7 年の差なんて……気にするでしょ!
文字数 1,224文字
しばらくマスターと三人でのおしゃべりを楽しんだ後、多島くんと由希乃は喫茶店を後にした。店を出た由希乃はすっかりご満悦で、多島くんは彼女を連れてきて良かったと思った。
数駅分、と家からずいぶん遠くまで来てしまったが、二人きりの時間を惜しんでか、由希乃は歩いて帰ることを選んだ。
人気のない線路際の道を歩いているとき、どちらともなく手をつないでいた。
数駅分、と家からずいぶん遠くまで来てしまったが、二人きりの時間を惜しんでか、由希乃は歩いて帰ることを選んだ。
人気のない線路際の道を歩いているとき、どちらともなく手をつないでいた。
多島くんが青くなった。
多島くんは立ち止まった。
何かを言いよどんでいる。
由希乃が振り返った。
何かを言いよどんでいる。
由希乃が振り返った。
多島くんは、額を手で押さえると、くっくっく……と笑いだした。
由希乃はその場でちいさく跳ねると、顔を真っ赤にした。
多島くんは腕組みをして、うんうん、とうなづいた。
由希乃はブンブンと全力でうなづいた。
二人は、つないだ手をぶんぶんと元気よく振りながら、日の傾きかけた歩道を歩いていった。
(了)