第7話
文字数 669文字
次に向かったのはバイト先であるカフェだ。
といっても、ここで働いていたのはここの世界の紗奈だけで、
私はここでは働いておらず、店の人は皆初対面だった。
カフェは個人経営のお店らしく、
おしゃれだが、店内はそこまで広くない。
テーブルとテーブルの間隔も、
2人で横に並んで歩くのはためらわれる狭さだ。
とりあえず中に入り、話を聞くことに。
奥の方へと案内されたその時、中から出てきたお客の一人と
どんっとぶつかってしまった。
男性の声。
と、同時に、
ぶつかった衝撃でサングラスが外れる。
とりあえず声をかけてみる。
ぶつかった人……”男性”は……
私の方をみて、驚いている……ようにみえた。
そういうと男性はそそくさと出口に向かい、扉を開けると、
外に出ていった。
……結局2人で追いかけてみたものの、
ぶつかった男性の姿は、既にどこかに消えてしまっていた。
その後、予定通りカフェで聞き込みをしてみたのだが、
大した手掛かりを得ることはなかった。