第15話 2人
文字数 680文字
相変わらずボロい建物だが、集中豪雨にも負けず、しっかりとそこに建っていた。
いつもと変わらない日常にほっとしていると、
敷地内に黒塗りの車が止まっているのが見えた。
今までこんな高級車が止まっている事はなかったし、
この車に乗れるほどの金持ちは、ここにはいないはずだ。
一瞬皇社長かとも思ったが、確か日本車しか乗らないと言ってたから違うだろう。
弓月の言葉で俺は上機嫌な気持ちで、玄関に近いていくと、
なぜか家の電気がついている事に気がついた。
玄関の鍵を調べてみると、全く違う鍵穴に変わっていた。
管理人さん仕事の早さには、感心するばかりである。
部屋に入って目を向けると、そこには管理人のおじさんではなく、
色白の女性と黒ずくめの男性が座っていた。
女性はまさに深窓の令嬢と言う感じで、少し茶色がかったふんわりウェーブの髪と
青みがかった瞳が印象的で、男性はいかにもボディーガードですと言う感じで、
笠原さんと良い勝負をしてくれそうだ。
ってどこかで見た事あるような?