第3話 初夜……かな?(安心の全年齢向け)
文字数 1,688文字
リー……。
マリー。
誰かが私を呼んでいる。
「マリー。眠ってしまったのか?」
エ……エド様の声だわ。
私は思いっきりガバッと起きた。
エド様の驚いた顔が目の前にある。
私ったら、ソファーで転寝 してたのだわ。
「申し訳ございません。わたくしったら、転寝 なんてはしたない。今、お茶でもお入れいたしますわ」
「ああ。俺が入れるよ。マリーはそこに座っていなさい」
そう言ってエド様は、慣れた様子でお茶の用意をしている。って、エド様に入れさせてどうするのよ。
でも、本当に流れるような動作で入れていらっしゃるわ。
「慣れて……いらっしゃるのですね」
「あ? ああ。戦場には、女性はいないからな。それに、もうカップに注ぐだけになっているんだから。俺が入れても同じだろう?」
そう言いながら、私にティーカップを渡してくれて、自分は私の横に座った。
「さすがに疲れたな」
私の横でホッとした感じで言っているわ。
なんだか夫婦って感じで嬉しい。
「でも、楽しかったですわ」
「ああ。最後の方は何のパーティーだか、分からなくなってたがな」
確かにそうよね。
エド様と私は、顔を見合わせて笑い合っていた。
あっ、そうだ忘れていたわ。
王都でも、婚礼の儀の後の夜会が終わったら、お部屋バラバラだったし、帰って来てもバタバタしてて……。
「あ……あの。エド様」
私はカップをテーブルに置いて、立ち上がった。
少し狭いので、ソファーから離れる。
「マリー?」
「あっ、えっと」
エド様が驚いているので、私もちょっと焦ったけど。
ケイシーも挨拶しなさいって言ったし。
私は、体制を整え。すっと、寝間着の裾を持ってお辞儀をした。
「幾久しく。お可愛がり下さいませ。エドマンド様」
よし。完ぺき。
私にしては、ちゃんと出来たと思う。
エド様が、ゆっくり立ち上がり、私の前までやってきたわ。
「ああ。マリー。末永く仲良くしていこうな」
優しい顔をしているのに……あれ? この前と同じだわ。何か、怖い。
「そろそろ、寝室に行くか?」
「はい」
そ……そうよね。お互い疲れている事だし、もう寝なきゃ。
そうやってエド様の後ろを付いて行ったら、寝室の扉を開けたところでひょいっと抱きかかえられてしまった。
横抱き……と、いうか。これは、お姫様抱っこ?
レンコン畑で、泥だらけになった時以来だわ。
寝室も結構広いと思っていたけど、エド様が歩くとベッドまですぐ着くのね。
ベッドの中央当たりかしら、私はゆっくりと降ろされ横になってしまった。
その上からエド様が覆いかぶさるように……って。え?
「エド様?」
「ん?」
「え……っと、寝るんですよね」
「ああ。そうだが?」
そう言いながらエド様は、私の頬にキスをしてくる。
優しく抱きしめながら……。
そ……そう言えば、私達掛布の上に乗っているわ。
いくらハーボルトの気候が良いからって、このまま寝ては風邪を引いてしまう。
「エド様。わたくしたち、掛布の上に……」
ついエド様を押しのける感じで言ってしまった。
エド様が、少し体を浮かせる感じで私を見た。
「マリー。もしかしたら意味が分からないまま。あの挨拶をしたのか?」
あの挨拶? 私がした挨拶って……。
なんだか、エド様が溜息を吐いている。
「あのなぁ」
エド様は、私の耳元で意味を教えてくれた。
顔が熱い。ケイシー、知っててあの挨拶をしなさいって念を押したのね。
「それで? 奥さま? イヤなら、今日はやめるけど」
お……奥さまって。今日は、って。
怖いけど。
「イヤ……じゃないけど。怖い」
「じゃあ。やめて添い寝だけにしような」
だけど。怖いけど。
多分、今日じゃ無くても怖いもんは怖いんだわ。
「怖いけど。エド様だから」
私の上から、退いてくれようとしていたのを引き留める。
「へ……平気じゃないかも知れないけど」
もう何言ってんのか分からない。
手どころか、声まで震えている。
「ああ。ごめんな、マリー。愛している。出来るだけ優しくするから」
エド様は、そんな事を言いながら、私の上へ戻ってきた。
