10：誰も死の運命からは逃れられない……『ファイナル・デスティネーション』
文字数 3,425文字
さて、前回ラストでいきなり新キャラの芸夢先輩さんが出てきたわけだけど……
ぶっちゃけ、何なんです？
何って？ 私は三年生で映子ちゃん達の先輩だよ。
いつも楽しそうに話してるのを聞いてたから混ぜてもらいたいなーって思っただけだよ。
ほんとにぃー？
ほんとほんと。
映子ちゃんと比べたらあんまり映画に詳しくないけど、それでもちょっとは興味もあるからね。是非いろいろ教えてもらいたいなって。
ちなみに得意ジャンルはゲームだよ。
グロいのとかは？
ドンと来い！
……よし、いったん信じましょう！
わーい！
ってことで、今回は『ファイナル・デスティネーション』について紹介していきますが……まず、最初に言っておかなければならないことがあります。
なになに？
ファイナル・デスティネーションは現時点で5作品あるけど、これらは『ファイナル・デスティネーションシリーズ』であって、『ファイナルデッドシリーズ』じゃないからね！！！
パッケージ裏に
「あのファイナルデッドシリーズの最新作！」
とかそんなん書いてある奴は関係ない！！
ぜんっぜん関係ない奴だから！！
す、凄い気合だねー
前からずっと言いたくてたまらなかったんだぁ……
あー、スッキリした！
何か鬱憤があったんだねー。
そのあたりの理由も教えてくれるの？
あとでね。最初はとりあえず作品の紹介しちゃおうかな。
りょうかいっ！
――あらすじ――
さて、『ファイナル・デスティネーション』についてだけど、まず恒例の予告編は今回無しです。ごめんなさい。
探してみたんだけど、後半のシリーズのくらいしか無かったんだ。
まぁそういうこともあるよね。仕方ないない。
本当は動画があった方がイメージしやすいんだけどねぇ……
下手に「各自で検索してみて」って言っちゃうと、それはそれでネタバレ踏みかねないから勧めたくないし。
それで、この映画はどんな感じで始まるの？
わくわくするなー。
うん。まず本作のキーワードとなるのは『予知夢』と『死神』だね。
クイズのヒントで出してた奴だね。
うぅ、なんかこわそぉー……
物語は高校生の主人公・アレックスが修学旅行へ向かう飛行機に乗るところから始まる。
これから起こるイベントに期待で胸を膨らませながらみんなで離陸に大喜びしてたんだけど……
なんと！ 突然の事故によって機体が炎上し始めるの。
飛行機の揺れは徐々に激しさを増していき、乗客はパニックに襲われるが為す術もなく叫び声をだすことしかできない。やがて外壁が壊れ、座席ごと上空へと投げ出される人も出てくる。
ついには機体の前方から爆炎が襲いかかり主人公も炎へと飲み込まれてしまうのだった……完。
映画終わっちゃった！
――なんてことはなく、実はそれは夢だったのである。目を覚ましたアレックスは、まだ離陸する前の飛行機に乗っていたの。
予知夢だったことに気がついたアレックスは「飛行機が爆発する！」と言って暴れ始めて、止めようとした友人達もろとも引きずり降ろされてしまう。
そして、飛行機は予想通り爆発し、アレックス達数人は運良く生き残ることができたんだ。
めでたしめでたしだねー。
これが『予知夢』の部分かな。
……あれ、でもそうするとこの後は『死神』……？
そう。運良く助かったアレックス達は日常へと戻っていったんだけど、それからしばらく後、助かったはずの人達がなぜか"事故"によって次々と死に始めるの。
じ、事故……？
それも、偶然に偶然が重なって起きるような不慮の事故。それが何故か生き残った人達だけに次々と降り掛かっていくんだ。
作中ではこれが『死神』の仕業だと言われるんだけど、決して姿は見えないし、本当にそうなのかは誰もわからない。だけど、確かにそこに何らかの法則が働いている。
そのことに気がついたアレックスは、いずれ自分にも訪れる死の運命を回避しようと動き始める……というのが今作のあらすじだね。
……やっべ、すっげぇ面白そう！
んっ？ なんか口調が。
えっ、あ、気のせい！ 気のせいです！
それよりも次は作品の魅力ですよね！ 早く教えてくださいー！
へいへーい！
――ファイナル・デスティネーションの魅力――
ズバリ！ 『登場人物がどうやって死ぬのか』が最大の魅力である！
