第25話  美神家のパーティ 1

文字数 3,142文字

 

 ※


 さて、今日は日曜日の夕方。

 この日は聖奈が前もって告知していたパーティの日である。


 俺達はすでに女になっており、平八さんのお迎えが来るのを待っていた。

 

ねぇ。どんな服着ていけばいいのかな?
向こうで着替えるって言ってたからな。普段着でいい。

 あいつの家のパーティなんだから、恐らく俺達が想像するよりも遥かに凄いと思った方がいい。

 

 パーティだぞ。パーティ。

 この国でそんな行事など、普通の家庭には存在しないだろう。

 

 暫くして家のインターホンが鳴る。

 告知どおりの時間に来た平八さんは早速ももまろ達の手厚い歓迎を受けていた。

さて、準備は出来ておられますでしょうか?

少しばかり急ぎますのでよろしくお願いしますぞ。

 事前に聞いてたからな。出れる準備はしていたんだ。

 

 ももまろもトイレを済ませ、リードにつなげてある。

 華凛が先に家を出ると、俺や平八さんもすぐに出発するのであった。

やっぱり聖奈の実家でやるんですか?

今回は繁華街にある美神グループの自社ビルですな。

ここから約二十分ほどで到着します。

 助手席に座ったのはいいのだが……


 あの、平八さん? 前を向いて運転してくれませんかね。

 さっきからずっと俺の胸見てるでしょ?

どうやらしっかりと平八スペシャルを装着しておられますな。

これで楓蓮お嬢様のおっぱいも安泰ですぞ。

付けてみると結構楽なんですよ。


……あの。前見て運転した方が……

そうでしょう? 平八めがおっぱいと女性のことを考えた傑作。

それが平八スペシャルでございますゆえ。

 何処に目がついてるのか分からないが、前方の信号が赤になると止まる平八さん。

 だけど助手席に座ってる人間からすると、非常に危なっかしいし、怖すぎるぞ。

 まずは白竹さん家に寄る。ミユマユも今回のパーティに呼ばれてるからな。

 ついでに、ももまろはじいじが見てくれる予定となっている。


 車で五分ほど。喫茶店に到着するとミユマユにラインで連絡。

 事前に準備していたのか、連絡してからすぐにじいじやミユマユが出てきた。

ももまろは任せなさい。ワシがちゃ~んと面倒見るからの。

じゃあ平八くん。娘達を頼んだぞい

かしこまりました。叔父様

 ももまろをじいじに預けると、車はすぐに出発した。

 ルームミラーから見えるももまろ達が、じいじに抱かれ暴れまわっているのが気になったが、ミユマユ達が大丈夫だと言ってくれる。

みゆ~まゆ~お姉ちゃん。こんばわっ!

こばわ。華凛ちゃん。

あの、みなさん。今日はよろしくです~!

私達。パーティとか初めてだから

大丈夫。俺も初めてだし、ここは聖奈や平八さんに任せよう。

 ミユマユは後部座席に座ると、華凛は魔優と寄り添ってスマホを見ていた。

まゆ~お姉ちゃん。クエストやろっ!

新イベントクリアした?

お前な……こんな時にまで……

ううん。まだだけど、一緒にやろっか。

私もやりまする。華凛ちゃんとだと強いもんねっ

 じとっとした目になってるのは俺だけで、ミユマユ達が華凛の相手をしてくれる。

 魔優に「すまん」とアイコンタクトすると、ウィンクで返してきた。


 やたら華凛に懐かれてるんだよな魔優は。

 本人もゲームが好きとは言ってるけど、それ以上に面倒をよく見てくれるんだ。


 ※


 俺達を乗せた黒塗り高級車は高速道路へと上がると、ここから一気にスピードが上がる。

 

 それなのに平八さんは俺の胸をガン見するのは変わらない。

 何でずっと見つめられているのかも意味不明だし、それよりも運転手が前を向いていないのがこれほど怖いとは思わなかったぜ。 


時に楓蓮お嬢様。ご就寝の時も平八スペシャルは装備しておられますか?
してる時もありますけど……

そうでしたか。ふむぅ……このままでは現状維持ですな。



元々着けて寝る習慣がなかったもので。

どうしても気になっちゃって……

了解しました。では就寝用の平八スペシャルもすぐに開発いたしましょう。

あ、でもサイズとか計った方がいいんですよね?

