ぼっち姫、VSトウネリバー。
文字数 2,315文字
「くくくっ。 貴女が、地獄から来たと? これは面白い事を言う女性だ。貴女のような人が泣いて許しを請う姿を想像するだけで胸が高鳴りますね」
「それは少し分かる」
デュクシィィィィィィィ!!
こいつほんとにここ出たらぶん殴ってやるんだからね!?
トウネリバーが気持ち悪い事を言ってきたかと思ったらデュクシまで同意してくれちゃって私の周りには変態しかよってこないのかしら……。
ナーリアとかさ。
ライゴスだって変だし。
めりにゃんだけだよ私の癒しは……。
なんだかちょっと泣けてきた。
でも、変態でもいいからナーリアがいないと困る。
調子が狂うのよ。
いつも騒がしく私とかめりにゃんに絡んでくるけど、だからこそ一番のムードメーカーになってたんだもん。
万が一ナーリアが戻って来なかったら……。
寂しいじゃんか。
「さて、今回は私が直接相手になりましょう。ちなみにゲームはこれでどうです?」
トウネリバーが私に見せたのは沢山のカード。
昔からある遊びで、大抵の人は子供の頃から馴染みがあるはず。
確か王都の初代ディレクシア王がどこかの国から持ち込んだのを切っ掛けに広まったって聞いたけど、昔の事だから本当かは分かんない。
そのカードはトランピアと言って、数字と絵柄が書いてある。
それぞれを組み合わせる事でいろんな種類のゲームを遊べるようになるってやつ。
小さい頃は家族とトランピアで遊んだけど……。
私は十二歳の時に家を飛び出してそれっきりだからとっくに家族とは縁が切れてる。
もしかしたら有名になった私の名前をどこかで聞いているかもしれないけどね。
「で? トランピアでなにやるの? まぁ何やるとしてもこのデュクシが勝つけどね♪」
デュクシが居ればこちらの勝ちは決まったようなもんだわ♪
偉そうにしたり私達を脅してるつもりなのか怖い顔したりしてるトウネリバーがちょっと面白い。
負けちゃうのにね。
「ゲームはポルカにしましょう。ルールはご存知ですか?」
それなら知ってる。
同じ数字を集めたり、順番に並べたりする事で自分の手札の点数が決まる遊びだったよね。
「デュクシは分かる?」
「なんとなくだったらルールは知ってるよ。ルールっていうのは、破る為にあるのかもしれない。姫と従者なんてルールも、君の全ても、今夜破ってしまいたい」
……何言ってんのこいつ……。
イラつき通りこして少し面白くなってきた。
「今回はスタンダードなルールで行きましょう。カード交換は二回までOKとしますが、一度目の交換でどちらかが終了した場合、もう一人も二回めの交換はできないものとします」
「うんうん。分かったからとにかく始めようよ。あとはやってれば分かるって」
あとはなるようにしかならないんだからせいぜい楽しませてよね。
「最後に一つ。賭け金の額についてはお互い交互に決めて行くという事で。最初は貴女が決めていいですよ」
ふーん。とりあえず最初だからこちらの持ち金の半分をかける事にした。
トウネリバーが成金机をゲーム台にして、装飾がとてもゴツイ椅子に腰かけた。
私達も奴ほどじゃないけどいい感じの椅子を用意してもらったからそれに座る。
デュクシをトウネリバーの正面に座らせようとすると「ちょっと待って下さい」と奴が話しかけてきた。
「正直言いますとね、先ほどフロアでのご活躍を見ていたのですが……到底ただの運で勝っていたとは思えないんですよね」
「ふふふ♪ そうかしら? それで?」
私はニコニコしながら平然と答えてあげた♪
「これはこれは……余程バレない自信があるという事でしょうかね。でしたら今回は貴女にお相手願いましょうか」
……え?
「では始めましょうか」
トウネリバーがカードをシャッフルして、私と自分に交互に一枚、合計五枚ずつ配り、「さあ楽しみましょう」と笑う。
あれれ……こんな筈じゃなかったんだけどなぁ。
私は隣で見てればいいだけだったのに。
でもこうなったからには仕方ないよね。
デュクシだってちゃんとやるべき事は分かってるだろうし、この場合もなんとかなるのは検証済みだから。
「トウネリバーさん。一つ聞いてもいい?」
「おや、なんでしょう? なんなりと聞いて下さいね」
奴はそう言いながら自分の手札を確認した。
「これって相手が二度目の交換必要なしの場合、交換できないんでしょう? じゃあ一回目の交換も必要ない場合はどうなるの?」
「……それ、は……? なるほど、こちらとしては一度交換まではする方向で考えてましたが、万が一交換の必要がなければ相手に交換させずに済む、という事にしましょうか」
「そう? それなら安心したわ♪」
私がそう言うと、トウネリバーはニヤニヤ笑いながら
「じゃあそのルールをさっそく試しましょうか。私は交換必要ないのでそのまま勝負です」
なんかどや顔でこっち見てくる。
自分の手札をドヤっ! って感じでテーブルの上に広げた。
「まずは私の勝ちですね」
奴の手札は同じ数字、五が四枚揃っていた。
「え、ちょっと待ってよ。なんでもう片付けようとしてるの? はい。私の手札これね☆」
私の手札は九が四枚と、何のカードとしても使える魔王カード。つまり、同じ数字が五枚揃ってるって事。
「……ッ!? そんな馬鹿な!! 一体何をした!?」
「さぁーって、覚悟してよね。アンタに……本当の地獄って奴を見せてあげるっ☆」
「それは少し分かる」
デュクシィィィィィィィ!!
