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文字数 982文字

「誕生日に読む本」プロット
起)十歳の誕生日の朝五時、主人公のじゅんは、家族が自分のサプライズ誕生日パーティを用意していることに気がついてしまう。両親や弟、妹たち、友人たちが集まり、自分を盛大に祝って驚かそうとして、楽しそうに準備しているのを見たじゅんは、気づかないふりをしようと決める。驚いたリアクションで皆を楽しませようと、プレゼントの山をさりげなく隠したり、じゅんはそそっかしい家族を密かにサポートしながら、冷静に振舞う。

承)しかしサプライズ誕生日パーティを中止にしかねないトラブルが、早朝からじゅんの家にふりかかる。アポなしの学校の先生の訪問や、近所の駐在さんが誕生日と知らず草むしりを頼みにきたり、その日でなくともよいが、心優しい家族はサプライズ誕生日パーティよりも優先してしまうであろう用事も多く舞い込む。じゅんとしては用事を優先しても良い。けれど、きっと家族たちは後からじゅんに罪悪感を感じてしまうだろう。そう考えたじゅんは、自分の誕生日パーティを守り、家族たちの気持ちのために、彼らに気がつかないうちにトラブルを解決しようと決める。

転)何とかサプライズ誕生日パーティの準備の邪魔をせず、トラブルを秘密裏に解決していたじゅんだったが、パーティの準備や品々を見た泥棒に目をつけられ、誘拐されてしまう。誘拐されたことも誰にもバレないうちに解決しようとするじゅん。「身代金の連絡?とんでもない!やめろ!」「お前身代金を、愛されていないから準備できないとでも言うつもりか?」「愛されていて準備できないからだめなんだよ、パーティを!」噛み合わない会話をしながら、誘拐された先の泥棒のアジトで暴れるじゅん。

結)じゅんは泥棒も誕生日であることを知る。祝ってくれる人がいることは幸運なことなのだと理解しながら、じゅんは彼がもう泥棒ができないほどにアジトを壊滅させる。自分の誕生日プレゼントとして用意していた大好物のオリーブオイルの小瓶を泥棒に贈る。「小学生にしては渋い趣味だな」「そうだね、誰もくれないからお小遣いで買ったんだ」観念した泥棒はじゅんを家まで送って、小瓶の中身を飲み干してから警察に自首した。何食わぬ顔で家に戻ったじゅんに、皆は隠していたクラッカーを向けた。「サプライズ大成功!パーティを始めよう!」じゅんは驚いたふりをするのも忘れて、嬉しそうに笑った。
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