黒き星の剣士

文字数 6,078文字

 3.

 今度はニコシア・コールディー三位神官将が会議室への一番乗りを果たした。二位神官将レグロ・ヒュームと補佐官メイファ・アルドロスが後に続く。
 勝利の後の沈黙は、重く苦しかった。メリクル正位神官将は十三時の鐘が鳴っても姿を見せなかった。太陽はとうに沈んでいる。その内に、メイファがヤスリを取り出して、爪の手入れをし始めた。心に余裕を持つのは結構なことだが、ニコシアにとってはただただ目障りだった。
 硬い足音が迫ってきて、扉が開かれた。補佐官を伴って現れたメリクル正位神官将は、部下たちを制するようにまず口を開く。
「戦利品の分配も決まらぬうちからこのような報告をしなければならないのは残念だが」
 彼は自分の席へと円卓を回ったが、椅子に座ろうとはしなかった。
「都で起きたクーデターの噂が確かな事実であることを確認した」
 誰も口をきかず、メイファがヤスリを懐にしまう、その衣擦れの音だけがした。メリクルは苦い声で付け足した。
「日輪連盟の本命は我々ではなく、都のほうであったようだな」
 メリクルの告げるところによれば、シオネビュラが夜を徹して出陣の支度(したく)を整えている間に、都では一部の陸軍将校が謀反(むほん)の計画を実行に移していた。離婚騒動のただなかで月環同盟の後援を降りた総督夫人パンネラ・ダーシェルナキが、陸軍の上級将校と手を結んでいたのだ。総督シグレイ・ダーシェルナキは寝入り端に襲撃を受け、即座に投獄された。長子シルヴェリア・ダーシェルナキは戦闘のさなかに姿を消し、総督の椅子は夜明けと共に長男アランド・ダーシェルナキに引き継がれた。母であるパンネラが、アランドの後見人となった。
 一夜明けても軍部内の混乱は鎮まらぬままだったが、十七歳の新総督アランドは日輪連盟盟主への接見を求める親書を王領に向けて送り出した。
 その日から、シオネビュラは外交力を駆使してほうぼうを駆け回ることとなった。シグレイを失った南西領へと、日輪連盟がいよいよ本格的に軍勢を送りにかかることは、火を見るよりも明らかであった。

