第25話 ディックルスのいざない

文字数 1,218文字

翌日の放課後。
ねーねー、今日みんなで一緒に帰ろー?
私はいいよー。エリちゃんとスミレちゃんは?
にゃー せっかくだけど今日は無理なん
えー 何か用事?
いや、用事というか……
やっほー! 学校お疲れ様ー!
な ん か 来 た
(ニンニン、そのポーズ気に入ったん?)
その人、エリちゃんたちの知り合い?
これからSelfizMに向けて、Vコンボの特訓つけてもらうん!
SelfizMって、Vヴぁとの最大大会の!?
すごーい! 目指してるんだ、がんばって!
ゆうちゃんせっちゃんありがとだよー!
うふふ 今日から愛の鞭をビシバシいくから覚悟してよねー

まあオイラはどっちかというとビシバシいかれるほうが好きなんだけどねー

(なんで若干変態チックなんだよ)
あれ、ところでミキリンは?
あー 今日ミキは……
どうする、スミレっち?

そろそろ終わってる頃だと思うし、迎えに行っちゃう?

あ、もしかしてミキリンだけなんか用事あったの?
用事っていうか――。
しばらくの後。都内某所の墓地。
――お母さん。
墓参りをするミキを、エリたちは少し離れたところから見守っていた。
――ヴァーチャル世界にアカウントを作るとき、

行動に違和感が出ないように、できるだけ元の世界に近いデータを作る。

理屈は通ってるけど、ミキみたいに親を亡くしてる子にはつらいよな。

ヴァーチャルの世界でもお母さんがいないなんて。

そういうスミレっちは大丈夫なん?
いや私の家は普通の離婚だし!

今さらお父さんとか居ても邪魔だけど!

なるほどー……ヴァーチャルだからって何でも思い通りとは行かないんだねぇ
正直声かけにくいけど……あんまり隠れて見てるのも悪いし
できるだけ明るく行くん!

おーい、ミキちゃー――もが。

出て行こうとするエリを、スミレが止めた。
何するん!

あんまり隠れて見てるのも悪いって言い出したのはスミレっちなん!

そうじゃなくて――誰か来る!
――木乃葉ミキだな?
誰!?
へえ、三田から聞いた通りじゃないか。

――オレはディックルス。秘密結社デフォルト幹部の一人だ!

にゃ!? 秘密結社デフォルト!?
あ、声が大きいって!!
エリちゃん!? スミレちゃん!? あとニンフィアさん!?
ありゃー 完全に見つかっちゃったねー
チッ、仲間がいたのか。

まあいい。木乃葉ミキ。オレとヴぁとるだ!

カード狩りっていうのは将来的にシンギュラリティに関係する人間を狙ってるんだよな?

三田さんみたいにデータ取るならともかく、

私ら狙っても意味ないんじゃないのか?

ふん、今回の目的はカード狩りじゃないさ。

――木乃葉ミキ。もしこのヴぁとるでオレが勝ったらオレたちの仲間にならないか?

ええっ!?
おまけのコーナー!
デッキ構成を決めるうえで大切なのがレアリティポイント。

三枚のカードの合計値が34以内になるようにデッキを組む必要があるぞ!

キミもLet’s ヴぁとる!!

この番組は、「知らない誰かの、いつの間にか宝物」みんなでヴぁとる!!の提供でお送りしました!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

※この小説はYoutubeチャンネル『シンギュラリティで待ってます。』および同チャンネルのカードゲーム企画『みんなでヴぁとる!!』の二次創作です。キャラクター・世界観設定等は公式を参考にしていますが、若干異なることをご了承ください。

【春日エリ】

スミレ・ミキとともに2045年から自由研究のためやってきた少女。

元の時代に戻る方法を探すうち、『Vヴぁと』をめぐる騒動に巻き込まれていく。

ちょっぴり天然なムードメーカー。

【星野スミレ】

未来から来た三人組のまとめ役。

ときにシビアなことも言うが、熱いハートを秘めている。

【木乃葉ミキ】

エリやスミレの親友。飄々としていて、どこか風変わり。

そしてちょっぴりおませさん……?

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色