第1話。
文字数 1,148文字
「お母さん!...お母さん!...」
「落ち着け、騒いでも母さんは生き返りはしない。」
「...。」
「なんで泣かないの?!」
悲しすぎると泣けないというが、娘は母が死んだ事を必死に受け入れていた。だが私の心情は嫁を信号機を無視した挙句跳ね飛ばして逃げた、いわゆるひき逃げ事故の復讐に火がつきかけていた。負のスパイラルだった。娘の義心、事故の憂鬱な処理、義父母への挨拶、お葬式。嫁のいない暮らし....。
「なんでも泣いてたら、目の前の事に対応することが出来ないだろ?第一植物人間って生きているようにしか見えん。」
そういうと娘は眠っている母の耳に口を当てしゃべっている。まるでお墓に話しかけるように哀愁ある顔。
!
「今ピクリと動いていたぞ。看護師さんこれはいったい...。」
「いえ、残念ながらよくあることです。期待しないでください。」
看護師さんの言葉に生き返るかもしれないと思えた高揚感は裏返っておもくのしかかる。
「お母さん!...」
「....。」
「お父さんはお母さんのくせ知ってる?」
ふと思い出した。
嫁は死んだふりをよくする。天然だが今の顔とそっくりだった。
「今日がなんの日か知ってるかな父さん。」
エイプリルフールだと認識していたがこんな大仕掛けできるはずがない。かなりの雇い代がいる。
ウチにそんな金があったかな?
娘がそそくさとヘソクリのありかをばらした。
「こんな携帯に大量のペイペイがあるよ。」
支出が多い多い。だが信じられない!
意味がわからない。わたしはすこし、からかわれたんだと思う。
お母さんは金属アレルギーだ。
だからそれとなくこう言ってみた。
「母の形見もいっしょに行かせよう」
高級そうな安ものの腕時計をはめささせて様子をみる。
娘は仕掛人だったので娘自身が私のお目付け役だったのだろうと思い、
とても苦しい。広い屋上のベランダで星を眺めていると妄想が止まらない。
すると後ろから抱きつかれた。
間違いなく嫁だった。きっと色々本音を聞きたかったのだろうとおもい。話しかけた。すると姿、抱きしめてる形が崩れていき、嫁が幽霊と悟った。
「骸に愛をください。」
そう言って消えていった...
私は急いで嫁を安置している病室にもどった。
「ご臨終です。
体の機能ももう..」
娘は母がここにいるのはエイプリルフールで母が死んだふりをしていたからだと信じていた。わたしも狂っていた。
あの幻影にそそのかれつつも愛ことばかりで考えていた。わたしは無我夢中で嫁にを抱きしめていた。
「20点」
「は?」
嫁は早々とこう話した。
「熟年離婚を考えてたの!さーちゃん(娘)は80点合わせて100点。離婚なし!」
「さっき幽霊は?」
「私。」
「は?」
幽体離脱を覚えた嫁に明日はない
どうも幽体離脱すると恥ずかしい本音が出るらしい。それのおかげで傍にいるのに。
「落ち着け、騒いでも母さんは生き返りはしない。」
「...。」
「なんで泣かないの?!」
悲しすぎると泣けないというが、娘は母が死んだ事を必死に受け入れていた。だが私の心情は嫁を信号機を無視した挙句跳ね飛ばして逃げた、いわゆるひき逃げ事故の復讐に火がつきかけていた。負のスパイラルだった。娘の義心、事故の憂鬱な処理、義父母への挨拶、お葬式。嫁のいない暮らし....。
「なんでも泣いてたら、目の前の事に対応することが出来ないだろ?第一植物人間って生きているようにしか見えん。」
そういうと娘は眠っている母の耳に口を当てしゃべっている。まるでお墓に話しかけるように哀愁ある顔。
!
「今ピクリと動いていたぞ。看護師さんこれはいったい...。」
「いえ、残念ながらよくあることです。期待しないでください。」
看護師さんの言葉に生き返るかもしれないと思えた高揚感は裏返っておもくのしかかる。
「お母さん!...」
「....。」
「お父さんはお母さんのくせ知ってる?」
ふと思い出した。
嫁は死んだふりをよくする。天然だが今の顔とそっくりだった。
「今日がなんの日か知ってるかな父さん。」
エイプリルフールだと認識していたがこんな大仕掛けできるはずがない。かなりの雇い代がいる。
ウチにそんな金があったかな?
娘がそそくさとヘソクリのありかをばらした。
「こんな携帯に大量のペイペイがあるよ。」
支出が多い多い。だが信じられない!
意味がわからない。わたしはすこし、からかわれたんだと思う。
お母さんは金属アレルギーだ。
だからそれとなくこう言ってみた。
「母の形見もいっしょに行かせよう」
高級そうな安ものの腕時計をはめささせて様子をみる。
娘は仕掛人だったので娘自身が私のお目付け役だったのだろうと思い、
とても苦しい。広い屋上のベランダで星を眺めていると妄想が止まらない。
すると後ろから抱きつかれた。
間違いなく嫁だった。きっと色々本音を聞きたかったのだろうとおもい。話しかけた。すると姿、抱きしめてる形が崩れていき、嫁が幽霊と悟った。
「骸に愛をください。」
そう言って消えていった...
私は急いで嫁を安置している病室にもどった。
「ご臨終です。
体の機能ももう..」
娘は母がここにいるのはエイプリルフールで母が死んだふりをしていたからだと信じていた。わたしも狂っていた。
あの幻影にそそのかれつつも愛ことばかりで考えていた。わたしは無我夢中で嫁にを抱きしめていた。
「20点」
「は?」
嫁は早々とこう話した。
「熟年離婚を考えてたの!さーちゃん(娘)は80点合わせて100点。離婚なし!」
「さっき幽霊は?」
「私。」
「は?」
幽体離脱を覚えた嫁に明日はない
どうも幽体離脱すると恥ずかしい本音が出るらしい。それのおかげで傍にいるのに。