 ※

「この革命こそは!」
 黒髪が街を洗う。それは死をもたらす黒い星。星は、饐えた臭いを放つ老いた弁者の前を流れた。誰もそれを気に留めなかった。
「終わりの始まりなのだ」
 老人は片隅の木箱に上がっていた。木箱には連弩(れんど)の太矢が突き刺さり、付着した黒いしみは明らかに血であった。
「裁きの日は近い。王と神官、公爵そして貴族たちは一線を越えたのだ」
「出たぜ、終末ジジイ」
 老人の向かいの安酒場は、出入り口が開放され、秋風吹きすさぶテラス席にさえも、顔を汚した労働者たちがあふれていた。
 薄い雲が破れ、月光が路地に差した。その光の清らかさは、酒場の灯が照らすことのなかった老人の目を群衆の前に晒し出した。白内障が進行して濁った虹彩(こうさい)に張り付いた、狂気を帯びるにいたるほどの孤独を。
 酔客が老人に野次を飛ばす。
「珍しいことじゃねえだろうが。戦争や革命が何べんあったと思ってんだ? この千年の間によう」
「この戦は明らかに、これまでのものとは違う」
 老人は威厳を持たせようとして声を低めたが、聞き取りにくくなっただけだった。
「かくも堂堂と、王や他の公爵家の軍隊が領内に招じいれられたことがあっただろうか! 攻め込まれるのでもなく、通過させるのでも……招じいれられたのだ!」
 黒髪が街を洗う。それは黒曜石の星。星は、傷ついた兵士たちのための暗がりへと流れた。裏通りへ入り込めば、そこは呻きに満ち、壁際で死か回復のいずれかを待つ男たちへと、なお老人の声が響いてきた。
「愚かな淫婦の手によって我が領土は売り渡されたのだ! 南西領は王領に、西方領に、南東領に切り売りされるだろう――地球人(かみ)はこの王国を、王領と五つの天領地という形でお与えになったにも関わらず――おお、なんという冒涜――なんという背徳――」
 声が聞こえなくなる場所に着く頃には、星は人となっていた。暗闇の中で血と膿にまみれた布を踏みつける湿った音が、彼が神秘と神性から引き離された生身の人間であることを(あかし)していた。
 足音の主は正確に路地を抜けて、目指す通りに出た。安酒場の壁に取り付けられた天籃石が、男の姿を浮かび上がらせた。
 その長い黒髪は、一本の三つ編みに編まれ背中に垂れていた。黒いマントの上からでも、細身の体の引き締まった様子が見て取れる。顔が天籃石に近付けば、肌は黄色(おうしょく)であった。一重瞼の細長い目には、瞳孔と見分けがつかないほど黒い虹彩が収まっており、その上を、疲れた、しかし、執念深く何ものかを追い詰めようとする不屈の意志の光が覆っていた。
 男は酒場に入った。中には歌も音楽もなく、夜闇に勝るほど濃密な陰気さがそこに立ち込めていた。四、五人の客が背中を丸めていた。みな老いさらばえて、死が来るまでの退屈を、酒で紛らせているのだった。
 カウンターの奥には灰色の髪の店主がいたが、男が目の前に立っても、顔を上げようとさえせず言い放つ。
「グラスは自分で取ってくれ」
 男は店主に囁きかけた。よく通る、低い声であった。
「『ハル』に会いたい」
 途端に警戒心に満ちた目が四方から男に投げかけられた。背中を丸めて酒樽に座っていた店主も、それを聞き、顎を上げた。
「旦那、ヤク中には見えんね」
 男はカウンターの奥に手を()べた。皺立つ店主の手が応えるように伸びてきた。男はそこに、銀貨ではなく、胡桃の殻を落とした。
 店主はさも驚いたというように目を見開き、黙ったが、他の誰にも見られぬ内に胡桃の殻を懐に押し込んで、曲がった腰を酒樽から浮かせた。
「最初からこうしていればよかったんだ」
 男は答えず、カウンター席に座った。
「『ハル』には何て言えばいい?」
「マグダレナの代理の者だと言えばそれでわかる」
 灰色の毛が飛び出す鼻をこすって、店主はカウンターの奥の木戸から出ていった。
 そして沈黙が戻る。油断のならない、それでいて、眠たくなるような沈黙であった。男は耳をそばだてる。表で私刑(リンチ)が始まった。殴り倒され、荒っぽい若者たちに蹴り転がされる老人が、痰の絡まる声で呻いていた。
 気配を消すことに関する男の能力には驚嘆すべきものがあった。彼は椅子に腰掛けて以降、文字通り微動だにしなかった。呼吸の有無さえ疑わしいその顔は、天籃石の白色光のもとにあっても二十代の半ばか後半に見え、既に三十五にもなっていようとはこの場の誰にも想像し得なかっただろう。客たちはすぐに新参の男の存在を忘れた。男は椅子から垂れるマントの裾を揺らがすこともせず、ただ瞬きのために睫毛と瞼だけを動かして、店主が戻るのを待った。
 店主は、出ていったのとは違う木戸から戻ってきた。店の奥の木戸を開き、その向こうに見える階段を指した。一人で行けということだ。男は音を立てず椅子を下りた。
 階段の上は、通りをまたぐ形で伸びる廊下によって向かいの建物と連結されていた。渡った先のどの部屋に目当ての相手がいるのかは自然とわかった。一つだけ半開きの戸があって、天籃石のランプが戸口に吊り下げられていたからだ。
 男は木戸を引き、部屋に滑り込む。別の男の声が、真っ暗な部屋のどこからか迎え入れた。
「お前は死ななかったのか、マグダリス・ヨリス」
 そこに酒の臭いはなかった。あるのは絵の具の材料となる顔料の臭いで、狭い部屋はほとんどキャンバスで埋め尽くされていた。鎧戸の外れた窓の横には脚が外れて傾いた小卓があり、様々な太さの絵筆が散乱している。
 小卓の前にはソファがあり、男がだらしなく身を沈めていた。眠っていたのだろう。目をこすり、男は続けた。
「本来だったら今頃は、シルヴェリア公女殿下のお()り部隊を訓練してたはずだろ、少佐殿。まだありもしない連隊の、まだありもしない大隊の……」喋りながら身じろぎし、背中を丸めて膝に両腕を投げ出した。「それがどうだ。今じゃ追われてるのか? 追ってるのか?」
「私はシルヴェリア殿下を探しに来たのではない」ヨリスという名の少佐は冷静に言葉を返した。「例の案件が片付いたわけではないからな。『グロリアナ製』は手に入ったか」
 絵描き崩れの男は、絵の具で染まった両手に己の顔を沈めて答えた。
「先に言っておく。あれは薬物じゃない」
