地球外敵性侵略者
文字数 1,313文字
……ってことで山田宗介。
あなたに任務を与えます。
地球、守れ。
唐突にも程がある。
何か疑問でも？
徹頭徹尾疑問しかないんだけど。
仕方ありませんね……。
それでは、事情から話すことにする。
普通はそっちが先だよね、普通は。
とりあえず山田宗介。
今日はわざわざここまで来てくれてありがと。
ここがどこだか知らないうえに来たんじゃなくて拉致されてて、おまけに今まさにロープで椅子に縛り付けられてるんだけど？
細かいことを気にしていては地球なんて救えない。
まずは僕を救ってくれたら助かるよ。
さすがにロープは解いてもらった。
まずは、今の地球を取り巻く状況について説明する。
端的に言えば、地球は今、地球外敵性侵略者に狙われている。
へぇ、それは大変だね。
まさか……今の説明を聞いても信じていない、と？
今の説明だけで信じてたら現代社会なんて生きていけないから。
閑話休題――。
端緒は、１９４７年に起きたロズウェル事件。
そこで人類は、地球外敵性侵略者の存在を初めて認知した。
……あー確か、ＵＦＯが墜落して宇宙人が捕縛されたとかいう、あの事件？
でもあれって、こう言っちゃなんだけど、かなり眉唾な話だよね？
色んな説が浮かんでは消えてってるような状態だったはずだし。
確かに当時から今にかけて、あの事件は世界中で取り沙汰されている。
宇宙人の存在を確信する者、懐疑的にあの事件を見ている者、様々だ。
だが、それらは全て、ブラフでしかない。
ブラフ？ 嘘だったってこと？
嘘とは少し違う。
いわゆるＵＦＯが墜落したのは事実であり、でなければ、地球側が侵略者の存在を知ることなどできなかっただろう。
あの事件の本筋は、別にある。
そのカモフラージュとして、当時の責任者は、敢えてＵＦＯと宇宙人の存在を世間に晒した。
カモフラージュって……。
あの事件で実際に回収されたもの……。
それは宇宙船でも宇宙人でもない。
それは、一つの装置だった。
その装置は、人智を超えるものだった。
いかなるスキャンも通じず、操作方法も不明。
起動するだけでおそよ１０年の歳月がかかったことが、その証拠だろう。
そして装置を起動した時、人類は知ることとなった。
地球が、狙われていることに。
そ、その……装置ってのは……？
観測装置だ。
その装置は、地球のあらゆる情報を収集し、地球外へと送信していることがわかった。
そしてとりわけ多く含まれたものは、軍事関係、各国の主要都市の情報……。
即ち、侵略のための情報収集だと判明した。
し、侵略って……そんな……。
ことの重大性が理解できたか？
だからこそ、敢えて言おう。
地球は今、いつ地球外敵性侵略者が襲来してもおかしくはない状況だ。
…………。
……と、ぐだぐだと説明したが、口で言っただけでは信じきれないところがあるだろう。
というわけで、来てもらった。
皆様、どうぞ。
冴橋響の声を皮切りに、ぞろぞろとその部屋に人々が流れ込んできた。
あーーーー！！
なんかめちゃくちゃテレビで見たことある人達だ！
某国大統領に、某国主席、総理、国王と、とりあえず世界的有名人を片っ端から集めてみた。
うん！ 僕でも知ってる人達ばっかり！
誰とは言わないけど知ってる人達ばっかりだ！
宗介はコンプライアンスに配慮した。
