第71話 策分析と選挙予測:2023年11月

文字数 676文字

(ユニバーサル・ジェンダー党の支持率が、今ひとつ伸び悩む)

2023年11月。東京。ユニバーサル・ジェンダー党オフィス。
ネットワークを通じて、政策要求が次々と集まってきた。第1に、政策要求を要約して、実現可能な施策を構築して、公約に持っていく。政策要求は、具体的な施策に結びつける必要がある。
誰だって「給料が増えればいい」という要求は書ける。でも、労働時間を増やしたくないと言えば、簡単ではない。しかし、これが、「テレワークができない」ことが原因であれば、解決出来る。さらに、「ブラックな職場で、とんでもなく、時給が安く、危険な仕事」であれば、捨ててはおけない。
有権者交流システムは、自動的に質問を作って、こうした付帯条件のデータを取得していた。
このシステムは、完成には、ほど遠いが、それでも、従来の政治プロセスに比べれば、格段の進歩である。
そして、要求に対する解決方法を提案した公約の原案が出来ると、それに対して、再度、意見や、コメントを求め、集約して言った。
こうした継続的に、政治課題をまとめあげるシステムが効果を発揮して、支持層は次第に拡大した。
支持政党を調べた、アンケート結果が出た。
これを、見ると、20代、30代、40代前半は、支持が手堅く増えていた。40代後半と50代は、変化を望む人の割合が減少して、厳しくなっていた。問題は、60代以上の高齢者で、スマホやネットを使うことが少ない世代のため、支持率は壊滅的だった。
これでは、とても議席を取れない。最大の課題は、高齢者の支持が少ないことだ。ネットを使った方法では、高齢者に訴えることは難しい。

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