 私服の将校の気配が近付いてきたかと思いきや、ソファを素通りして後ろの棚に向かうので、絵描きは慌てて顔を上げ、腰を(よじ)って背もたれに肘をかけ、振り向いた。
「おい――」
 ヨリスは立てかけてあった二、三のキャンバスを放り投げ、戸棚を開け放った。
 そこには薬物の原料となる樹皮や葉、根、種子の類が、種類ごとに分けて収められていた。
「何だよ、答えが気に入らなかったのか!?」
 前回来たときにはなかった品物が戸棚にないか、ヨリスは自分の目でじっくり確かめていた。それからソファの男に目を向けた。闇に慣れ、相手の顔が多少はっきり見えるようになっていた。
 茶色の髪はボサボサで、少なくとも三月(みつき)は鋏を入れていないようだ。無精髭を生やし、目は月明かりを集めてぎらついているが、よく見れば決して不健康ではないと見抜ける。集めている薬物に、彼自身は手を出していないのだ。
「俺はこの見通しの立たない依頼のために薬の売人にまでなったんだ。ただの画家なんだぞ、俺は――」
「だが、君の絵は売れないときた」
 絵描きは反論できず、顔をしかめた。
「君のために助言しよう。これを機に西方領に戻ったらどうだ。シルヴェリア殿下の先行きがわからぬ以上、もはや危険を冒す必要もあるまい」
「西方領に? 俺に死ねって言ってるのか?」
「君は自分を買いかぶりすぎているな。アーチャー家の誰が君に暗殺するほどの価値を見出しているというんだ? ハルジェニク・アーチャー」
 神官たちの間で知らぬ人のない、裏切り者の名であった。アーチャー家は王家を巻き込んでまでライバルのライトアロー家の失脚を目論(もくろ)み、その策略の大部分を成功させたにも関わらず、土壇場になってハルジェニクが幼馴染のシンクルス・ライトアローを法廷にて庇ったのだ。
 その後シンクルスは若くしてヨリスタルジェニカの正位神官将となり、ハルジェニクは故郷を追われて南西領の都の片隅で落ちぶれている。
 窓の外で女が悲鳴をあげた。私刑の規模が広がり、暴動に発展しかけているようだ。
 ハルジェニクの目から力が抜けた。体の向きを前に戻し、長々と息をつく。
「六年前の、グロリアナの浚渫工事……」
 浚渫して埋め立てた地を、リジェク神官団が買い取った。リジェクの動きには南西領陸軍も注目した。
 だが、練兵場を作ってグロリアナの人間を雇用すると約束したリジェクはそれを履行せず、一年で土地を放棄した。
「グロリアナが受けた打撃は大きかった。だがリジェクは妙に潤ったようだ。その理由をお前らは探していた。……といっても、当時お前はまだ強攻大隊の指揮官だったか。詳しくは知らんだろうな」
「詳しくないのは君も同じはずだ。そうでないなら続きを言うがいい」
「歌だ。リジェクの奴らが売りさばいてるのは薬物(ヤク)じゃない。歌だ」
 窓の向こう、火の手が上がり、ハルジェニクの頬を朱に染めた。
「治安部隊が動くぞ。逃げたほうがいいんじゃ」
 喉に硬いものが触れて、ハルジェニクは浮かべかけた皮肉な笑みを引っ込めた。
 刃と鞘が触れ合う音はしなかった。にも関わらず、ヨリスのサーベルの切っ先が喉仏に触れていた。根本が鋸歯(のこば)になった特注のサーベルで、その刃が今、外の火災を映していた。瓶や陶器の割れる音が、硬直するハルジェニクの耳から脳へ流れてくる。
「急がねばならん。無駄口は困る」
「わかった」急激に口が渇くのを感じながら、ハルジェニクは頷きもせずまくし立てた。「話す。話すから剣を収めてくれ」
 ヨリスが要望通りにすると、ハルジェニクはまるで貴人を前にしたかのようにソファで姿勢を正した。口調は変わらなかったが。
「リジェクの奴らが手に入れたのは技術だ。生き物を星獣に変えるような」
「それは広く歌流民の秘技として知られているが?」
「歌流民の奴らも協力しただろうさ。一時期大量の歌流民を抱え込んだって話もあったからな。それに奴らが手に入れた技術はそれだけじゃないって話だ。星獣を化生(けしょう)()とす。それどころか人間を……俺らヒト型言語生命体を星獣に変え得るかもしれない」
 ハルジェニクの目線が窓に流れた。
「ところで今は、星獣を化生へと堕落させる地球技術の産物が南西領に持ち込まれてるじゃないか」
 彼は月を見ようとしたのだと、ヨリスは理解した。
「俺はリジェクに行った」
 炎の他に見るものがないと知り、ハルジェニクは目を室内に戻す。
「最高のヤクの噂を追って。だが調べがついたのはそこまでだ。現物を……と言っても、現物が歌い手なのか譜面なのかは知らないが、それにたどり着くことはできなかった」
「死体は見たか?」
「は?」
「中毒死した者を」
 ハルジェニクは浅く頷く。
「特徴は?」
「……肌が、黒く……」
「君が知っている言語崩壊の徴候と一致するものか」
「俺が知ってる言語崩壊だと? 知らないな。俺は化生も、言語生命体が星獣になる過程も見たことがないね」
「とにかく、リジェクでは奇妙な死が流行している」
「そしてそれは従来の薬物によるものではないってことだ。次は何を調べればいい?」
「君の役目はこれまでだ」
 ハルジェニクは目線を上げてヨリスの無表情を伺った。
「あんたはどうする気だ?」
「何であれ、『それ』が都に蔓延するのを防がなければならない」
「どうするんだ? リジェクの奴らがその技術をもう日輪連盟に売ってたら? 連盟が敵地でそれを広めない理由はないぞ」
「ならば供給を絶てばいい」
「公女の命令だろう。その公女に義理立てする必要はないってあんた自分で言ったはずだが?」
 ヨリスは左手を腰帯に差し込み、巾着を取り出しながら答えた。
「命令は命令だ」
 軍人らしく言い放ち、中身の詰まった巾着を小卓に置く。貨幣の音がした
「もう一つ助言しよう。『月』に関して二度と言及するな」
「俺とあんたの間でもか?」
「忘れろと言っているんだ」
 それきり背を向けて、ヨリスは部屋を後にする。暴動は広がりつつあるようで、ヨリスは怒号から隠れて闇に紛れていく。黒髪とマントが翻り、すぐに見えなくなった。
 炎に向かって吹き付ける風は強く、冷たかった。暦は九月の半ばとなっていた。鉱山街コブレンでミスリルとリレーネが出会ってから、二月(ふたつき)が過ぎていた。