いえ。今のおっぱいアナライズで楓蓮お嬢様のスリーサイズを計る事が出来ましたゆえ。

後は、就寝時にもおっぱいをリラックスさせるようなブラジャーを平八めが作ればいいだけのこと。

 おっぱいアナライズ? 何だか西部達が言ってた気がするが……


平八さんは見ただけでスリーサイズとか全部分かるんですか?

いかにも。おっぱいの大きさなどは0.1ミリ刻みで判別可能ですな。

 マジかよ。


 そんなこと言われると、マジマジと胸を見られてると全て見られるような錯覚に陥ってしまう。

平八おじさま。本当に分かっちゃうのです? 

じゃー一番大きいのは誰なのですか?

一番大きいのは美優お嬢様ですな。

0、7ミリ差で楓蓮お嬢様。そこから更に0,2ミリという僅差で魔優お嬢様でございますれば。


もちろん三人とも超爆乳クラスであり、神乳。魔乳を受け継ぎし後継者でございます。


一番大きいのは楓蓮さんだと思ってた。

楓蓮お嬢様が大きく見えるのは恐らく身長差ですな。

しかし。三人の違いなどたった一ミリの世界ですから、普通のピーポーには判別出来ないでしょう。

 おっぱい職人ならその違いも分かるってか。


 いや~しかし。おっぱいの話になると平八さんはようやく前を向いてくれた。

 

 さぁ到着しますぞ。ちなみにあのビルが美神グループの自社ビルですな。

え? あの大きいビル?

おいおい。でかすぎだろ? 何階建て? 上がみえねーぞ


凄い大きいし、こんな場所でパーティって……

ちなみに本社の方がこのビルより三倍は大きいですな。

 一般市民である黒澤家と白竹家はみな顔を引きつらせていた。

 

 この前の旅館といい、今回のビルといい、美神グループというのは如何に巨大組織なのかよ~く理解出来た気がするぜ。



 ※


 俺らの乗せた車は地下の駐車場で停車すると、こちらも巨大駐車場であった。

 エレベーターまで行くのに五分ほどかかり、ようやく到着すると今度はその階層に驚いた。


六十階? すごいっ……
華凛お嬢様。十階を押していただけますか?
うんっ!

 平八さんの言われたとおり十階で降りると、そこはまるで高級ホテルのロビーを思わせるような空間が広がっていた。まるで洋画にありそうな風景に、心の中ですげーと思ってしまう。


 そこからも平八さんに連れられて、ある場所までくるとこちらに振り返る。

 ではここでお着替えになってください。

 中にはスタイリストも多数いらっしゃるので、自分の思うがままの衣装を纏いパーティにご出席くださいませ。

へ?

 いまいち状況が掴めないでいると、先に部屋を開けた華凛。


 そこにはくっそでかい部屋に多数の衣装が見えると、中にはスタイリストさんらしき女性が何人も見える。そして俺達を見るなり深くお辞儀をするのだった。

ちょっと……着替えるって言っても……
凄いです。まるでお姫様でし
 俺らが驚きまくってる間にスタイリストさんが駆け寄ってくると、あっという間に奥に連れて行かれてしまう。そして勝手に椅子に座らされると、どんな髪型がいいのか尋ねられるのだ。
あ、いえ。お、お任せで

 俺だけではなくミユマユや華凛も同じような目に遭っていたが、他の連中はどちらかと言うと楽しそうに笑顔を見せながら、ヘアスタイルの雑誌を見たりしてた。


 華凛に至っては先に「あの服がいい」とか言い出す始末。



 俺だけはこの空気に慣れることが出来ず、ただただ恥ずかしいという気持ちで支配されていた。

 

 

うそだろ。ここにある衣装が全部ドレスっぽいんだが……

 俺にはここにあるドレスが全部結婚式の花嫁衣裳に見えるんだけど。

 

 ……あんなのを俺が着るのかよ!

 ちょっと待て。そんなこと何も考えて無かったし、心の準備ができてないから!



――――――――――――――――


 次回 美神家のパーティ 2



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色