少年は笑みを浮かべて公園に向かう。
文字数 660文字
異能の力を手に入れた高校生の少年の前に立ちはだかるは、JC2人組
完全脳筋、聖剣よりも素手で殴る爆走JC
友である霊の力を借りる友霊使いJC
自分よりもも幼くかわいく、そして強い2人を相手に少年はヘタレないですむのか
とある神社の神主はかく語りき……
「我が神社には、曰くつきの木刀が奉納されていた」
「銘を霧風、霧をうみ、人の生命力を啜るといわれていた」
「真偽はわからぬ。なぜなら、かの木刀の力を封じるように毎日のように祝詞をあげていたからな」
「じゃが、あの日。わしは二日酔いで祝詞をあげておらなんだ」
「いままでも時々さぼっていたのじゃが、まさかこんなことになるとは」
「運がわるかったのじゃ、祝詞をあげていないとはいえ、封印を野暮ろうとするには、かなり陰の気が必要だからな」
いったいどうなっているんだ?
少年はいら立っていた。
なんだ、あのJCは、俺は最強になったのじゃないのか?
神社で手に入れたいわくつきの木刀を見る。
刀ではなく木刀だったのには驚いたが、少年の望みをかなえる力は十分にあった。
あったはずなのに。
その木刀にかすかだが罅が入っていることに少年は気付かなかった。
そして、彼の携帯にメッセージが入る。
少年の顔に笑みが浮かぶ。
「会って話し合いたいなんて、なんだろう、愛の告白だったりして、いや、きっと俺に倒して欲しい奴がいるんだな、報酬は、えへへへへ」
「あ、でも、罠ってことは……」
「……」
「大丈夫か、バカだし」
「まっていてくれ、大森さん。いや、亜里抄」
少年は公園に向かって歩き出した。