国道4号線のダンブルウィード

文字数 438文字

朝焼けで燃える国道4号線の路側帯で眠る焦燥は
すっかり焦げ付いてカサカサの表皮を風に撫でられている
難しいことを難しくしていることに気づけないまま
ダンブルウィードのように南に転がっていく
その跡には後悔の色が滲み出ていて
まだ1日が始まったばかりだというのに
もう布団を用意しなくてはいけなくなっている
なあ、もういい加減歩道に上がったらどうだ?
ああ、もう泣きそうになっている
ダンブルウィードは転がる
カサカサと音を立てながら
そこは荒野ではなくアスファルトの上だけど
ダンブルウィードは転がる
転がることしか出来ないんだそうだ
朝焼けで燃える国道4号線に転がる焦燥は
すっかりくすぶってカサカサの表皮を風に撫でられている
難しいことを難しくしていることに気づかないまま
ダンブルウィードは南に転がっていく
その跡には恥辱の色が滲み出ていて
会社や学校へ向かう人たちの靴にかき消されていく
なあ、もういい加減歩道に上がったらどうだ?
ああ、もう泣きそうになっている
ダンブルウィードは転がる
カサカサと音を立てながら
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