未来編

文字数 697文字

今日、Twitterのアプリを消した。
2019年。東京。
見たくない情報がたまらなく溢れている世界は精神的苦痛が溜まるだけのツールでしかないなと考えた。消してから私の精神は良好である。
このスマートフォンと呼ばれる板状の箱に情報を詰め込まれてから、もう10年程経ったのではないだろうか。
スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したのは2007年。
電車に乗る。道を歩く。周りを見渡す。
みんなこの板状の箱に目を落としている。
もちろん、これを書いているわたしもいま板状の箱に思考を打ち込み、周りから見れば同じなのだろう。
果たして、板状の箱は必要なのだろうか。
囚われている気がするのだ。この情報世界に。とても小さな板状の箱に全てが詰まっていて、とても小さな世界が無数に存在して融合してが日々繰り返されている。

私は、他者の考えを知るのが怖い。

「人々は熱心に
小さな板に視線を落とす。」
あの時代の象徴と
教科書に書いてあったっけ。
空間移動を発明したネルブスが
過去を歩いた著書
「2019年」を読んだ僕は、
今はもうない東京という街に憧れる。
朝や昼、夜、時間、という概念がまだ存在していた時代。
もう数百年前の世界が一番美しく、人間同士が愛を求めていた時代。
文明が発達し、精神世界だけで人間は生活をはじめた。
そもそも、人間という存在自体がどういった存在なのか、僕は存在しているのか。肉体は無いのだから、当然なのだが。
思考だけで、すべてが済むようになってしまった世界ではもちろん肉体があった人間同様の仮想空間は再現されているのだけれど。

僕は他者と関わり、他者を知りたい。
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