第14話 報告
文字数 1,330文字
地球代表部でも大きな騒ぎになっていた。
「また事務所がやられたのか!」大山参事は報告を聞いて椅子にどっかり座り込んだ。その対応のため職員たちは慌ただしく執務室を出て行った。一人残された大山参事は頭を抱えて、
「一体、いつまで続くのか・・・」と独り言を言った。すると、
「もうこれで終わりだ。」声が聞こえた。それは半蔵のものだった。大山参事は顔を上げた。そこには忍び装束の半蔵が立っていた。
「終わりとはどういうことだ?」大山参事が聞いた。
「犯人は取締局のダバ主任とウクラ星人だ。警備部長を失脚させ、その職を手に入れ、ウクラ星のバイオノイドを大量に購入しようと考えたようだ。」半蔵は言った。
「そうか。それで彼らどうした?」大山参事が言った。
「ウクラ星人は斬った。ダバ主任は爆弾を自ら爆弾を爆発させて死んだ。」半蔵は言った。
「なに?捕らえることができなかったのか!」大山参事が問い詰めるように言った。
「もとよりその気はない。奴らのためにもう一人、死んだ人間がいる。到底許すことはできぬ。」半蔵は言った。大山参事はしばらく考えた後、
「まあ、よかろう。取締局も事件の真相をつかんでいるかもしれない。」大山参事が言った。
「そうであろう。」そう言って半蔵は姿を消した。
総督府にサンキン局長が報告に来た。
「事務所爆破の犯人はわかったのか?」リカード管理官が尋ねた。
「ええ、それが妙なことになっておりまして・・・」サンキン局長が困ったように言った。
「妙なこと?」リカード管理官が聞き直した。
「はい。驚かないでください。昨日の事務所の爆破の現場に取締局のダバ主任とウクラ星人の商人の死体がありました。彼らのことを調べると、どうもこの2人が結託して、ある地球人を脅迫して爆弾を作らせて、事務所を爆破したようです。」
「そうか。」リカード管理官に別に驚いた様子はなかった。
「その地球人はどうした?」リカード管理官は尋ねた。
「この地球人は昨日、殺されていました。多分、ウクラ星人に口封じされたようです。」サンキン局長が言った。
「では犯人はすべて死んでしまったのだな。しかしどうしてこんなことに?」リカード管理官が言った。
「わかりません。もしかすると例の者たちが、ウクラ人を斬り倒し、ダバ主任を自殺に追いやったのかもしれません。」サンキン局長が言った。
「うむ。」リカード管理官がうなずいた。
「しかし奴らが動かなかったら犯人が分からなかったかもしれません。もしそうなったら大変なことになっていたでしょう。ダバ主任は取締局本部を爆破しようとしていた節があります。それが成功したら今度はこの総督府が狙われたかもしれません。警備部の幹部の彼なら可能です。」サンキン局長が言った。
「では君は、奴らがいなかったらこの総督府が簡単に吹っ飛ばされると言いたいのかね?」リカード管理官は言った。その言葉には棘があるようにサンキン局長は感じた。
「いえ、そんなことは・・・。では私はこれで。」サンキン局長は冷や汗をかきながら早々に部屋を出て行った。
リカード管理官は調査報告書のファイルを閉じてため息をついた。そして立ち上がると窓際に行って外を眺めた。
「地球人め・・・」そう呟きながら、何かを考えているようだった。
「また事務所がやられたのか!」大山参事は報告を聞いて椅子にどっかり座り込んだ。その対応のため職員たちは慌ただしく執務室を出て行った。一人残された大山参事は頭を抱えて、
「一体、いつまで続くのか・・・」と独り言を言った。すると、
「もうこれで終わりだ。」声が聞こえた。それは半蔵のものだった。大山参事は顔を上げた。そこには忍び装束の半蔵が立っていた。
「終わりとはどういうことだ?」大山参事が聞いた。
「犯人は取締局のダバ主任とウクラ星人だ。警備部長を失脚させ、その職を手に入れ、ウクラ星のバイオノイドを大量に購入しようと考えたようだ。」半蔵は言った。
「そうか。それで彼らどうした?」大山参事が言った。
「ウクラ星人は斬った。ダバ主任は爆弾を自ら爆弾を爆発させて死んだ。」半蔵は言った。
「なに?捕らえることができなかったのか!」大山参事が問い詰めるように言った。
「もとよりその気はない。奴らのためにもう一人、死んだ人間がいる。到底許すことはできぬ。」半蔵は言った。大山参事はしばらく考えた後、
「まあ、よかろう。取締局も事件の真相をつかんでいるかもしれない。」大山参事が言った。
「そうであろう。」そう言って半蔵は姿を消した。
総督府にサンキン局長が報告に来た。
「事務所爆破の犯人はわかったのか?」リカード管理官が尋ねた。
「ええ、それが妙なことになっておりまして・・・」サンキン局長が困ったように言った。
「妙なこと?」リカード管理官が聞き直した。
「はい。驚かないでください。昨日の事務所の爆破の現場に取締局のダバ主任とウクラ星人の商人の死体がありました。彼らのことを調べると、どうもこの2人が結託して、ある地球人を脅迫して爆弾を作らせて、事務所を爆破したようです。」
「そうか。」リカード管理官に別に驚いた様子はなかった。
「その地球人はどうした?」リカード管理官は尋ねた。
「この地球人は昨日、殺されていました。多分、ウクラ星人に口封じされたようです。」サンキン局長が言った。
「では犯人はすべて死んでしまったのだな。しかしどうしてこんなことに?」リカード管理官が言った。
「わかりません。もしかすると例の者たちが、ウクラ人を斬り倒し、ダバ主任を自殺に追いやったのかもしれません。」サンキン局長が言った。
「うむ。」リカード管理官がうなずいた。
「しかし奴らが動かなかったら犯人が分からなかったかもしれません。もしそうなったら大変なことになっていたでしょう。ダバ主任は取締局本部を爆破しようとしていた節があります。それが成功したら今度はこの総督府が狙われたかもしれません。警備部の幹部の彼なら可能です。」サンキン局長が言った。
「では君は、奴らがいなかったらこの総督府が簡単に吹っ飛ばされると言いたいのかね?」リカード管理官は言った。その言葉には棘があるようにサンキン局長は感じた。
「いえ、そんなことは・・・。では私はこれで。」サンキン局長は冷や汗をかきながら早々に部屋を出て行った。
リカード管理官は調査報告書のファイルを閉じてため息をついた。そして立ち上がると窓際に行って外を眺めた。
「地球人め・・・」そう呟きながら、何かを考えているようだった。