09:屋敷の探索 その2
文字数 1,377文字
ガチャガチャ、ガチャガチャ。
海苔蔵さんが部屋Aの扉を開けようとすると、カギがかかっていました。
諦めて部屋Bのほうを先に開けようとしましたが、こちらもやはり施錠されていました。
部屋の中から微かに声が聞こえてきました。
「助けて、助けて」と、小さな女の子の声が聞こえます。
自分の力では開けられないと悟った海苔蔵さんは、頑丈そうな二人の男に声をかけようと、1階へ戻りました。
迅之介さんは1階の使用人室へ向かいました。
使用人室の扉は開いており、中に入ることができました。
使用人室の中には2つのベッドと机、テレビなどが設置された生活空間です。
迅之介さんは机の引き出しを開けていきます。
引き出しの中には、鉛筆やシャープペンシルなどの文房具、そして鍵束が入っていました。
鍵束には5~6本のカギが付いており、何も書いていないため、それぞれがどこのカギかは分かりません。
使用人室を出て蔵に向かっていた迅之介さんと、階段を下りてきた海苔蔵さんは、丁度廊下で鉢合わせしました。
海苔蔵さんと迅之介さんは、2階に到着しました。
鍵束のなかの一本のカギが合い、部屋Aの扉を開けることができました。
ガチャ。
部屋はベッドルームのようです。
部屋の右手には机と本棚があり書斎のようになっています。そして大きな水槽が設置してあります。
部屋の隅には折り畳まれた脚立もありました。
水槽の中には何匹ものカエルが飼育されています。
天井を注意深く観察した海苔蔵さんは、屋根裏への跳ね上げ扉があるのを見付けました。
楠木さんは屋根裏へ上がって行きました。
屋根裏には小さな机があり、怪しげな薬品らしきビンがいくつかと、一冊の本、そしてクーラーボックスがありました。
迅之介さんは本を見てみることにしました。
本は古い日本語で書かれているようです。
迅之介さんは、古い日本語で書かれた本を何とか読み解くことができました。