別に読まなくてもいい前日談 その2

文字数 4,291文字

   前回のおさらい

   部下の勤務に不審を抱いたコンビニ店長が問いただすと、部下は己の持ち場を離れ駐車場に停まった車に乗り込んでいった。

   揺れる車内で何が起こっているのか気になる店長。

   そしてそこへ新たに表れた西洋風の少女、どうやら父を捜しているらしく、揺れる車の方へ……。

  どうする店長!?




「とあるコンビニでの出来事〜その2」




gojidatuji

   店長に引き止められた少女は、キョトンとした顔をしている。

gojidatuji

ナンデスカー?

アナタ

アナタナンデスカー?

いえ・・・その…えと……


(まずい!

このまま車の中を覗かれるのは非常にまずい!

この娘は未成年だし車の中には部下もいるだろうし

ああああどうしようどうしよううううう!

・・・


少女の背後から、明かりが近づいてくるのが見えた。

gojidatuji

!!!
   店内に突っ込んで来る。そう恐怖を感じた時には叫ぶ間もなかった。

gojidatuji

(コンビニ店内)

ドシャーン!ガシャーン!バリバリヅスコゴーン!!

(ナイスな描写募集中…!   採用の際は描写文に作者さんのページや作品にハイパーリンク等致します。ご意見板にてお待ちしております)

gojidatuji

   窓ガラスを突き破り、大半の陳列棚をなぎ倒すように店内を(えぐ)ったのは、光を放つ物体(なにか)ではなく、駐車場に停車してあった軽のワンボックスカーであった。


   この惨状でも運良く無傷な店長は己が見た光景に唖然と突っ立っていた。

gojidatuji

テレビやネットではよく見てたけど

まさかウチにくるとはねーはははーあー終わった〜完全に終わった〜…ってか車ってあんな古いレースゲームみたいに跳ねるんだな〜?   ゴムボールかよー__

   そこまで一人言が溢れたところで、店長は世間で騒がれている事故と、目の前の惨事がまるで別物であることに気がついた。

gojidatuji

アクセルとブレーキ…

どーじにふみ違えただけでは

コーワなりまセーン!

そうだな

レーシングカー顔負けの加速に…スピンを加えたダイナミック入店…車体が横転しているのがその証__


って!

生きてたんか?!

そういえば居たよな!

   錯乱する店長。

gojidatuji

良かった…生きてるならよかった…

あ……そうだ


そうだよ居たよ居たんだっけ車の中に!

おおおい!

まだ生きてるか?!

…おーう…テンツォ〜

いきててイノカー?

gojidatuji

いきてる!

良かった…

あぁ生きてるぞ!

デモてんつぉー

ジジさんジャーマン

つっかえ棒ハマってウゴけねーヲー


……え?

なんで静かしろでなきゃいけねえか?

gojidatuji

   どうやら車内のもう一人も会話できるようだが、店長にはそんなことよりもつっかえ棒とはナニか…ハマった場所とはドコなのかが気になって……コレまでのやりとりを脳内で巡らせ推測を立てていた。

gojidatuji

(少なくとも…口じゃねえなッ‼︎)

待ってろ!

今行く!!

   生存は確認できたものの、事故車両が二次火災を起こす可能性もある。密かに部下に想いを寄せる店長といえど、車内の様子を気にしている場合ではなかった。

gojidatuji

いま・・・じじさーんって

言テマエデシタア?

・・・
   少し……ほんの少しだけ気にはなったが、店長の行動に変わりない。


   横転した車両の後部座席に居るであろう二人の様子は、天板に隠れてレジからでは確認できない。


   少女に避難指示を出す配慮もままならないまま、倒れた陳列棚と散乱した商品を跨いで正面へ回る。

gojidatuji

おいおい・・・

マヂかよ?!

  車内に居る人影はまだ見える角度ではないが、車両の死角になっていたものが店長の目にとまる……。

gojidatuji

なんで…

こんなところに…


ジェットコースター?!

