吉村くんの作戦
文字数 2,067文字
言い返さず、黙ったままVIPカードを受け取ってレジに通す。
そして、カゴに積まれた大量の商品に目をやる。
そして、カゴに積まれた大量の商品に目をやる。
少し、お客が途切れる時間帯。
きっとキリコちゃん、自分のレジからこっちを見つめてむくれてるに違いない。
きっとキリコちゃん、自分のレジからこっちを見つめてむくれてるに違いない。
と、思っていたらキリコちゃんのほうにもお客がやってきた。
吉村くんと同様、買い物カゴをいっぱいにした……そしてやはり常連客の佐和田さんだ。
吉村くんと同様、買い物カゴをいっぱいにした……そしてやはり常連客の佐和田さんだ。
中年の佐和田さんはまだ定年退職という歳には見えないけれど、いつも私服で、しかもこういう半端な時間にお買い物に来る。自由業か何かなのだろう。
VIPカードを受け取ったキリコちゃんは、少しだけ躊躇いを見せたけれども、レジを打ち始めた。
商品をバーコードリーダーに通しながら読み上げるキリコちゃんの声。
できるだけ平静を装っている。でも、少しだけ震えている。
できるだけ平静を装っている。でも、少しだけ震えている。
キリコちゃんは目を伏せて、できるだけ表情を読み取られないようにしているけれど、そんな仕草すら楽しむかのようにして、佐和田さんはレジの前でじっと見守っている。
キリコちゃんへの遠慮が理由でためらった私。
それは、キリコちゃんのためらいとは別の理由だ。
それは、キリコちゃんのためらいとは別の理由だ。
ヴヴヴ……
レジを通し始めると、下着に取りつけられたローターが作動を始めた。
レジを通し始めると、下着に取りつけられたローターが作動を始めた。
このスーパーの男性客比率が……そしてリピート率が高いのは、VIPカードが使われた時にだけ送られる信号で起動するこの仕組みの……私たち女性従業員の肉体を責めることができるサービスのおかげだった。
そしてショーツの中のローターは、私の肉体の中で一番いやらしくて敏感な部分、クリトリスに密着して……
ピッ……ピッ……ピッ……
バーコードを通すその瞬間、ローターは一段と強く、跳ねるように震え、否が応にも私の性感を刺激する。
バーコードを通すその瞬間、ローターは一段と強く、跳ねるように震え、否が応にも私の性感を刺激する。
この仕事を始めてからすっかり濡れやすい体質になってしまった。
胸のローターが跳ねる度に、ブルブルッ、ブルブルッと乳房全体にまで震動は伝わって、白昼、他のお客さんたちもいる中でこんなことをしているということを強烈に意識させられる。
すると、いっそう淫らな気分となって、それが私をますます濡らすのだ。
すると、いっそう淫らな気分となって、それが私をますます濡らすのだ。
キリコちゃんの気持ちを考えて我慢しようとする。
しかし、はしたない悦びの声が漏れ始めるのに時間はかからなかった。
しかし、はしたない悦びの声が漏れ始めるのに時間はかからなかった。
買い物の合計金額が多くなるほどバイブレーションが強くなるようになっているローターは、つまり買えば買っただけ、私たち女性従業員を悶えさせることができる。
だから、このお店の売り上げは男性客の合計売り上げが女性客のものを遥かに凌駕する。人数比率は圧倒的に女性の方が多いにもかかわらず、だ。
だから、このお店の売り上げは男性客の合計売り上げが女性客のものを遥かに凌駕する。人数比率は圧倒的に女性の方が多いにもかかわらず、だ。
5千円を超えた時点からの震動は、はっきり言って私をいつイカせてしまってもおかしくないくらい強烈で、甘い誘惑に満ちていた。
レジの手を止めてカウンターにしがみつき、私の脚の付け根を襲うこの激烈な細動に身を委ねてしまいたい衝動に必死で抗う。
でも、抗おうとすればするほど、快感はよけいにくっきりと感じ取れてしまう。
でも、抗おうとすればするほど、快感はよけいにくっきりと感じ取れてしまう。