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登場人物紹介

◆ミスリル・フーケ

◆25歳/男性

◆所属:コブレン自警団


『暗殺者を狩る暗殺者』の育成機関、コブレン自警団の団長の一番弟子。正義感が強く、好戦的で熱血だけど気分屋なのでいきなり冷める。自分のことを暗殺者だと思ってるわりに騒々しい。11歳のときに実の母親との間にできた娘が「いないつってんだろっ!!」いません(忖度)。

画像は「このカス野郎をどう始末してやろうか」と思案しているときの顔。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 2作目『鳥籠ノ国』

 外伝『失語の鳥』

◆アエリエ・フーケ

◆27歳/女性

◆所属:コブレン自警団


もとは豪商の娘だったがいろいろあって10歳で浮浪児となり、コブレン自警団に保護された。

女性ながら大鎌をはじめとする長柄武器の扱いに長け、ミスリルの行くところにはどこにでもついて回って敵の生首を刎ね飛ばす。恐い。ちょっと恐い。笑顔がちょっと恐い。足許にひれ伏すと踏んでくれる。マゾは急げ!


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 2作目『鳥籠ノ国』

 外伝『失語の鳥』

◆マリステス・オーサー

◆25歳/男性

◆所属:コブレン自警団


通称テス。鳥好きで頭が緑とかいう実に安直な理由で『真鴨』とか『鴨』とか呼ばれている。

自閉傾向が顕著に強く、表情の変化の乏しさと相俟って「何を考えているのかわからない」という印象を与えがちだが、感じる力も考える力も強いほう。

コミュ障の自覚があるため、コミュ力の高い兄弟子のトビィに対してとても屈託している(嫌ってるわけではない(むしろ大好き(面倒くさいタイプ)))。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 2作目『鳥籠ノ国』

 外伝『失語の鳥』

◆アザリアス・オーサー

◆27歳/男性

◆所属:コブレン自警団


通称アズ。自警団の武術師範の一人であるオーサー師の一番弟子。30歳以下の自警団主力戦闘員の中では第一位の戦闘能力を持つ。

戦いになると実に容赦ないが、素の性格はシャイで温厚。天然だけど人から天然って言われると傷つく(繊細)。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 外伝『使者と死者の迷宮』

◆トビアス・オーサー

◆27歳/男性

◆所属:コブレン自警団


通称トビィ。アズの双子の兄弟。長柄武器を得意とするほか、犬を訓練する技能を持つ。陽気でとっても優しくて、子供と動物が大好きな親しみやすいお兄さんだよ! たまに笑いながら人殺しちゃうけど……。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 外伝『使者と死者の迷宮』

◆レミ・イスタル

◆25歳/女性

◆所属:コブレン自警団


イスタル師の二番弟子。朝寝坊クイーン。三人一組が基本となる重要な仕事ではアズ&トビィと組むことが多く、この二人と一緒にいる日は朝自分から起きてこない。

生真面目かつ強気にふるまっている反動か、妹のようにかわいがってくれる人の前では子供のように無邪気な態度になる。かと思えば妙に機嫌が悪いときもある。特に朝。朝。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

