第53話 香港は対岸の火事じゃない

文字数 1,660文字

 

6/30の中国の全人代常務委員会で国家安全法を香港にも適用することが可決されました。
 全会一致と言う、いかにも中国らしい投票結果で。
 これによって、香港の自由は大きく制限されることになりました、事実上なくなったと言っても良いくらいに。
 今後は民主派議員の選挙活動において、中国共産党を批判することは出来なくなるでしょう、立候補そのものが制限される可能性もあります、司法においても重要な裁判では中国共産党の意向で裁判官が任命される可能性が高いです。
 そして行政の監視、指導を目的とした中国安全維持公署が置かれるらしいです。
 国家安全法に反対してデモや集会を先導して来た『香港衆志』は解散しました、主要メンバーは逃亡しないわけには行きません、確実に逮捕されます、そして国家安全法の最大刑は無期懲役となっています。
(7/1 早速300人逮捕されました、『香港独立』と言う旗を持っていただけで逮捕です。 国家安全法は外国人にも適用されます、もしご旅行の際はお気をつけて、間違ってもプーさんのTシャツなぞ着て歩きませんように、習主席はプーさんに似ていると言われるのがお気に召さないようなので)
 要するに『中国共産党に逆らうな法』です、これが法と呼べるんでしょうかね?
 香港は実質的に中国に取り込まれ、イギリスからの返還の際約束された『一国二制度』は完全に反故にされました。
 これは侵略ですね、戦争こそありませんでしたが、デモ隊の鎮圧など、相当に暴力も使われました。

 世界は即座に反応しています。
 元の統治国、イギリスは300万人に英国籍を与えると発表、台湾は移住者支援の窓口を開設、アメリカは『香港を特別視する必要はなくなった』として、金融面での優遇措置を打ち切る検討を始めました。
 日本からも『遺憾の意』が表明されましたが、『内政干渉だ』と突っぱねられています。
 もう香港は中国なんだから香港のことをとやかく言うな、と言わんばかりの態度ですね。
 まあ、どうせ『遺憾の意』だけだと見透かされてますから、いかようにも反発できるわけですが。
 経済面で中国が重要なことはわかりますが、いつもの『遺憾』で良いんでしょうかねぇ……金のために魂を切り売りしているように感じてしまします。
 
 中国が次に狙うのは台湾でしょうね。
 そもそも、未だに台湾は中国の一部だと主張し、オリンピックなどでは『Chainese Taipei』として参加することを余儀なくされています。
 昨年台湾を旅行しましたが、『中華台北』なんて表記はまるで見かけませんでしたよ、台湾は『臺湾』です。(臺は台の旧字体)
 その次は尖閣諸島ですね、既に『中国のものだ』と言う主張を続けていますし、武装船が日本の漁船を取り囲むなどの脅迫的行動も起こしています。
 尖閣の次は沖縄本島、その次は日本そのものを狙って来るでしょう。
 
『そんなばかな』と言えますか?
 中国四千年の歴史と言っていますが、現在の中華人民共和国が建国したのは70年かそこら前です、その間に内モンゴル、東トルキスタン、チベットと侵略してるんですよ、そして今回の香港です。
 しかもこのタイミング、世界中がコロナで弱ってる時ですからね。
 アメリカでの暴動やBlack Lives Matter運動は中国が煽っていると言う情報もあります、アメリカの手を縛って置いて行動に移した、とも考えられます。
 もっと言うならコロナも中国が開発したと言う説も……あながち勘繰り過ぎではないかもしれませんよ。

 中国は共産党による一党独裁国家です、意思決定のスピードは民主主義の国、とりわけ日本とは比べ物になりません。
 安倍政権は改憲を悲願にしていますが、8年かかっても達成できていません。
 これが一党独裁制なら? 全人代一回で決定です、反対票ゼロで。

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