明日香先輩もみんなも僕が守る

文字数 553文字

 外に出た。
 なんていろんなことがあった日だろう。
 いまでもわからない。
 一体、どうしたらいいんだろう。
 とにかく・・・
 高城さんと、きちんと向き合おう。
 なんとか早智子さんを助けてもらうんだ。
 先輩のこと、信じてる。
 きっと分かってくれる・・・

 高城さんの顔・・・
 早智子さんの顔・・・
 ぼくの心に浮かぶ・・・
 ふたりの気持ち・・・
 ぜんぶ・・・
 分かってしまったから・・・

 でも・・・
 いつだってそうなんだ・・・
 最後にぼくの心に残るのはたったひとりだけ・・・

 寮の建物が見える。
 ちょっと離れてるけど、ぼくの目にはハッキリ見える。
 先輩がぼくの朝食を用意してる姿。
 心の目で、ハッキリと見える。

 歩けば、五分で着く。
 でもいま、そこに行くことなんかできない。
 先輩、ぼくひとりのために、心を込めて準備している。
 ありがとう。先輩。
 ぼく、先輩が、何事もなく朝食や昼食、夕食を届けられるようにしなきゃいけないんだ。
 先輩が、ぼくひとりのために準備してるんだもの・・・

 ぼくには腕力なんてない。
 英語以外、社会を渡り歩くための知識も知恵も持ち合わせていない。
 でもぼくには先輩がいる。
 一番大切な先輩がいる。
 先輩だってぼくに対してそう思ってくれている。
 だから誓うんだ。


 明日香先輩は僕が守ってみせる。
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登場人物紹介

高城サキ 《たかしろさき》  名門女子校・王道女学園二年。『王道女学園振興会』会長。JK起業家。『JKカンパニー』会長。父親は有力国会議員。


「ごきげんよう。生徒会長。

 いいこと教えましょうか。

 基本、わたし・・・生徒会長のこと、大キライなんです。

 分かります?」

「IQの低いおじさん。

 分数分かる?九九は?

 可哀想なおじさんはね。

 もうすぐ死んじゃうんだよ」


井上明日香《いのうえあすか》 名門女子校・王道女学園二年。生徒会長。松山洋介の幼馴染。


「洋ちゃんはね。離れていたって家族と一緒。

 だから友だちといてもね。

 最後は洋ちゃんとこへ帰ってくるの」




蘭美莉《ランメイリー》 台湾からの留学生。父親は公安幹部。

「松山さん。純愛ドラマは、

 ハッピーエンドって決まってるんです。

 加油!我的最親愛的好朋友(負けないで。わたしの一番大切な人!)」

進藤早智子《しんどうさちこ》高城サキの秘書。眼鏡美人。

 「会長。松山君に暴力をふるうのはやめてください。

 松山君の言っていることが正しいんです。

 それは・・・会長が一番、よく知ってるはずです」

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