プロローグ
文字数 296文字
6月中旬
昨夜のウィスキーが抜けず、窓枠に片腕をついたまま紅の絨毯が見下ろした。
内臓が圧迫される感覚。顎、目頭、鼻先から垂れる冷汗が絨毯に染みを一つ、二つと増やす。
今日は雨模様、曇天のシトシトと降り注ぐ雨露が薄暗さを募らせる。
庭に佇んだレンガ塀のそばにある薄桃色のアジサイ、じっとりと体を這う湿気がやけに癪に障った。
根っから陰気な私は雨は嫌いではなかった。むしろ好きな方だ。
むさ苦しい空気、じわりと吹き出す汗、薄暗い空
どこもかしこも息苦しく湿った衣服が纏わりつくこの時期は誰もが滅入る梅雨。
昨晩のアルコールが抜けない理由と他に少しばかり私の心は灰色の雲がかかっているようだ。
昨夜のウィスキーが抜けず、窓枠に片腕をついたまま紅の絨毯が見下ろした。
内臓が圧迫される感覚。顎、目頭、鼻先から垂れる冷汗が絨毯に染みを一つ、二つと増やす。
今日は雨模様、曇天のシトシトと降り注ぐ雨露が薄暗さを募らせる。
庭に佇んだレンガ塀のそばにある薄桃色のアジサイ、じっとりと体を這う湿気がやけに癪に障った。
根っから陰気な私は雨は嫌いではなかった。むしろ好きな方だ。
むさ苦しい空気、じわりと吹き出す汗、薄暗い空
どこもかしこも息苦しく湿った衣服が纏わりつくこの時期は誰もが滅入る梅雨。
昨晩のアルコールが抜けない理由と他に少しばかり私の心は灰色の雲がかかっているようだ。