 外伝『使者と死者の迷宮』

◆リレーネ・リリクレスト

◆17歳/女性

◆所属:北方領リリクレスト公爵家


北方領リリクレスト家の公女だが、他家に嫁がせるためのお飾りとして育てられた。でも根が逞しいので環境への適応力が高い。


リリクレスト家は惑星アースフィアが移住可能な環境になる遥か以前から続く古い家であり、その血筋は地球における最初の10体の言語生命体試作品にまで遡るとされている。

それゆえ言語生命体の神である地球人からさえも重んじられ、宇宙戦争が行われた時代に授与された宝冠が数千年ものあいだ家宝として受け継がれてきたがリレーネが6歳のときに壊しちゃった。昔お転婆だったから壊しちゃった。

6歳だけどさすがにこれはヤバイと思って庭に埋めてしまった。

家じゅう大騒ぎになってたけど無駄に意志が固いので沈黙を守り抜いた。

ときおり思い出して寝れなくなる。

たぶん今も埋まっている。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆リージェス・アークライト

◆22歳/男性

◆所属:北方領陸軍


北方領陸軍で最もぼっち飯が似合う男と恐れられる若き護衛武官。階級は少尉。士官学生時代は優等生だった。毎日ぼっち飯だったけど。

なんだかんだでお人好しなので、試験の前にノートを貸してくれと泣き付かれて貸したら試験が終わるまで返ってこなかったりしたタイプ。怒っていいと思う。


巻き込まれ型の不幸体質なので登場するたびにひどい目に遭う。

仮にもシリーズ第1作目のメインヒーローが何故このような扱いをされるのかと思うと不憫で笑いが止まらない。

ごめん間違えた。

涙が止まらない。


とってつけたように言うけどリレーネ付きの護衛である。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

(過去作での名はリージェス・メリルクロウ)

◆パンジェニー・ロクシ

◆22歳/女性

◆所属:北方領陸軍


北方領の護衛武官。試験が終わるまでリージェスにノートを返さなかった犯人。

本編ではリレーネとリージェスが南西領に潜入するのに協力したが、コブレンの手前ではぐれたらしい。過去作を読まれた方のうちの実に99%以上が忘却の彼方へと葬り去ったであろう、シリーズ一作目からのリベンジャー。それでは一言意気込みをどうぞ。

「パンジーって呼んでよ(血涙)」


◆初登場回:8章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

◆リアンセ・ホーリーバーチ

◆24歳/女性

◆所属:南西領陸軍(解放軍)


陸軍情報部の間諜。間諜は単独での潜入が必要となる任務が多いため、油断を誘うべく実年齢より幼く見える格好を普段からしている。上腕二頭筋とかムキムキだけど。任務のためだけでなく、本人もかわいい服や小物が大好きである。背筋とかゴリゴリだけど。その甲斐あってか潜入や工作の成功率が非常に高く、情報部内ですら(服の上からの)外見に騙される者が一定数いる。腹筋とかバキバキだけど。

でもそれは、強くなければ生き残れないことをよく知っているからこそ。毒舌だったり辛辣なところがあるけれど、姉と妹のことは大好きな三姉妹の次女。

シリーズ1作目からいるけど登場するたびに箍が外れていく。


◆初登場回:4章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆シルヴェリア・ダーシェルナキ

◆20歳/女性

◆所属:南西領陸軍(解放軍)


南西領総督シグレイの長子。自分の軍隊が欲しくて18歳のお誕生日に少将の官位を買ってしまった(買ってしまった)。

買官によって権威を得た者に武官たちが向ける目は冷ややかなものだが、シルヴェリアは卓抜した手腕によってたちまち最悪の評価を覆した。

ただし露出の多い服装で人前に出たり、高貴な身分の人間が口にすべきでない単語や言いまわしを使いこなしたり、好色が過ぎて男女問わず手を出したりと問題行動が多い。


弟妹が5人いるのだが、2歳年下の妹エーリカには嫌われている。

もともとプライドが高いエーリカのコンプレックスを刺激しがちなうえ、10歳の頃にエーリカが丁寧に作った押し花を目の前でムッシャムッシャバリボリと貪り食ってからは蛇蝎の如く嫌われている。

何故そんなことをしたのか全くわからない点もまた嫌われている。

しかも父シグレイがその件でシルヴェリアを叱責しなかったので必要以上に嫌われている。

まあとにかく嫌われている。

結論:全部パパが悪い。


◆初登場回:4章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆フェン・アルドロス

◆37歳/女性

◆所属:南西領陸軍(解放軍)


シルヴェリアの副官。美少年のような色香を漂わせる37歳独身美熟女というちょっとどういう層を狙っているのかよくわからない逸材。お遊びの度が過ぎ、陸軍司令部で17股をかけていたことがばれて無事職場の人間関係を崩壊させる。