こいつほんとにここ出たらぶん殴ってやるんだからね!?
トウネリバーが気持ち悪い事を言ってきたかと思ったらデュクシまで同意してくれちゃって私の周りには変態しかよってこないのかしら……。
ナーリアとかさ。
ライゴスだって変だし。
めりにゃんだけだよ私の癒しは……。
なんだかちょっと泣けてきた。
でも、変態でもいいからナーリアがいないと困る。
調子が狂うのよ。
いつも騒がしく私とかめりにゃんに絡んでくるけど、だからこそ一番のムードメーカーになってたんだもん。
万が一ナーリアが戻って来なかったら……。
寂しいじゃんか。
「さて、今回は私が直接相手になりましょう。ちなみにゲームはこれでどうです?」
トウネリバーが私に見せたのは沢山のカード。
昔からある遊びで、大抵の人は子供の頃から馴染みがあるはず。
確か王都の初代ディレクシア王がどこかの国から持ち込んだのを切っ掛けに広まったって聞いたけど、昔の事だから本当かは分かんない。
そのカードはトランピアと言って、数字と絵柄が書いてある。
それぞれを組み合わせる事でいろんな種類のゲームを遊べるようになるってやつ。
小さい頃は家族とトランピアで遊んだけど……。
私は十二歳の時に家を飛び出してそれっきりだからとっくに家族とは縁が切れてる。
もしかしたら有名になった私の名前をどこかで聞いているかもしれないけどね。
「で? トランピアでなにやるの? まぁ何やるとしてもこのデュクシが勝つけどね♪」
デュクシが居ればこちらの勝ちは決まったようなもんだわ♪
偉そうにしたり私達を脅してるつもりなのか怖い顔したりしてるトウネリバーがちょっと面白い。
負けちゃうのにね。
「ゲームはポルカにしましょう。ルールはご存知ですか?」
それなら知ってる。
同じ数字を集めたり、順番に並べたりする事で自分の手札の点数が決まる遊びだったよね。
「デュクシは分かる?」
「なんとなくだったらルールは知ってるよ。ルールっていうのは、破る為にあるのかもしれない。姫と従者なんてルールも、君の全ても、今夜破ってしまいたい」
……何言ってんのこいつ……。
イラつき通りこして少し面白くなってきた。
「今回はスタンダードなルールで行きましょう。カード交換は二回までOKとしますが、一度目の交換でどちらかが終了した場合、もう一人も二回めの交換はできないものとします」
「うんうん。分かったからとにかく始めようよ。あとはやってれば分かるって」
あとはなるようにしかならないんだからせいぜい楽しませてよね。
「最後に一つ。賭け金の額についてはお互い交互に決めて行くという事で。最初は貴女が決めていいですよ」
ふーん。とりあえず最初だからこちらの持ち金の半分をかける事にした。
トウネリバーが成金机をゲーム台にして、装飾がとてもゴツイ椅子に腰かけた。
私達も奴ほどじゃないけどいい感じの椅子を用意してもらったからそれに座る。
デュクシをトウネリバーの正面に座らせようとすると「ちょっと待って下さい」と奴が話しかけてきた。
「正直言いますとね、先ほどフロアでのご活躍を見ていたのですが……到底ただの運で勝っていたとは思えないんですよね」
「ふふふ♪ そうかしら? それで?」
私はニコニコしながら平然と答えてあげた♪
「これはこれは……余程バレない自信があるという事でしょうかね。でしたら今回は貴女にお相手願いましょうか」
……え?
「では始めましょうか」
トウネリバーがカードをシャッフルして、私と自分に交互に一枚、合計五枚ずつ配り、「さあ楽しみましょう」と笑う。
あれれ……こんな筈じゃなかったんだけどなぁ。
私は隣で見てればいいだけだったのに。
でもこうなったからには仕方ないよね。
デュクシだってちゃんとやるべき事は分かってるだろうし、この場合もなんとかなるのは検証済みだから。
「トウネリバーさん。一つ聞いてもいい?」
「おや、なんでしょう? なんなりと聞いて下さいね」
奴はそう言いながら自分の手札を確認した。
「これって相手が二度目の交換必要なしの場合、交換できないんでしょう? じゃあ一回目の交換も必要ない場合はどうなるの?」
「……それ、は……? なるほど、こちらとしては一度交換まではする方向で考えてましたが、万が一交換の必要がなければ相手に交換させずに済む、という事にしましょうか」
「そう? それなら安心したわ♪」
私がそう言うと、トウネリバーはニヤニヤ笑いながら
「じゃあそのルールをさっそく試しましょうか。私は交換必要ないのでそのまま勝負です」
なんかどや顔でこっち見てくる。
自分の手札をドヤっ! って感じでテーブルの上に広げた。
「まずは私の勝ちですね」
奴の手札は同じ数字、五が四枚揃っていた。
「え、ちょっと待ってよ。なんでもう片付けようとしてるの? はい。私の手札これね☆」
私の手札は九が四枚と、何のカードとしても使える魔王カード。つまり、同じ数字が五枚揃ってるって事。
「……ッ!? そんな馬鹿な!! 一体何をした!?」
「さぁーって、覚悟してよね。アンタに……本当の地獄って奴を見せてあげるっ☆」