   店長が言う通り、そこには遊園地にありそうな無傷でカラフルな車両があった。


   更に首を伸ばして覗き見ると、遊園地のソレとは違うものゴム製の車輪……車列を(つら)ねない単車であること……そして、先頭座席には白髪の女性が座っている。

gojidatuji

・・・
   絶叫系では安全上の理由から乗車拒否されるような紅白最終決戦的な服装であった。

gojidatuji

アンビリーバボー♪
   熟女もイケるクチであった。

gojidatuji

ダーいジョーブでーすかー?
その声は…あなたなの?

名前忘れたけどあなたなの?!

オォ!

マミー?

名前わすれたけーどオォ!   マミー!!

むーすーめー!
(親子だ…なんだか知らんが親子だ!)
どうていマミーがここに?
・・・そうだ

そうだったわ

いけないいけない!

おいクソじじい

そこに居るのはわかってる

とっとと出てきな

   声は笑っていない。

gojidatuji

パピー?

やぱりパピぱりここにいた?!

(爺さんも名前忘れてられてるクチだろうか…)
   そんな事を店長が考えていると、天井を向いたフレームの歪んだスライドドアが力任せにこじ開けられていく。

   金属の擦れる音が店に残った窓ガラスを震わせ、帽子を被った白髪の老人が顔を出す。

gojidatuji

っはぁ……
どのヅラ上げて出てきやがった!

この浮き輪もの!!

(発音は完璧なのに……どうしたらそんな日本語になっちゃうワケ?)
   かたや車を吹っ飛ばす勢いでぶつかっても無傷なマダム。

   かたや金属製のドアを粘土のようにひしゃげさせる握力のジェントルメン。

   そしてその娘という少女……。


   店長の心配事は事故車両の二次火災から、この破天荒な一家の炎上事情に移っていた。

gojidatuji

わたーしにも

イーブン聞いてダサ〜い

黙れ下郎!
   マダムが立ち上がる拍子に、ギガャアアア“っと、金属が裂ける音がする。(ここの描写もご意見板にて募集しています)

gojidatuji

おマミィ!

お肩のソレすごーくクールよー!

もうなんてコト?!

ジェットコースターのアレが肩パットになってしまったわ!

なーんてひどい事スルメイカー

わターシが開発したジェトコスターの安全装置のアレぶちこわすなんてー

(開発者なのにアレが言えてねぇ…オレも知らねえけどな!
当然の報いだ浮き輪もの!

見せしめとして

キサマの愛車から引き千切ったコレ

肩に巻きつけて一生涯おさらいしてやる!

な……なんとムゴイ
ダマって聞いてりゃグニャグニャだこと!

おかげですっかりフニャけてしまっただよ!

gojidatuji

?!
やはりそこにいたか

浮き輪もの相手!

うき……

うわっき?!

(すっかり忘れてた…つっかえ棒はもう取れたってことなのか?)
お!おやめなさーい!

今出てきては__

呼ばれて飛び出てミニスカトロ!
   こじ開けられたドアとジェントルマンの合間からヒョッコリと飛び出す顔、軽自動車の車幅制限から最高でも148cmのラインから顔一つ分も出しきれない低身長、そして意味不明な言動は店長がよく知る部下だった。

gojidatuji

無事か?!

驚かせやがって!!

よぉテンツォ

ここであったが百円ショップね

いいからそっから出るんだ!

ヤバイんだって色々と!!

そいつが…浮き輪もの!

見るからに百均ルーキー!!


そんなどこの豚骨とも知らない奴にこの私があああ!!キィイイイイイ!

とーと一見(いっけん)なされましたかー

これにはイーブンあるでーす

私の話しをキーキーしてくださーい

問答無用!

私というものがありながら

こんな事しでかしたらタダじゃおかせねえ!

ひどいでーすパピー

わたーしというのもナイアガラ

こーんなアパートスレに流されるなんて

わたーしとの遊びは遊びだったのですかー?!

・・・
ちょっとムスーメー……それどういうこと?
   マダムはジェットコースターの上で仁王立ちをし、腕を組む。

gojidatuji

(肩のアレ


ロボットアニメのソレっぽい…)

どういう事かと聞いているコレラクソジジイ!

ムスメといいことしてたか?!

