1 アイサイ公国

文字数 431文字

 その日、国は活気に満ち溢れていた。
元々、活気づいた民達であったが、今日はいつもの倍以上だ。

国の皇女の生誕祭であった。

 ここは、海と緑に守られた公国、《アイサイ公国》。
その名の通り、周りは海と森に囲まれた国である。豊かな自然と周囲の国を遮断したような地形は、自分達独自の文化を守る事に適していた。国交は無いという訳ではないが、殆ど無いに近い。だから、大方の人は外の世界を知らない。
争いを知らない平和な国。
そして、何よりも、彼らには……。

「メル様―!」
と、突然女性の声が露店の立ち並ぶ街に響く。
もはや、日常茶飯事の光景と店主達も心得ている。
「また、脱走したのかい?」
と店主の一人が女性に声をかける。女性はため息をつきながら、頷く。
「ナサも大変だね。こう毎日と来ちゃぁ……。ま、メル様もまだ遊び回りたい年頃何だろうけど。」
その言葉にナサは、すかさず反論する。
「あの方は、遊び過ぎなんです!」

店主達は、苦笑いするより他なかった。
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登場人物紹介

メル(13) 出身:アイサイ公国


アイサイ公国の皇女。


自然を愛する心優しい少女。天然ボケな一面も。

一般常識をあまり知らない。

恐怖心を持つ事はあまり無く、動揺する事も少ない。

常に開放的な心の持ち主で相手の心を誰よりも理解し、寄り添う事が出来る。その為か、人に好かれやすい。


水を自由自在に操る力、水術《ウォーリアン》は、まだ見習い中。


……。

ナサ(20) 


メルの侍女。

冷静沈着で物静か。感情をあまり顔に出さない。


自分とは真逆のメルを心の底から尊敬しており、守りたいと思う。

仮面の少年 (推定10代)


平和な国、アイサイ公国に現れた謎の少年。

白い装束の軍隊を引き連れている事から、上の身分と推測される。


彼の目的とは……。

謎の少女


メルの夢の中に出てきた黒髪の少女。

アイサイ公国の服を着ているが……。


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