◆Interlude◆
文字数 1,114文字
「……どうして……、どうして、こんな事に……!!」
屈強な男の身体に取り
男は笑っていた。男は眠っていた。
男が目覚めることは二度と無かった。
「メリア……。ライドは――承知していたんだ。解っていて――」
「解ってるわよ!! そんな事!! ……どうして、どうして……」
「ラセル」
仲間の一人、ライドに
仲間の手前、大人しく引き下がったが、実の所、ラセルの心情もメリアと大差が無かった。
叶うならば、一緒に泣き崩れたい。
けれど、ラセルは神官。だからこそ、
「解ってる……解っていたんだ。
後悔に
「俺が――俺が、ライドに
『ならん』
竜の断言は無情だった。
『お前達は、私が差した釘を無視した。禁を曲げたのだ。
泣き崩れる
(……聞こえる……。声が。死なないでくれと願う、あいつの声が――。でも……御免。これで、いいんだ……力を使い果たして、力尽きるのは俺で――)
消えゆく意識の中で想う。
悲しませることが何も無ければ――本当に誇れたかもしれない。
それだけは叶わなかったが――だが、本当に望んだ未来を手にする為に尽くした全力だ。
後悔は、無い。
聖なるものだろうと、魔なるものだろうと、俺は許さない。
平凡な人間が心から願う、平凡な未来。
それを
だから――望んだんだ。破滅しか待っていないと、解っていても。
伝説の竜はあまりにも雄偉な存在で――憧れずにはいられなかった。勇者という立場を放棄してでも、近づきたかった。
その為に使いたい力だったけれど――後悔は無い。
俺が本当に護りたいものの為に使ったのだから。使い果たしたのだから。
自己満足の
護るべきものを護る決断で、その為の力を、その為に使ったのだ――と。
(……ああ、でも、せめて――彼女を……メリアを悲しませないことができ、た――な、――――ら、もっと――――――――)