、包丁一本の技で心服させなければならない。本当にこんな職業があるのかどうかは知らないが、非常に面白い設定であることは事実。
 人知れぬ過去があり、一匹狼的な主人公がなかなかかっこいい。主人公の名前「(チュエ・)一刀(イー・タオ)」及びその言葉遣いが、現代の台湾人っぽくなく、武侠小説の人物みたいに描かれている点も、読んでいてにやにやさせられる。こんな話をしても、日本の人にはたぶんあまり理解してもらえないだろうが、金庸(チン・ヨン)の武侠小説ではなく、古龍(クゥ・ロン)の武侠小説の匂いがする。「江湖(チィアン・フゥ)」の雰囲気が非常に濃厚だ。

 実はタイトルの「螞蟻上樹」というのは、台湾料理の名前なのだ。直訳すれば、「蟻、樹に(のぼ)る」。
 
 なんとこの不思議な名前の料理が、殺人事件を解く鍵となるのだ。

 どうです? 皆さん。どんな料理か気になるでしょう?

 ただ、毎回このパターンで恐縮ですが、そろそろテスト採点に戻らなければならないので、今日はここまでということで……。谷崎潤一郎の『美食倶楽部』のラストみたいになってしまったが、料理名だけで料理の味を想像するのも、それはそれで一興かと^^;

 ああ、とにかく、はやくこの採点地獄から解放されたい。テストのことが頭にあるせいで、せっかく面白い本を読んでも、心から楽しむことができない。
 というわけで、今日のBGMは台湾の歌姫である張惠妹の「我要快樂」(心楽しくありたい)にしよう。中国語の「快樂」は「楽しい、ハッピー」の意味で、日本語の「快楽」とは違います。この曲は切ない失恋ソング。わたし、別に失恋してないけど(笑)! URL:https://youtu.be/NilgON1msY8

 

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