イラストの受注から納品までの流れ

黒名ユウ先生　著「星の王妃さま　エッチな夜のオデッセイ」

を受注した際の実際の流れをリプレイしながら説明していきたいと思います～

「イラストの依頼をしたいけど、どんな風に進行して良いのか分からない・・・」

「どんな風に進行すればスムーズなの？」

などなど、疑問をお持ちの方がいらっしゃいましたら、参考にしてみてくださいね＾＾

まず去年高波編集長からご依頼のメッセージいただきまして、作品URLも一緒に送られてきました。

作品を拝読した上で、

・今回はトークノベル形式で配信する事為、表情差分アイコンが必要である事

・キャラクターデザインイメージ

・期限どれくらいまでにイラスト必要か

・金額

という項目ご連絡いただいています。

「どんなイラストを、何の為に、何枚必要で、いつまでに、この金額で描いて欲しい」

という要点押えてくださっているので受注もスムーズですね。

ここでちょっと気を付けて置いていただきたいのが、

もし表情差分やポーズ差分が必要な場合、この初めの段階で伝えていただけると助かります。

差分用にレイヤー分け作業をしておく必要があるので、事前に知っているのと後から言われたのでは作業量が全然違ってきてしまうのです。

依頼内容を確認、受注しましたら、さぁ作業開始！

「星の王妃さま　エッチな夜のオデッセイ」どれどれどんな作品だい？

と拝読、お腹抱えて笑ったテンションのまま、まずはキャラクターデザインのラフスケッチを作成します。

キャラクターデザインのラフスケッチですが、描く場合と描かない場合があります。

今回はキャラクター性の強い作品だったので、まずはイメージの擦り合わせをしたいと思い描きました。

アイコンにもなりますしね。

王妃様はセクシーな淑女なんだけど、とんでもなくズレた人だったので、セクシーな体で童顔の子供っぽい顔つきにしました。

好奇心旺盛で我が道を行く！

だけどどこかほっておけない可愛らしい女性をイメージしています。

後、作者の黒名ユウさんから衣装はパンタロンでご指示が来ていたので、パンタロンをセクシーにアレンジ。

「星の王子様」は王子様のパンタロンとスカーフ姿が印象的なので、王妃様にもインパクトの大きなスカーフを付け加えました。

セクシーな女性キャラクターが出来上がったのですが、作品自体は女性向けを意識されているとの事だったので、服飾は女性が好むような繊細な印象になるように意識しています。

配色もハッキリした色より、少し可愛らしさのある色を選んでいます。

そして、編集長に送信！

方向性が合っているか確認作業へ

書籍の制作では、いつも編集者さんが入ってくださいます。

作者さんと直接やりとり・・・と言うのは珍しいですね。

今回は大幅な変更はなく、大方ご満足いただけた模様でした。

作者の黒名さんより

「王妃様の泣きぼくろがアイコンになった際に目についてしまうかもしれない」

「アイコンになった際、王妃様の服が黒い事が分かるようにして欲しい」

と2点ご意見いただいたので、少し修正をしまして、編集さんに送信。

この2キャラクターはデザイン面結構丸投げだったので、私も自由に遊ばせていただきました。

そんな私のアイディアも自由にOK下さる、編集さん、作者さんにも感謝です！

キャタクターデザイン、表紙イラストの方向性が固まってきたので、次は表紙絵のラフに入ります。

・女性向けである事

・下ネタコメディーである事

から、

あまりお上品さを失ってしまわない、だけどエッチなお話だとわかるように、よく練って表紙アイディアを頭の中から絵にしてアウトプットしていきます。

表紙ラフはこんな感じに仕上がりました。

場合によるのですが、ポーズや構図に悩んだ際は、簡単な素体を描いた大ラフを送って相談する事もよくあります。

共幻社の編集者さんはしっかり相談に乗ってくれるので、すごく助けられています～

表紙ラフでは、

・どんなポーズで

・どんな表情で

・どんな雰囲気に仕上げる予定なのか

と言う事が伝わるように心掛けています。

自分の頭の中にある完成イメージを伝えるって事です。

それから文章下手くそでも、できるだけ文字でも説明するように心掛けています。

作品イメージをディスカッションする事は、結構大事だと思っています。

私だけのイラストではないので、ちゃんと作者さんが作りだした世界観に沿っているか確認していかなくてはいけません。

この時点で衣服の細かな模様とかは省いています。

ストップがきかなくなったんですよ！

そして、編集さんからOKいただいたので線画作業進みました。

より形が整いました。

背景や全体的な雰囲気は、後の着彩作業時にバランスも見て乗せていきます。

ここでもう一度、形やキャラクターの表情の確認の為、編集者さんにご連絡。

もし形の修正があれば、ここでのリテイクが最終です。

OKいただいたので、この次は着彩完成です。

色を置いて、パーツを塗って、背景を描いて、星や効果をつけて完成！

完成したら目を寝かせてから、翌日にもう一度最終確認するようにしていますね。

次の日に見てもOKだったら、そして編集さんに送信。

もし色や塗りについてリテイクがあれば直します。

そしてこちらもOKいただいたのでタイトルを入れて、アイコンの差分を作って納品完了です！

簡単にですが、こんな感じでお仕事進行しています！

勿論クライアントさんによって、やり方色々ですし「お任せ～」だったり「指示書よく読んでくださいね」というスタンスの所もあるので一概には言えないですが・・・

どういった進行方法がクライアントさんにとってやりやすいか？を読み取る事も大事かなぁ？と思っています。

当たり前のことなのですが、まずはお仕事の関係なので礼儀正しく、言葉遣いには気を付けています。

私も正しい言葉遣いができれいるか不安ではありますが・・・(^^;)

毎日顔御合わす間柄ではないので、メール文だけで人柄や信頼が大きく左右されると思うんですね。

人としての信用を失ってしまわないように気を付けていますね。

それからクライアントさんによっても色々で、

ともかくイラスト関連はこちらに任せたいと思っていらっしゃるクライアントさんには、ディスカッションは手短に、メール内容は簡素に。

イラストを一緒作っていきたいと思っていらっしゃるクライアントさんには、報連相を細かに、頭のイメージは言葉にしてお伝えするように心掛けています。

後ラフの段階でイメージはしっかり言葉にもして伝えておくようにしています。

作品にとってどちらの方が良いとか悪いとかはないです。

お互いに心地よくお仕事するための雰囲気づくりかと思っています。

その後フレンドリーな関係ならば私もフレンドリーに、礼儀正しくお付き合いならば礼儀正しく、するようにしています。

失敗談・・・・もちろん沢山ありますよぉ orz

やはり失敗の多くの原因はリテイクが切っ掛けだったりしますね。

大きなリテイクが出ると、やはり自信を失ってしまうんですね、そのまま恐々修正して出してまた大きなリテイク、自信を失って絵が縮んでいく・・・

リテイクはイラストのお仕事をしていく上で必要不可欠な事なのですが、あまりにも追い詰めるようにリテイクを出されてしまうと、クライアントさんの次の反応が怖くて怖くて・・・

結局自分が持っている実力を出せないまま、リテイクに乗せられてくる言葉に怯えて、描けなくなってしまったという経験がありますね。

自分の未熟さと精神面の弱さ、判断力不足が招いた失敗談です。

リテイクする事によって、ご満足いただけるならばそれで問題はないのですが・・・

ですが、一緒に作品作りをしている共作者の立場でもあるので、あまりにも理不尽なリテイクなどによって、その作品への情熱が削がれてしまうような事はお互いにとって避けたいですよね。

はい！また明日からよろしくお願いいたします＾＾