文字数 375文字

 運転中、追い越していった車の色が妙に赤いと思った。

「トマトみてーな色だな」
「違うよ、あれは血を浴びてるから赤いのさ」
「えっ」

 思わずバックミラーを見ないで後ろを振り返った。俺、一人で車に乗ってたのに。





 後悔するぐらい怖い映像を集めたDVDを借りた。第一話目、友人とよく似た男が車を運転している。かなりのスピードだ。見覚えのある住宅街に入って更に速度が……って、この先にあるの俺んちじゃ……。





 寒いとボンネットに小動物が潜り込むらしいと聞いた。確認のためにバン! と叩くと、「うぎゃあ!」と男らしき悲鳴が上がった。恐る恐る開けたが、誰も何もいない。数回続いたので録音して友人に聞かせると「お前の声じゃん」と言われた。





 バーベキューを楽しんだ帰り道。ふとを目を覚ますと、友人達は皆ぐっすり眠り込んでいた。ならば、今レンタカーを運転しているのは誰なんだ。
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