そして、エド様って嘘つきなんだなぁと、ちょっとだけ思った。
マリー。
誰かが私を呼んでいる。
「マリー。眠ってしまったのか?」
エ……エド様の声だわ。
私は思いっきりガバッと起きた。
エド様の驚いた顔が目の前にある。
私ったら、ソファーで
「申し訳ございません。わたくしったら、
「ああ。俺が入れるよ。マリーはそこに座っていなさい」
そう言ってエド様は、慣れた様子でお茶の用意をしている。って、エド様に入れさせてどうするのよ。
でも、本当に流れるような動作で入れていらっしゃるわ。
「慣れて……いらっしゃるのですね」
「あ? ああ。戦場には、女性はいないからな。それに、もうカップに注ぐだけになっているんだから。俺が入れても同じだろう?」
そう言いながら、私にティーカップを渡してくれて、自分は私の横に座った。
「さすがに疲れたな」
私の横でホッとした感じで言っているわ。
なんだか夫婦って感じで嬉しい。
「でも、楽しかったですわ」
「ああ。最後の方は何のパーティーだか、分からなくなってたがな」
確かにそうよね。
エド様と私は、顔を見合わせて笑い合っていた。
あっ、そうだ忘れていたわ。
王都でも、婚礼の儀の後の夜会が終わったら、お部屋バラバラだったし、帰って来てもバタバタしてて……。
「あ……あの。エド様」
私はカップをテーブルに置いて、立ち上がった。
少し狭いので、ソファーから離れる。
「マリー?」
「あっ、えっと」
エド様が驚いているので、私もちょっと焦ったけど。
ケイシーも挨拶しなさいって言ったし。
私は、体制を整え。すっと、寝間着の裾を持ってお辞儀をした。
「幾久しく。お可愛がり下さいませ。エドマンド様」
よし。完ぺき。
私にしては、ちゃんと出来たと思う。
エド様が、ゆっくり立ち上がり、私の前までやってきたわ。
「ああ。マリー。末永く仲良くしていこうな」
優しい顔をしているのに……あれ? この前と同じだわ。何か、怖い。
「そろそろ、寝室に行くか?」
「はい」
そ……そうよね。お互い疲れている事だし、もう寝なきゃ。
そうやってエド様の後ろを付いて行ったら、寝室の扉を開けたところでひょいっと抱きかかえられてしまった。
横抱き……と、いうか。これは、お姫様抱っこ?
レンコン畑で、泥だらけになった時以来だわ。
寝室も結構広いと思っていたけど、エド様が歩くとベッドまですぐ着くのね。
ベッドの中央当たりかしら、私はゆっくりと降ろされ横になってしまった。
その上からエド様が覆いかぶさるように……って。え?
「エド様?」
「ん?」
「え……っと、寝るんですよね」
「ああ。そうだが?」
そう言いながらエド様は、私の頬にキスをしてくる。
優しく抱きしめながら……。
そ……そう言えば、私達掛布の上に乗っているわ。
いくらハーボルトの気候が良いからって、このまま寝ては風邪を引いてしまう。
「エド様。わたくしたち、掛布の上に……」
ついエド様を押しのける感じで言ってしまった。
エド様が、少し体を浮かせる感じで私を見た。
「マリー。もしかしたら意味が分からないまま。あの挨拶をしたのか?」
あの挨拶? 私がした挨拶って……。
なんだか、エド様が溜息を吐いている。
「あのなぁ」
エド様は、私の耳元で意味を教えてくれた。
顔が熱い。ケイシー、知っててあの挨拶をしなさいって念を押したのね。
「それで? 奥さま? イヤなら、今日はやめるけど」
お……奥さまって。今日は、って。
怖いけど。
「イヤ……じゃないけど。怖い」
「じゃあ。やめて添い寝だけにしような」
だけど。怖いけど。
多分、今日じゃ無くても怖いもんは怖いんだわ。
「怖いけど。エド様だから」
私の上から、退いてくれようとしていたのを引き留める。
「へ……平気じゃないかも知れないけど」
もう何言ってんのか分からない。
手どころか、声まで震えている。
「ああ。ごめんな、マリー。愛している。出来るだけ優しくするから」
エド様は、そんな事を言いながら、私の上へ戻ってきた。
そして、エド様って嘘つきなんだなぁと、ちょっとだけ思った。