3 「愛奈→転生した愛爛の巻き」
文字数 1,833文字
キーンコーンカーンコーン 終業の音
夏直前の太陽 外はピッカピカに明るい
北アニメーション学院 サークル活動の時間
クラシックドイツ警官姿の舞華
アニメおたく コミックおたく が いっぱいの廊下の先
埴生の足元を 紫のラジコンカーが走る
車の名は「オロチ」 三岡社製
ラジコン車はウィーンと音を立て アニ学生徒の林をカーブし
床の壁 PCにぶつかり停止した
床に座っている堂が目線を上げ キーボードを叩く手を止めた
堂は目線を奥の舞華に移し
差し入れの手作りお弁当の蓋を閉じ パックの牛乳をストローでチューと飲む
紙パックが凹んだ
埴生は ふと窓を見て 外の景色に目が留まった
木に人がパンチや蹴りを入れている 木と格闘する熊?
茶色の熊耳フードを付けた愛爛が 木を相手に空手のお稽古をしている
伊東が熊の背後から声を掛けた
愛爛は覚えたての型で 伊東に拳を繰り出す
型が途切れ途切れに止まる
見ていた埴生
放課後 某大手電器ショップ エース電器
あれこれ視聴している堂
ギビー ギビーと低音のノイズが聞こえる
堂は音源を探す
マッサージ機でいびきをして寝ている 愛欄を発見
でも女生徒 身体にタッチしてはいけないかも・・
堂は考えた末 愛爛の耳元で歌った ラブソングを
満月の夜
プラネタリウム上演前のロビー 上演プログラムを見ている愛爛
現時間を確認する為に携帯を見ると 上演15分前
チケットを買い プラネタリウム劇場に入った
内容は七夕のロマンチックな星のお話しだった
プラネタリウムを観終わった後 いい気分でアイスコーヒーを買おうと 財布を探る
財布が無い
バッグの中を探しても見つからないので 落とし物受付に行くと 愛爛の財布はあった
財布を拾ってくれた人の名前と電話番号の紙を貰い 紙を読むと同じアニ学学生らしい
満月→欠ける月 一日目
サークル活動の時間
愛爛は放送サークルに入っていた
財布を拾ってくれた人の名前と電話番号の書いてあるメモを眺め
マイクのスイッチをオンにした
ピン ポン パン ポーン
埴生は打ち合わせ室から出た
埴生は放送室の遮音ドアを開ける