というと、不慮の事故に至る経緯ということかな？
いえーっす！
このシリーズにおける死への展開は一部で『死のピタゴラスイッチ』とも言われてる程で、一見関係なさそうに、それでいて意味ありげにネジとか落ちてたり、水がこぼれてたり、鳥が飛んでたり……
そういったのが幾つかバラまかれてから、最後に一気に連鎖していって誰かが死ぬ！ というのがお決まりなんだ。
ほほー！ 予想してたギミックが使われなかったり、明らかに死ぬと思ってた人が死ななかったりとか！
わかってるぅぅー↑
1作目はその点がやや控えめではあるけど、明らかにピタゴラスイッチな片鱗は見えるし、2作目以降はもう全体的にノリノリだから最高だよ！！
あと、1～5まで通して冒頭の『事故シーン』が見どころ！
特に2作目『デッドコースター』のハイウェイ事故なんかがものすごくて、何回観てもうひゃー！ってなるよ、うひゃー！って
うぅー！ いいねー！ シリーズ伝統って素晴らしいね！
ドラクエだってスライムを倒さなきゃ始まらないもんね！
あれ、でも6だとぶちスライムの方が最初じゃなかった？
いいんだよー、細かいことは。な？
ドラクエって言えばスライムだろ？ お？
そ、そうですね……
でしょー？
あ、それで話を戻すけど、恋美ちゃんが嫌がるくらいだからこの映画も当然スプラッタな感じなんでしょ？
そうだね、かなりグロいよー。グッチャグチャ。
千切れたり弾けたり、潰れたり砕けたり、燃えたり貫通したり抉られたり縫われたり？
とにかく制作陣の「こんなん面白いでしょ！」っていうのがありありと見えるようなのが詰め込まれてるよ！
やー、いいなー！ 今度絶対観てみよーっと！
ぜひにも！
――まとめタイム――
冒頭でも言ったけど、シリーズは全部で5作あります。
『ファイナル・デスティネーション』
『デッドコースター』
『ファイナル・デッドコースター』
『ファイナル・デッドサーキット』
『ファイナル・デッドブリッジ』
が本物だよ！
なるほど、ファイナルデッドなんとか～は3番目からの流れだけど、それは2作目の「デッドコースター」が基準となって作られてる感じなんだね。
そうそう、それ以外の『ファイナルデッド』なんたらは全然関係ない作品だから気をつけてね！
原題にもFINALなんてついてないのに邦題つける時にそれっぽく付けて誤認させようとしてるんだからね！！
『CUBE』が流行った時に『デス・キューブ』が隣に置いてあって騙された人いるでしょ！ 私だよ！
『SAW』のすぐ傍に『JIGSAW』とか置くんじゃないよ！
なんだよ『新トレマーズ―モンゴリアン・デス・ワームの巣窟―』って、悪意しかないよ！！
私が観たいのは『28週後…』の続編であって『100年後…』なんて作品じゃないの！！！
なんだか、映画って色々と大変なんだねぇ。
確かに、有名なシリーズに似せた名前をつければ興味を惹けるかもしれないけど、誰も幸せになれないと思うんだよね。
邦題が悪いからって作品そのものが悪いわけじゃないのに、そのせいで悪いイメージ持たれても仕方ないよ……
でも、そんな映画作品あるあるを楽しんでる自分もいない？
うぐっ……！
い、や……確かに偽物を見抜いたときとかは「やってやったぜ！」って気分にはなるし、逆に邦題のセンスに関心することもあるけど……
『武器人間』とか好みだった……
ねー？
きっと私たちにはわからない大人の事情とかあるかもしれないし、あまり悪く言うのもよくないと思うよー。
うぅん……確かにそうかも……
先輩、落ち着いててやっぱり大人って感じがしますねぇ……
見た目ちっちゃいけど。
ふふーん、頼りになるでしょー！
それじゃそろそろ次回予告クイズやっちゃおうか。
あ、それなんだけど……今回でちょうど10本目なので、一旦ここで一区切りつけようかなって思ってるんだ。
えっ、も、もしかして終わっちゃうの！？
いやいや！ まだ続けてくつもりだよ。
ただこのペースで映画が増えてくとわけわからなくなりそうだから、大体10本くらいでひとまとめにしようかなって思うんだ。
よかったー！ ほっとしたよー！
ということなので、今回はクイズはお休み。
次は映画紹介しない話を挟む感じになると思います。
これからもよろしくお願いします。
よろしくねー！
