第49話 ダメなものはダメ

文字数 663文字

 十一月二十一日 八時三十分 妻からのメール
 おはよう
 突然だけど、部屋を借りて住むことにしました。この週末、メイちゃんを連れて二人だけで遊びに来てくれませんか?お願いします

 十一月二十二日 七時五十三分 妻からのメール
 昨日メール送ったんだけど、返事がないので…。
 前に話したとおり部屋借りて住んでいます。メイちゃん連れて遊びに来て下さい。明日かあさってにでも遊びに来て欲しいです。

 十一月二十二日午後、カウンセリングの際、妻からのメールについて話した。
「奥さんは不安定なので、こちらは安定した状態を保って、毅然とした態度で無理なものは無理と伝えてください。精神状態が不安定な者の言葉に動揺して不安定に対応すると、相手は余計に不安定になります」
「今まで奥さんは親や恋人に自分の思いを一方的にぶつけるだけで、それを誰も『ダメ!』と言ってくれる人がいなかった可哀そうな人なんです。
 ダメなものはダメと伝えてください。そこから自分で考えて変わり始めます」
「奥さんは自分の都合の良いように解釈して話が変わっていくので、自分の都合の良いように受け取られないように、言った言わないにならないために、メールで伝えて記録に残してください」
 カウンセラーからアドバイスを受けた。
 また、妻が部屋を借りて住んでいることについて、妻のカウンセラーに相談したのか尋ねると、「カウンセリングを受けている間は、生活に大きな変化が起きることは避けるように伝えるはずなので、カウンセラーは聞いてないと思います」という返事だった。
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