4 陰謀論!?

文字数 1,368文字

 ただし、陰謀論において注意すべき点は、隠れているコイツらが悪だ! と決めつけてしまう部分かもしれません。

① 状況
【放っておいても国々はまとまる?】
どの国の歴史でもあったように、交通・通信や軍事技術の発達による制度・政策の巨大化は不可避だが、急にまとめると反動が起きてしまう。そのため誰が仕切っても、そうした流れに乗ったうえで、国際政治における各国のバランスをとりながら、あるいはドイツ関税同盟やEEC、WTOにおける関税撤廃のような経済分野から、徐々にまとめていくしかないのでは?
【若者が増えると戦争が起きる?】
人口爆発で若年人口が増大すると戦争が起き、減少すると収まるという、ユースバルジ仮説というのがあります。もちろん国益や、相手国も含む世界の利益への配慮が、いつどこでどう戦い、救い、あるいは関わらないかの決定に影響することはありうる。しかし、戦争の発生自体は社会学的な原因によるのなら、そこまで陰謀のせいにされるのは心外かも?

② 意図
【発展途上地域のための体制?】
特に発展途上地域は、集権的な右[開発独裁]か左[共産主義]か宗教[原理宗教]に任せて、建設的に競わせながら乱開発や格差拡大、難民流出を抑え、国民が誇りと責任を持って自国を近代化できるようにしたのでは?
【周囲に開発拠点も設けた?】
またその周辺地域では、比較的に居住環境が良く、従って社会環境も良い(逆に言えば、お人好しが弱点にもなりうるが)極東の黄色人種が住む島国や、欧州に移住した中東起源の人々が帰還して建てた国、アフリカであれば白人植民者が創った国を、やはり建設的に周辺諸国と競わせながら、文明化の拠点や補助者、後には協力者(パートナー)として支援してきたのでは?

③ 主体
【憎まれ役も含めた下請け?】
ユダヤ陰謀論なら、彼等も日本人と同様に、憎まれ役も含めてキリスト教、あるいは西欧諸国の人々の下請け的な役割も引き受けていたのでは?
キリスト教徒にはできなかった金融業を営んだり、有色人種国家でありながら植民地を経営したりできた人々は、当時他にはいなかったかもしれません。
当初は干拓でできた小国や、三十年戦争で荒廃した貧しい国、広大な寒冷地の国であったのに、急速に発展してヨーロッパ・ユーラシア大陸を近代化していったオランダ・ドイツやロシアにも、そういうところがあったのでは?
【調整役にすぎない、あるいは自らも一枚岩ではない?】
アングロ・サクソン陰謀論や多国籍特権階層(グローバルエリート)陰謀論なら、他国からしても、地続きの隣国よりは、海を隔てた第三国や国境を越えて働く人達に仕切らせたほうが、利点があったのでは? そもそも移民や混血、内部の派閥などもあって、ひと(くく)りにはできないのでは?

④ 我々自身との関係
【釈迦の(てのひら)?】
過去に我々の利益になった活動や、利益を守ろうとした戦いでさえも、実は〝 釈迦(しゃか)(てのひら)〟の上だったのでは?
【本当はあなたのため、みんなのためにも……?】
それはただ(だま)されたとか、利用されたとかいうのではなく、試され、評定されていたとか、お互いや世界のためにもなったとかいう部分もあったのでは?

……といったことも、検証すべきではないでしょうか。
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