消えた石像の謎
文字数 916文字
「ランカは気付いた?」
白猫の少女すずは少し興奮した様子で友達の女の子に話し掛けました。
丸みを帯びた大きな耳。
身の丈程もあるフワフワもふもふの尻尾。
ランカと呼ばれた女の子は栗色のリスに似た容姿をしている少し背の低いクラスメイトです。
ランカが言葉を選んでいると、すずは返事を待ちきれずに続けました。
「今朝、学校に来た時に気付いたんだけど、石像の片方が綺麗に無くなってるの」
すず達の通う魔法学校のロビーには、恐い顔をした魔獣の石像が2対飾ってありました。
剥き出しの牙。
鋭い爪。
背中にはコウモリの様な大きい翼まであります。
学校は歴史ある建物でしたので、大人から見れば味のある置物なのかも知れません。
でも生徒にとってはただただ不気味な存在。
生徒の間ではこんな噂話が流れています。
あの石像は生きていて、授業をサボる子供を食べてしまう…と。
まぁ、どんな学校にもある七不思議というヤツです。
つか、そんな物騒な石像が先生の趣味で置いてあったら大問題ですけどね。
実はその石像が1体、忽然と姿を消してしまったのでした。
今日1日、学校はその話題でもちきりです。
でもランカは違っていました。
「ねぇねぇ。石像なんてただの飾りだし、きっと何か事情があって動かしただけだと思うよ?」
大騒ぎし過ぎという否定的なランカの言葉にすずが反論します。
「聞いたんだけど先生達が動かしたわけじゃないみたいなの」
活発で行動的なすず。
冷静で落ち着いているランカ。
一見、正反対な性格の2人は親友と呼べるくらい仲良しでした。
「石像が自分で動くわけないし、つまり誰かが勝手に動かしたって事なの」
なぜなら、抑えきれない好奇心と探求心が2人を不思議な事件へ誘うからです。
石像を動かしたのが先生達ではない事を知ったランカの瞳が輝きだしました。
「ひょっとしたら泥棒の仕業かも…」
完全に憶測の話でしかないのですが…。
「ねぇねぇ。あたし達の学校の物が盗まれるなんて重大事件だよ!」
消えた石像の謎…。
面白くなってきました。
「一緒に確かめるの!」
もう2人を止める事は出来ません。
放課後の約束を交わし、思い思いの準備を始めるのでした。
白猫の少女すずは少し興奮した様子で友達の女の子に話し掛けました。
丸みを帯びた大きな耳。
身の丈程もあるフワフワもふもふの尻尾。
ランカと呼ばれた女の子は栗色のリスに似た容姿をしている少し背の低いクラスメイトです。
ランカが言葉を選んでいると、すずは返事を待ちきれずに続けました。
「今朝、学校に来た時に気付いたんだけど、石像の片方が綺麗に無くなってるの」
すず達の通う魔法学校のロビーには、恐い顔をした魔獣の石像が2対飾ってありました。
剥き出しの牙。
鋭い爪。
背中にはコウモリの様な大きい翼まであります。
学校は歴史ある建物でしたので、大人から見れば味のある置物なのかも知れません。
でも生徒にとってはただただ不気味な存在。
生徒の間ではこんな噂話が流れています。
あの石像は生きていて、授業をサボる子供を食べてしまう…と。
まぁ、どんな学校にもある七不思議というヤツです。
つか、そんな物騒な石像が先生の趣味で置いてあったら大問題ですけどね。
実はその石像が1体、忽然と姿を消してしまったのでした。
今日1日、学校はその話題でもちきりです。
でもランカは違っていました。
「ねぇねぇ。石像なんてただの飾りだし、きっと何か事情があって動かしただけだと思うよ?」
大騒ぎし過ぎという否定的なランカの言葉にすずが反論します。
「聞いたんだけど先生達が動かしたわけじゃないみたいなの」
活発で行動的なすず。
冷静で落ち着いているランカ。
一見、正反対な性格の2人は親友と呼べるくらい仲良しでした。
「石像が自分で動くわけないし、つまり誰かが勝手に動かしたって事なの」
なぜなら、抑えきれない好奇心と探求心が2人を不思議な事件へ誘うからです。
石像を動かしたのが先生達ではない事を知ったランカの瞳が輝きだしました。
「ひょっとしたら泥棒の仕業かも…」
完全に憶測の話でしかないのですが…。
「ねぇねぇ。あたし達の学校の物が盗まれるなんて重大事件だよ!」
消えた石像の謎…。
面白くなってきました。
「一緒に確かめるの!」
もう2人を止める事は出来ません。
放課後の約束を交わし、思い思いの準備を始めるのでした。