シンジ~カオリの登場

文字数 1,420文字

じゃあ、シンジ、カオリ、ケンタロウも実在するのかというと、そうではない。
最初から考えていたわけでも、裏で何がどこでどうなってるのか、計算して書いたわけでもない。

なんとなーく、明るい男の子の話が書きたくなり、まず『夏を駆け抜ける』を書いた。

しかし、明るい者の要素は私にはないため、理解に苦しんだ。
男子の気持ちだって、私にはわからないのだ。
サホもシンジの女版なので理解できない。

でも書き始めてしまったので、なかなか進まず、苦しみながら書いた。

すると、カオリが参戦してきた。

私は眠る前になんとなーく、話を考えながら寝ているのだが、眠りに落ちそうな私の脳裏にカオリの言葉がどんどん響いてきて、こりゃ、今書かないと忘れる!と思い、夜中に起きてちびちび書いた。

夜中のせいか、カオリはどんどん落ちていって、私はカオリと一心同体になってしまった。

もう切なすぎて半泣きで書いた。
かなり文章を削った。
実際はもっと長いことカオリはつぶやいていたので、私もどんどん落ちていった。人の悲しみに引っ張られるタチなのだ。

夜中に、中年女性が、半泣きしながら書いたのが『夏に溶けてゆく』だ。

でも、これこそ私の、マンガを描きまくっていた時の感覚だ。

夏シリーズは、少女マンガなのだ。
私は今、小学生の頃に描いた少女マンガの続きを書いているんだ。
だから、この感覚を取り戻しても私は少女マンガの域を越えた物を書けないのだ。
私の想像力は、中学生で停止しているのだから。

青い。
青すぎる。
とっくの昔に過ぎ去った青春が、私の脳裏に甦る。

でも、
書いててものすごく楽しい。
時間も忘れてのめりこむ。

そして、それでもいいやと開き直ることにした。

悩んだところで書けないものは書けないのだから、書けるものを書いてゆこう。

私は、ベタベタな少女マンガなら、書ける!
それを楽しんで読んで下さる方が1人でもいればそれでいい。
私が楽しくて書いてるだけなのだから。


『夏を駆け抜ける』の前にだいたいカオリの話が出来上がってしまった。

シンジのことは相変わらずわからないのに、シンジが『男3名』とひとくくりにしていた、名もなき男だったはずのうちの1名が、急に名乗りを挙げてきた。

ケンタロウだ。

リョウスケ、ソウタ、ケンタロウに関しては何とも思っていなかった。名前もつけようと思っていなかった。
それなのに、まさかこちらから次の物語の主役が出てくるとは。

そうか、ケンタロウって、シンジの親友で、カオリのことが好きだったのか、と、私にとっては初耳で、ワタアメ買うと言い出したのにも理由があったのか、と知らないことだらけだと思いながら書いた。

夏シリーズを読んで下さった方は、ここまでしつこく書いているのだから、リョウスケとソウタの話も書くつもりだろう、と思われたかもしれないが、書くつもりだった。

しかし、書けなかったのだ。

いや、書いてみたものの、シンジと同じ現象が起きた。
書いてて、進まない。

リョウスケは顔がものすごく良くてモテ過ぎで、私にはちょっと手に負えなかった。ソウタは恋に興味のないフワフワ男子だ。恋に興味がないと言われれば、少女マンガに参戦させるのはなかなか難しい。

いつか書ける時が来るのか、それともまあいっかと思って納得しないものを出すのか、書かないかはわからないが、今のところは書けないのであきらめた。

しかし、何はともあれケンタロウだ。
この夏シリーズの隠れた主役が、ついに現れたのだ。

ケンタロウが、私の夏を終わらせた。








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