っはん

よく聞くマミー

パピー言ってたよマミーには新鮮味なプレイはもう望みうっすいって

アタツィもそれ聞タヨーー

「この帽子の下より望みウッスーデース」って

・・・
それはそれは…

最上級の侮辱(ぶじょく)ですこと

おマミー

おマンネリ〜

おい小娘

オメエも受け身のクセにワガママなプレイばっかで乗ったら最後疲路線(つかレール)言われテンゾウ!

ッファ!?
ッハン!♪
ふっふーん

燃えろ燃えロォ

もっと燃アガレよ

(ああもういい!もういいからお前はもう黙ってろ!   ダイナマイトの周りにガソリン()いて気化させるような真似するんじゃねえよオレの店で!!
お調子者にお乗り

このバイトが

マミーのいう鳥でーす

売徒だから遊ばれただけの文才がいー気味なるねーッ!

んだとこのアマ()
(あれ…?    なんとなーく勢力図出来上がってきてる?

オレはどっちにつくべきなんだ…)

アターツィとジーッサーン

本気の本気デュエルしてたね!

それのドコに遊び行くか!

ふん

知らぬが生き仏とはこの世のこーとデース

どうせコンビニのコスプレイしたかっただけでしょう?

とうとう衣装だけじゃ慢心できずにモノ本コンビニに手を出しやがるなんて…

それじゃ…

アタツィは…

ジィさーんとの遊びはアタツィとの遊びだっていうか?

どいうこったいじーさん!

ナマぬかせこの甘えんボウヤが!

コスプレの限界突破するコソはー

職務放棄による限定的かつ先生ションなるシチュエーション!!

職務放棄中であるからしてコスプレいに違いなーい

ほんもーののコンビニ店員とのプレイでは決してねーい

オスプレイは遊びじゃねえでーす

そこんとこ勘違いするよくないよー!

Gッツァん……
(ねぇねぇあんたらどうしてそんなんで会話成立しているの?

ってかどうしてオレもなんかわかったような感じになっちゃってんの?)

……限定的なコスプレ

先生ションなるコスプレイ

そんなものが……

マンマミーヤも?

ムスメも気になるデース

そうなったらみんなで一緒にやるか?

TRPG

(TRPG・・・

テレフォンセッ●ス・ロール・プレイング・ゲームのことか?


なんだそれ)

むちゃ言うなデース!

盤上の上でだけ平和主義者になるクソババア

世界観ぶっ壊すセリフばかり吐き出すクソガキ!

シナリオ組む身にもなれってんだ!

ゲームマスター老衰させて何がTRPGでしょーか!

コスプレTRPGするにもあのちっちぇー車にちゃぶ台置いたら定員オーバーでキルDeath!!

(もう意味わからん!

てめえらオレ抜きで勝手にやっててくれ!)

   店長がコンビニの外へ出ようとヒソヒソ歩きした瞬間、壊れた自動ドアから閃光が放たれる。

gojidatuji

(なんだこの光は?!)
まぶ
きゃあー
ッウ…
眩しくてなんもみえねぞー

おテンツォーどこ行く気だー

(声かけるなって!今突っ込める状況じゃ……)


グアアあああ!

   光の方から吹く突風に店長は尻餅をついた。


   ほどなくして光も風も収まり、各々が目を開けると創作物でしか見たことのない異形の者達が__

gojidatuji

・・・
・・・
うさぎおいしそ
・・・
帽子の相手は私がするデース
・・・
闇っぽいカラスは光属性のワターシにおまかせなさーい
・・・
若イケメン・・・

誰にも渡させない!

・・・
アタイ…

余っちゃったッポいポい?

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登場人物紹介

コンビニ店長

コンビニスタッフ

ファミキチ少女

コスプレオーバーローダー

ジェットコースターと肩を固定する安全装置のアレと融合召喚されたマダム

友人帳にありそうな妖怪

チンゲンサイのイイトコうさ耳娘

闇に生きる唐揚げクン

滑らかなフォルムと使い込まれた帽子の色合いのせいでコンビニスタッフからセクシャルな視線を向けられて困っている

ヒューマノイドタイフーンとか賞金100億$$とか言われると本気で嫌がるナイスガイ

美味しいもの大好き

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