前線送りとなった先で出会ったシルヴェリアとはすぐに意気投合し、同性の愛人の座を獲得した。

しかしながら誰にでも見境なくちょっかいを出すわけではなく、性的合意があっても未熟過ぎたり責任能力のない相手には一切手出ししない。当たり前のことなんだけど……。

シオネビュラ神官団のメイファ・アルドロスの実の姉。


◆初登場回:4章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆マグダリス・ヨリス

◆35歳/男性

◆所属:南西領陸軍(解放軍)


歩兵精鋭部隊を指揮する大隊長だったが、編成中だった親衛連隊内の一個大隊を鍛えるべくシルヴェリアに抜擢されていた。階級は少佐。陸軍内においては『歩く殺戮装置』とか『三つ編み三十代』とか陰口を叩かれる。

高潔さと冷酷さを併せ持ち、他人に厳しいが自分に対してはもっと厳しいので立場の弱い者たちからは愛されている。

ときに行動が大胆なだけでなく、天才的な剣の腕を持つため恐い人だと思われることもしばしば。大丈夫。恐くない。たまに一人で百人殺しちゃうだけだ。よくあるよくある。


◆初登場回:5章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ヴァンスベール・リンセル

◆20歳/男性

◆所属:南西領陸軍


通称ヴァン。前線部隊に配属されたばかりの士官学校の新卒。リンセル家は海軍士官を多く輩出する家柄だが、本人曰く「伯父さんが恐いから陸軍に来た」。でも本当は船酔いするからである。実は馬にも酔う。

一見してそんなに強そうには見えないけれど実力派のダークホース。士官学校の剣術の成績は一、二を争うレベルだった。なお座学に関しては下から一、二を争うレベルだった模様。


◆初登場回:12章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆プリシラ・ホーリーバーチ

◆20歳/女性

◆所属:南西領陸軍


通称プリス。ロザリア、リアンセに続くホーリーバーチ家三姉妹の三女。お姉ちゃんたちが大好きで、リアンセが父親を見限って西方領を出奔するとき一緒に家を出てしまった。

11歳で家をでた娘を心配して母親は父に内緒で送金してくれたのだが、そのお金で「神学校に通う」と嘘をついて陸軍士官学校を卒業。

性格は明るく大胆で、良くも悪くも自分に正直。

陸軍広報部徴募部隊所属。ヴァンとは士官学校の同期の間柄。


◆初登場回:12章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆アイオラ・コティー

◆26歳/女性

◆所属:南西領陸軍(解放軍)


南西領陸軍の歩兵部隊指揮官で、階級は中尉。弓術・馬術に秀でるほか、詩人の才をも併せ持つ画伯。特に男性同士の濃厚な接触の模様を描いた画を得意とし、それらの作品は女性士官たちの間でひっそりと流通している。

反乱によって中隊を追われたのちは手許にある過去作と新作を火にくべてから都解放軍に合流。「いつどこで討ち死にしようともこれで私の秘密は守られる」と思ったようだが、まさかこんなところでバラされているとは夢にも思うまい。


◆初登場回:20章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ララセル・ハーティ

◆24歳/女性

◆所属:南西領陸軍


エーリカの専属護衛で、侍従長を兼任する。階級は大尉。クールビューティーなので周囲から勝手に有能そうだと期待されるけど、何かが人よりずば抜けているわけではないので結局勝手にがっかりされる。

冷たい印象の見た目に反して性格は至って素朴で素直。「あっち向いてホイ→」ってやったら全く何の疑問も抱かずに顔を「→」ってやっちゃうくらい素直。褒められて伸びるタイプだと思う。かわいがってあげて……カワイガッテアゲテ……カッ…………カワイガッ…テ…………………………カ……………ゲテ……………………。


◆初登場回:21章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆エーリカ・ダーシェルナキ

◆18歳/女性

◆所属:南西領ダーシェルナキ公爵家


ダーシェルナキ家の第二子。こじらせてるシスコン。

グロリアナ領主ゼラ・セレテスに言い寄って困らせているけど自分は四十手前のトリエスタ伯に言い寄られて困っている。

それではトリエスタ伯に一言

「死にさらせですわ!」

口汚ぇですわ。

そして怖くて誰も指摘しないんだけどインテリアの趣味が悪い。


◆初登場回:10章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ミサヤ・クサナギ

◆31歳/女性

◆所属:ソラート神官団


ソラート神官団二位神官将補。農民の出だが村をあげての推挙と資金援助を得て高位聖職者になる夢を叶えた地元大好きお姉さん。それでは南東領ソラート地方のいいところを語っていただきましょう。



