第14話  だんじり祭り 後半 8

エピソード文字数 2,840文字


 今度は将哉についても語り出した。

 するとやはり将哉は竜王さんの兄貴で間違いないという。


 だが、王二朗くん自身もその行動に疑問を持っているらしい。

本当にあいつは……お二人に対して何もしなかったのですか?
うん。今度また遊ぼうねって。フレンドリーでしたけど

 俺はありのままの感想を述べただけだが、その時龍子さんのブチ切れ顔を見て、あまり言わないようにしようと思った。


 何となく。将哉の話をすると龍子さんが即キレしちまうからな。


 俺の返答にも難色を示す王二朗くんに、龍子さんが「いいからさっさと答えろ」と催促する。

いあ。あいつがターゲットの目の前に来るっていうのは、間違いなく一発で攫おうとしてた。そう思ったのですが……
 さらっと怖いことを言う王二朗くんだったが、
もしかして、急な予定変更があったのかもしれない。あるいは……
 そこまで言っておいて、王二朗くんは龍子さんに対して「失礼ですが」と前置きしてから喋り出す。
お伺いします。あなたとこちらのお二方は、かの有名な山田一家で間違いありませんよね?
こいつまで……
ああ、そうだよ。俺は真ん中。虎は一番下だ
 山田一家とは何なのか。そんな疑問を虎ちゃんに言うと、すげー誇らしげに語ってくれた。

つまり俺達三姉妹は、全国のヤンキーを叩き潰した歴史があるんだよ。

幻のチーム「山田一家」つってな。知る人ぞ知る有名人なんだぞ

 だけど。ヴァルハラチームの人間達は誰も知らなかったらしい。

だけど、それが普通だぜ。そんじょそこらのヤンキーやチーマーは知らないだろうがな。

コアなヤツだけ知ってる都市伝説だ

 説明ありがとう虎ちゃん。


 それよりも……龍子さんがすげー落ち込んでるんだけど。

あの……楓蓮さん。隠しててすみません。これは俺的に黒歴史でして
あはっ。気にしないですよ。龍子さんは龍子さんですし。虎ちゃんもそうだし、ここにいる人達も……何とも思ってないですよ。私にとっては……仲の良いお友達だと思ってます
さすが楓蓮姫だ。聖女の如き優しさ……
おお、なんと美しい。自愛に満ちたお姿はまるでヴァルハラの女神そのもの。
龍子総長と虎総長も……裏業界の有名人だったとは……ぱねぇ!

 メンバーの人間にやたら羨望の眼差しで見られるんだが。

 ついでに一番キラキラしてたのは「鼻」だった。


 ていうか。こいつらに見られてても不思議と不快じゃないんだよな。

 何となく……わんちゃんみたいな瞳になっちまってるから。



やはり。それで将哉は……拉致を思い留まったのかも知れません。

あいつはわりと慎重ですからね。失敗する可能性があると踏んだのでしょう

つまり龍姉ぇがいたから。やらなかったのか
ですね。だから一発拉致を中止し、とりあえず友好的に接した。と、俺はそう読みます
ったく。一気に襲い掛かってくりゃ容赦なく叩き潰したのによぉ

 龍子さんの怒りが止まらないが、俺が心配そうに覗き込むとしゅんとなる彼女。


 分かってますよ龍子さん。

 それもこれも、全て俺の為にやってくれている事なんだ。


 でも、俺としてはあまり守られるというシチュエーションに慣れてないので、俺も何か協力をしたいのだが……



 ※



とりあえず楓蓮さん。あなたにはちゃんと説明しておかないといけない事があります
 どうやら将哉が来る前に話そうとしていたことらしい。
一応メンバーの奴らには伝えてありますが、この集団で何をしているかと言うと……

 そこから龍子さんはこのヴァルハラチームについて教えてくれる。

 要は……白竹さん家にバイトしに来ているメンバーの護衛という事だった。つまり、竜王さん対策である。


 具体的には動いていないが、まずは俺に許可を得てから。龍子さんはそう考えていたらしい。



 でもなぁ……竜王さん自体が俺を狙いに来るというのは……ありえるかもしれない。

 他のメンバーといえばミユマキだが、あの二人の場合は俺が傍にいるし、魔樹もいる。


 あとは紫苑さんくらいのものだ。

 これは俺が護衛すればいい事だし、俺が休みの日ならももまろの散歩がてら喫茶店まで迎えに行ってもいいだろう。

っていうことです。どうですか楓蓮さん

あ、はい。私は別に構いませんが……

みんなの迷惑にならないようにして欲しい。


特に紫苑さんには……こういったお話をしたくないから

分かってます。あいつの気持ちも分かりますし……上手くやりますんで

よしっ! それじゃぁOKって事だな? 

おっしゃぁ! やってやるぜ!

 すると何故かメンバー総立ちで喜んでいた。何が嬉しいのかさっぱり分からん。



 とりあえず、この集団は何をしたいのかと言うと。


 ・喫茶店の面子をメンバーが勝手に護衛してくれる。

 ・俺には護衛は付かないが、喫茶店が閉店してからの時間はその周辺を警備する。 

 ・紫苑さんも護衛するが、本人にバレないようにする。


 まぁ、こんな感じだな。

 そして……龍子さんはこんな事を言う。

あと、お前らにも言っておくが、俺に連絡が付かない場合は龍一に連絡しろ

その場合、龍一の指示は……俺の指示だと思え。分かったか!

 え? 染谷くんに?

 などと疑問顔をぶつけてみたが、メンバー奴らは元気良く「はいっ!」と言い出す始末。

龍子さん……

大丈夫です。龍一はああ見えても頼れる奴です。

楓蓮さんも、好きに使ってやってください。

 いあ。そんな事急に言われても……

 何でこの騒動に染谷くんが……

王二朗。お前は俺が直に命令を下す。

あと不用意に楓蓮さんに近づくことを禁止する

了解です
龍子さん……
当然の処置です。
 さっきまでの龍子さんとは違う決断に戸惑う俺であったが、逆に王二朗くんが擁護する。
分かってます。姉さんの真意は俺にも理解できますから
でも……

俺が姉さんの立場なら、同じこと言ってますよ

信頼度ゼロですからね

 すると龍子さんは王二朗に対しニヤっと笑顔を見せていた。

お前は虎じゃ扱いきれねー。

王二朗。お前は俺と行動を共にしろ

了解です。何でもやらせていただきます

 勝手に話が進んでいくのに、やや悶々としてくる。


 しかもここにいる全員は「俺を守る」ことにやたらテンションが上がってるし。

 何で俺が……ここまで祭りたてられなくちゃならないんだよ。


 あと、さっきから小声で聞こえてくるんだよ! 「楓蓮姫」って!

とりあえずはこんな所でしょ楓蓮さん。

後は白竹さん達にはそれとなくお伝えしておいてください。


ヴァルハラメンバーは喫茶店の連中を護衛する事になったと。

 龍子さんが話を締めようとする時、ふとミユマユの名前が出たので、みんなに言わなければならない事を思い出した。


 GW前にミキマユと話し合っている最中に現れた集団のことだ。

 あいつらも、もしかして関係があるかもしれないし。

そういえば、GW前に私と美優ちゃんと魔樹くんがいるときに、得体の知れない集団に襲われましてね

 俺は普通に……こういう出来事があったと。普通に話したつもりだった。



 これが……いけなかった。

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登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

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