河豚の毒は有名ですが…

文字数 963文字

「おまたせ!」
2人はさっそく次の料理を作ってきました。
やっぱり普通な見た目でとても美味しそうな…これは雑炊でしょうか?
やっぱり危険な食材が入っている様です。
「ねぇねぇ、本当はアタシ達が料理しちゃ駄目なんだよ?」
「おおおっ? これは確かに刺激的な味でありますよっ!! 口の中がズッキリして気分ぞうがいでありますよ!!
今度もばっちり刺激的な味に仕上がっているみたいです。
つか、またガーゴイルは話の途中で食べちゃってますね…。
キノコの次に思い出した食材。
それは毒が有る事で有名な魚“河豚”でした。
この魚は種類や漁場で毒の量や部位が変わり、東の国では危険を承知で食べる文化があったりもします。
勿論、国家資格を持つプロが調理して初めて食べられる代物。
その中でも特に毒性が強い事で有名…と言うか可食部の無い全身猛毒のドクサバフグが今回の食材でした。
毒の無いサバフグと間違えて食べてしまい、集団食中毒に発展した事件はまだ記憶に新しい話です。
「あで…?」
あ…。
「でもなんだかジダがビリビリじびれずぎでうま…じゃべれな…あり…まず…」
“今度こそ”とか言う間も無く副作用が(汗)
石像のガーゴイルから物凄い汗が吹き出しています。
「ぞれ…どご…が、デもアジも、じびれ…じびびびびびびびびびびびっ!?
どうやら“ドクサバフグ”はガーゴイルにとって倦怠感や疲労感を払拭する効果がある様子。
でも同時に全身を硬直させ、身動きを止めてしまう副作用もある様です。
そのまま彼はしばらく瞬きさえ出来なくなってしまいました。
「ううう…や、やっどおざまっでぎだでありまず。確かにこれは自分の注文通りシビレル味でありますが…」
ガーゴイルは溜め息を1つ。
「何かあった時に身体が動かないんではお役に立てないんであります」
『確かに…』
すずとランカの声がハモリました。
・・・・・・。

3品目 失敗
星 ☆☆★ 2つ

ガーゴイルが記憶の片隅から思い出す材料はどうも副作用が強い物ばかりで、ちっとも役立ちそうにありません。
すずは呟きます。
「やっぱり毒は毒なの」
その言葉にランカは薬剤師をしているおばあちゃんの話を思い出しました。
「毒…。薬と毒は紙一重…?」
そうしている間にガーゴイルは次の材料を思い出した様です。
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登場人物紹介

鈴音(すずね)


修道院の貧困を救うためにお金を稼げる大人を目指している孤児院出身の女の子。

努力と根性で高名な魔法学校に次席入学を果たした。

過去に壮絶な死別を経験しており、食べ物を粗末にする事を極端に嫌う。

明るく積極的で協調性にも優れ友達が多い。

しかし実は周囲の生徒と価値観が合わず、本当の友達と呼べるのはランカ一人しかいない。


モデル:CHOCO鈴音

蘭華(ランカ)


すずねの親友で魔法学校を主席で入学した秀才。

天才肌で大抵の勉強は授業のみで覚えられる。

しかし将来に対して何の希望も目標も持てず悩んでいる。

明るく行動的なすずねに刺激を受けてうわさ話を追いかけている。

意外と抜けている一面も。

好物はラーメン。


モデル:CHOCO蘭華

無糖あず(語り手)


二次創作“君影草と魔法の365日”の作者。

トーク作品で一話の“消えた石像の謎”や没ネタ、没エピソードも公開中。

君影草を好きになってくれた人はぜひ!

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