「ソラートの富の源は潤沢な湧き水にある。平原を裂いて流れる水と温暖な気候は滋味豊かな作物を育て、その地方の最も貧しい村の民ですら、まず飢え渇くということがない。澄んだ空気と穏やかな野山に囲まれた環境が人を朗らかにすることから療養地としての人気も高い。かくいう私の夫も、喘息の治療のため幼少期に都から移り住んだ口だ。田舎にありがちな排他的な空気もソラートにはなく、そのため移り住む者がもたらす知識や技術が容易に根付き、その地をさらに住みよい場所にするのだ。無論、これほど恵まれた土地であるから、無闇に野山を切り開いたり、または武力で支配しようとする者たちも多くいた。一つはっきり断っておきたいのだが、住民が温和であることは、侵入者や圧政者への従順とは結びつかない。歴代の……(※これがあと30分続く)


◆初登場回:15章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆ゾレア

◆14歳/女性

◆所属:ソラート神官団


ソラート神官団の従軍歌流民。浮世離れしたミステリアスな少女(※ぼーっとしているだけだ)。


歌流民とは、野山に身を置く流浪の民。大陸中に散らばる彼らは共通する生活様式を持っており、すなわち氏族の歌い手は、歌うときしか声を出さない。

ゾレアの氏族は戦時に歌を売るのみでなく、平時にキノコや薬草を原料とする丸薬を作っていた。歌流民の神秘の力で病が癒されるという思い込みによって服用者の本来の自然治癒力を引き出し、さも薬が効いているかのように見せかけるただの黒い粒である。人体って不思議。

ソラートの住人たちは知っているので買わない。「本体価格よりレジにて20%オフ」とか言われても買わない。


◆初登場回:15章

◆シリーズの他の登場作品

 なし

◆エルーシヤ

◆17歳/女性

◆所属:-


ゾレアと同じく歌流民の少女であり、歌うときにしか声を出さない。その生活で得た不思議な感性を有しておれど、中身は普通の女の子。田舎暮らしが嫌になって逃げてきてしまった。今は陸軍広報部のプリシラ・ホーリーバーチ少尉と行動を共にしている。


都の星獣祭で配られる胡桃の護符は、北ルナリアやグロリアナの山塊を塒とする彼女の氏族が歌によって清めながら作るものだ。胡桃の可食部はクッキーにしてグロリアナの周辺で売られる。商品名は「グロリアナに行ってきましたクッキー」とかだろうか。知らんけど。


ちなみに「エルーシヤ」は歌流民の中でありふれた女性名であり、『失語の鳥』の番外編に出てくるエルーシヤとは完全に別人。


◆初登場回:12章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆マナ

◆14歳(※肉体年齢)/女性

◆所属:-


旅の途中でミスリルが出会う謎めいた少女。自称ミスリルの娘。もし本当に娘だったらミスリルが11歳のときの子になるのだが、当然ながら彼に心当たりはない。心当たりどころか女性と手を繋いで街を歩いたことすらない。

14歳という年齢は推定であり自称。なお生まれてきたとき既に14歳だった。


◆初登場回:6章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆シンクルス・ライトアロー

◆25歳/男性

◆所属:ヨリスタルジェニカ神官団


ヨリスタルジェニカ神官団正位神官将。政争によって傾きかけた西方領の名家の嫡男で、家の再興のために父親によって南西領に送り込まれた。古風な喋り方が特徴だが、ここだけの話普通に喋ろうと思えば喋れる。


過集中と注意力散漫を繰り返す。黙ってさえいればとても美形なのにいらんことまでよく喋る。実家は太いが傾きかけている。頭が良くて弁も立つけどこれっぽっちも自重できない。

そんな残念なタイプの天才だが、物事は前向きに考えよう。

普段はあちらこちらに興味の対象が移ろうが、並外れた集中力を発揮した際の成果は素晴らしい。近寄りがたいほどの美形だが、中身は気さくで親しみやすい。実家も傾きかけたとはいえまだ太い。自然に振る舞うだけで目立ってしまうのは自信家で聡明だからである。

残念なタイプの天才なのではない。

天才なタイプの残念なのだ。


◆初登場回:5章

◆シリーズの他の登場作品

   1作目『壊れた太陽の王国』

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ロザリア・ライトアロー

◆25歳/女性

◆所属:ヨリスタルジェニカ神官団


正位神官将夫人。シンクルスの妻であり、リアンセとプリスの姉。西方領出身。

シンクルスと初めて顔を合わせたのは三歳のときで、このとき既にライトアロー家とホーリーバーチ家の第一子同士として結ばれることが決まっていた。

親同士が決めた結婚とはいえ、成長に従い二人は自然に惹かれあうようになった。

政治的なごたごたから逃れるべく、ロザリアとシンクルスは南西領の神学校に入り直すことが決まり家を出る。同じ時期に、リアンセは父親の当主としての資質に疑問を抱き出奔。

家族喧嘩の最中に妹のリアンセ(脳筋)がカッとなって父親の頭を壺でぶん殴り、心配して見に来たシンクルスが我慢できずに腹を抱えて笑うのを見て以来「実はこの人ちょっとバカなんじゃないか」と思っている。


