流しそうめん大会
文字数 3,188文字
今日は待ちに待った週末で寮生の皆で流しそうめん大会が行われる日だ。俺はパーティメンバーのオズワルトとレオノーレに加えて、友人の男性ケヴィンと友人の女性ニコルを誘っている。集合時間は寮のイベント開始時間と同じ朝の9時である。時間は8時30分になろうとしていた。
「集合場所はたしか寮の玄関口になっていたはず」・・・アレス
俺は寮の自室から寮の玄関口に向かう
「アレスやっとか」・・・オズワルト
なんと30分前に関わらず、オズワルトが既にもう来ていた。まじめなオズワルトらしい。オズワルトは普段の学校の制服と違って、私服を着ていた。俺は普段見たことがなかったオズワルトの私服を見て男同士ではあるもののドキリとした。長身のオズワルトにぴったり似合っていてセンスを感じる。凄く
「オズワルトは私服か。凄く似合っているよ」・・・アレス
「ありがとう。せっかく皆で集まるんだ。身だしなみもしっかりしないとな」・・・オズワルト
「来ているのはオズワルトだけか」・・・アレス
「女性陣はこの日に合わせてお
「そうだな」・・・アレス
時間は過ぎ、8時50分になり集合時間10分前になる。
「アレスさん、オズワルトさん」・・・レオノーレ、ニコル
なんと10分前になると、レオノーレとニコルは一緒にこちらの方に来た。
(いつの間に、あの2人は仲良くなったんだ?)・・・アレス
2人の姿を見ると、いつもと違う私服姿であった。2人とも化粧をしている上に服装も凄く綺麗にまとまっていてセンスがある。その美しさに俺は目を奪われそうになる。
(2人とも普段の姿と違って凄く新鮮で綺麗だ。良く似合っている)・・・アレス
「2人とも凄く綺麗だ。よく似合っているよ」・・・アレス
「だな」・・・オズワルト
「褒めてもらいました。嬉しいです」・・・レオノーレ
「頑張っておめかししてきた甲斐がありました」・・・ニコル
「そういえば、ケヴィンの姿がまだ見えない」・・・ニコル
「俺達、男はいい加減だからな。多分寝坊でもしているんじゃないか?」・・・アレス
「ありうる」・・・オズワルト
「もう、ケヴィンたら」・・・ニコル
時刻は朝9時になり、集合時間になる。
「今日は寮生皆とその友人で流しそうめん大会を行います。準備から行い、みんなで楽しみましょう」・・・寮イベント発起人
「流しそうめんを流すコースは裏山で取れる竹を使います。」・・・寮イベント発起人
(風流があるな)・・・アレス
「竹を半分に割って、節を抜き、ゴムで竹と竹を繋げます。次に、竹のコースを支える支柱を作ります。園芸用支柱を4本1セットにして広げて、強力なゴムで1つに束ねます。その上にさっき作った竹のコースを乗せればOK。これを繰り返し繋げていくことで一度に大勢の人が食べられる流しそうめんのコースの出来上がりです。細かい説明は後程また説明します。皆さん。作業に掛かって下さい。」・・・寮イベント発起人
「思ったより、簡単そうだな」・・・アレス
「ああ。実際の竹を使うとは風流がある」・・・オズワルト
俺達男性陣は学校の裏山にある竹を採りに向かった。女性陣は動きにくいだろうから支柱づくりを手伝って貰うことにする。
◇
「竹を採りに行くとか子供の頃の遊びを思い出すな」・・・アレス
「俺は子供の頃はそんなことはしたことがないが、いい思い出になりそうだ」・・・オズワルト
俺達は雑談をしながら裏山に向かった。裏山に入ると竹ばかりが並ぶ
「おお。これは凄い景色だ」・・・アレス
「竹ばかりで目を見張るものがある。」・・・オズワルト
「では皆さん、持っている竹引き
俺とオズワルトは2人で協力して竹を切りにかかった。
「オズワルト。竹が倒れないように支えていてくれ」・・・アレス
「分かった」・・・オズワルト
意外にも竹は簡単に切ることができた。
「よし。この調子でどんどん切っていくぞ」・・・アレス
・
・
・
(略)
瞬く間にたくさんの竹を切り取ることができた。
「こんなものでいいだろう」・・・オズワルト
◇
一方、その頃女性陣はというと、竹のコースを支える支柱を作っていた。園芸用支柱を4本1セットにして広げて、強力なゴムで1つに束ねる。これを延々と繰り返す。もちろん、ただ作業をするだけでは暇なので周りに男性が居ないことをいいことに、女性だけのための雑談が繰り広げられる。
「素敵な思い出にしたいですね」・・・レオノーレ
「ええ」・・・ニコル
「そういえば、今は男達が居ないから言えるけど、レオノーレさんは好きな男性はいるの?」・・・ニコル
「――い、いません。」・・・レオノーレ
「本当かな?」・・・ニコル
ニコルは悪い笑みを浮かべながら言った。
「じゃ好みの男性でもいいよ?」・・・ニコル
「――そ、それもありません」・・・レオノーレ
「じゃ、パーティを組んでいる男性、アレスさんとオズワルトさんどちらが好み?」・・・ニコル
ニコルは意地の悪い質問を続けた。
「――――っ。オズワルトさんは基本まじめでしっかりしている所が好きです。アレスさんはたまに
「揺れ動く乙女心ってやつか~。可愛い」・・・ニコル
「もう。ニコルさんったら」・・・レオノーレ
「ケヴィンさんとは今どんな関係ですか?」・・・レオノーレ
「―――うっ。わ、私たちは別に何もナイヨ」・・・ニコル
ニコルは自分の番となると急にしどろもどろになる。
「なんか怪しいです。素直に私に白状しなさい」・・・レオノーレ
・
・
・
(略)
女性陣は男性が居ないのをいいことに恋話で盛り上がっていた。
◆
俺とオズワルトと他の寮生で沢山の竹を持って帰って来た。
「あっ。お帰り」・・・ニコル
「ただいま」・・・アレス
「どう?支柱作りは進んでいる?」・・・オズワルト
「頑張った甲斐があって沢山作りました」・・・レオノーレ
「後は竹を半分に割って節を取って、それを支柱に乗せて組み立てるだけか」・・・アレス
俺とオズワルトは竹を半分に割って、節をとる。それを延々と繰り返した。そして女性陣がその竹のコースを支柱の上に乗せることを繰り返す。
「それでは皆さんいよいよ、竹のコースを連結していきます。連結にはまたゴムを使います」・・・寮イベント発起人
「いよいよ、流しそうめんを流すコースが出来上がるぞ」・・・オズワルト
「どんなコースになるのか楽しみ」・・・レオノーレ
俺達は他の寮生とも協力しながら、竹のコースを連結していく。すると、
「おお、凄い。まるで滑り台のようだ」・・・アレス
「凄く長いぞ」・・・オズワルト
出来上がった流しそうめんのコースは緩やかな傾斜を持った滑り台のような形をしていて、全長で30mにもわたる見事なものとなった。
「風流がある」・・・ニコル
「お
「それでは、これより皆さんが協力して作った流しそうめんのコースでもって流しそうめん大会を行うことを宣言します」・・・寮イベント発起人
■
こうして、いよいよ流しそうめん大会が開始されるのだった。