◆初登場回:5章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

◆レグロ・ヒューム

◆34歳/男性

◆所属:シオネビュラ神官団


シオネビュラ神官団二位神官将。

独特の個性と落ち着きなさゆえに生家では「将来の見込みなし」と冷遇されていたが、実際大人になったら兄弟の中で一番有能だったというオチがつく。たぶんヒューム家はもう終わっとる。

他のことはともかく仕事はできるというタイプ。

何故かしら自分のことを美男子だと思っている(根拠不明)。


◆初登場回:7章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆メイファ・アルドロス

◆32歳/女性

◆所属:シオネビュラ神官団


シオネビュラ神官団二位神官将補を務めるクレイジー長広舌。南西領陸軍のフェン・アルドロスの妹。

アルドロス家の後継がフェンとメイファしかいない事実からお察しいただける通り、もうアルドロス家も終わっとる。

人間としての中身に関しては姉より多少マシなレベル。

甲冑の上から乳首の位置を当てる能力を持っている。


◆初登場回:1章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ニコシア・コールディー

◆29歳/女性

◆所属:シオネビュラ神官団


シオネビュラ神官団三位神官将。真面目で責任感が強い性格。二位神官将に対する態度が横柄だが、これでもかつては敬意を払っていた。

出身もシオネビュラ西部で、居城である西神殿の近くに妹夫婦が住んでいる。市内巡行の際など幼い姪が「おばさまー!」と手を振ってくる。

「お姉さまと呼べ」と思っている。


◆初登場回:7章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ミオン・ジェイル

◆25歳/男性

◆所属:シオネビュラ神官団


シオネビュラ神官団三位神官将補。神学校卒業から僅か一年で現在の地位に抜擢された経歴を持つ。振る舞いは優等生然としているが口が悪い。

ジェイル家は家格が低く、神学校には長男である兄しか通えないはずだったが、武芸と学問の両方で兄より優れていることを証明し、進学の権利を勝ち取った。この生い立ちゆえに成果主義者である。

現在の地位を得てから両親は掌を返してちやほやしだしたが、家督を継ぐ気はない。ジェイル家も終わっとる。


◆初登場回:7章

◆シリーズの他の登場作品

   2作目『鳥籠ノ国』

◆ゼラ・セレテス

◆25歳/男性

◆所属:ソレリア民兵団


グロリアナ領主にしてソレリア民兵団代表。セレテス家は吹けば飛ぶような底辺領主(((失礼)))ながら、質実剛健を旨とする家風によってグロリアナ領を堅実に治めてきた。

セレテス流炎剣術の継承者。一子相伝なので、ゼラが死んだら剣術も絶える。


性格はやや強情で、数年前に自分で育てた野菜を上流貴族の客に供したところ「痩せた土で育った貧乏くさい味」と馬鹿にされ、「嫌なら召し上がらなくて結構でございます」と言って皿を下げ父親にこっぴどく怒られた。

以来、気にいらない客に対しては問答無用で畑を手伝わせている。


◆初登場回:3章

◆シリーズの他の登場作品

   なし

付録◆アースフィア世界の度量衡


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◇長さの単位


基本単位はセスタセリオン。地域や職業によってセスタ尺とセリオン尺が使い分けられる。


1セスタ=2.5㎝

1セリオン=7.5㎝

1リセスタ(1リセリオン)=1/10セスタ(1/10セリオン)

1ニ―セスタ(1二―セリオン)=100セスタ(100セリオン)

1デセスタ(1デセリオン)=100ニーセスタ(100ニ―セリオン)

1クレッセスタ(1クレッセリオン)=10デセスタ(10デセリオン)


言語生命体たちが地球で創造主たちと暮らしていた時代、言語生命体の独立をかけた戦に異を唱え、地球人信仰を保つよう呼びかけた姉弟がいた。

姉の名はセスタ。弟の名はセリオン。

二人は同胞によって捕らえられ、両手をすりおろす拷問にかけられた。

救出されたとき、セスタの手首の関節より先の長さは2.5㎝、セリオンは7.5㎝しか残っていなかったと伝えられる。


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◇重さの単位


基本単位はケララ

ケララは麦をさす言葉だが、教会の伝統において典礼及び典礼聖歌を意味することもある。


1ケララ=2.5g

1リケララ=1/10ケララ

1ニーケララ=100ケララ

1デケララ=100ニーケララ

1クレスケララ=10デケララ


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◇体積の単位


基本体積はダータ。野蜜の意であり、血液ないし精液を暗喩する。


1ダータ=25ml

リダータ=1/10ダータ

ニーダータ=100ダータ

デダータ=100ニーダータ

クレスダータ=10デダータ

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